ジャニーズ版『トモダチゲーム』、“忖度”展開で「原作とは完全別モノ」ラストの是非
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原作とは完全に別モノと割り切れば…
しかし、原作とはまったく違う作品として『トモダチゲームR4』を受け止めると、少なからず美点も浮かんでくる。
原作の友一はどんどん二重人格的なキャラクターになっていくが、『R4』の友一は、“黒い”一面もありつつ、やはり友情を信じたいという葛藤を抱いた人物像になっており、ドラマ自体も、友情を尊重した爽やかなラストを迎えた。ドロドロに因縁が絡み合う原作では、友一だけでなく、他のキャラクターもどんどんと闇の部分を見せていくため、読み進めていくうちに滅入ってくる面があるが、このドラマは、「その友情は本物か?」という「トモダチゲーム」の原点をポジティブに捉え、原作とは違う『トモダチゲームR4』としてそれなりにきれいにまとまったように思う。第1話で天智が撃たれた部分など、オリジナル要素が最終回の伏線になっていたのもよかった。
また、原作は現在20巻まで出ているが、ようやく最終ゲームまで来たものの、まだまだ終わりが見えず、間延びしてしまっている印象もある。加えて一部キャラが超人化しつつあったり、話が進むにつれて明らかになる“真実”の量も多く、すんなり理解するには人間関係が複雑化しすぎているなど、長く続けている弊害も感じられるので、ドラマオリジナルで完結させたのは、ある意味正解かもしれない。
「友情の檻ゲーム」の最後、友一と紫宮が勝利宣言をする際、彼らがなぜかタキシードを着て、アイドルのごとく華々しく壇上に現れ、紙吹雪が舞うトンチキな演出にはさすがに失笑してしまったが、「ジャニーズドラマ」だと考えれば、むしろ正しいと言えるのかもしれない。しかし、「ジャニーズドラマ」として『トモダチゲーム』をリメイクしたかったのであれば、無理に原作のストーリーを捻じ曲げるより、一部設定とルールを拝借する形で、キャラクターもストーリーもすべて完全オリジナルで作ってしまったほうがよかったのではないだろうか……というのが正直なところではある。原作にはスピンオフ的なエピソードもあったのだから。
なお、一部キャストの演技が酷評されているが、普段はおバカキャラということが想像がつかないくらい、“知性派”の天智を演じきった佐藤龍我は、やはり俳優としての可能性を感じさせた。ゲームの進行役・マナブくんの声を担当したオズワルド・伊藤俊介も持ち味をうまく出していてなかなかよかった。妹の伊藤沙莉同様、声優の仕事も今後増えるかもしれない。
ドラマの最後は、友一にふたたび「トモダチゲーム」への招待状が届くところで終わった。原作がまだ続いているとはいえ、はたして原作とはまったく違う形に終着した『トモダチゲームR4』の続編はつくられるだろうか。
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