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飯豊まりえ、“地味”先輩・川栄李奈に続く? 『ちむどんどん』『オクトー』次々話題

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『ちむどんどん』公式Twitterより

 川栄李奈に続く?

 飯豊まりえの女優としての存在感がこのところ増している。特にここのところ話題だったのが、NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』への出演だろう。

 2015年上半期の『まれ』では土屋太鳳演じる主人公のケーキ屋で働くことになる少女として終盤に登場したが、2度目の朝ドラでは、主人公・暢子(黒島結菜)の幼なじみ・和彦(宮沢氷魚)の同僚・恋人である大野愛役で第8週から登場。

 ストーリー展開や人物描写がきわめて不評な『ちむどんどん』だが、登場人物の中で、飯豊演じる愛は数少ない“常識人”のひとりだった。しかも、交際相手である和彦は愛と婚約までしておきながら暢子への恋ごころに気づき、婚約を「なかったことにしてほしい」と言い出す始末で、愛は「パリでファッションの担当記者として活躍していきたいという夢を叶えるため」という名目で和彦を振ったが、実際には愛は和彦の気持ちに以前から気づいており、身を引いた格好だ。自分勝手な和彦と暢子に振り回されたキャラクターとして視聴者からは多くの同情の声が上がっており、パリに旅立つという形でドラマから姿を消したことを惜しむ声は根強い。

 7月15日放送回で『ちむどんどん』からは退場したが、その1週間前からは主演ドラマ『オクトー ~感情捜査官 心野朱梨~』(日本テレビ系)がスタートしている。人の感情が色で見えるという特殊能力を持つ刑事・心野朱梨(しんの・あかり)がエリート崩れの刑事・風早涼とバディを組み、事件の深層に迫るという作品で、空気の読めない主人公とそれに突っかかる刑事のバディ、主人公が特殊能力で推理する時の演出など、『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』(TBS系)あたりを思い出すといった声も。

 『オクトー』には朱梨の能力を買っている上司役で山中崇が出演しており、奇しくも、『ちむどんどん』でも飯豊演じる愛の直属の上司を演じているという点も話題だ。いずれも、まったく異なるシチュエーションだが、飯豊の目線の演技が印象的でもある。

3年前から急速に存在感を増した要因は“地味さ”?

 飯豊は、小学生向けのファッション誌『ニコ☆プチ』(新潮社)やその姉妹誌『nicola』の専属モデルを経て、2012年に『世にも奇妙な物語 ’12春の特別編』(フジテレビ系)で女優デビュー。出演作を重ねていったが、数年前まではそれほど女優の印象は強くなかったというのが正直なところだ。

「『Seventeen』(集英社)や『Oggi』(小学館)の専属モデルを務めるなどモデルとして活躍していましたし、バラエティ番組などにも積極的に出演。『アメトーーク』(テレビ朝日系)における、架空の番組におけるキャスティングを妄想する人気企画『芸人ドラフト会議』では、2018年放送の第6回で、おぎやはぎ・矢作兼が飯豊をアシスタント役で指名し、「出で立ちがおしゃれ」とした上で、『すごいちゃんと喋れんのね』『今後、本当にベッキーとかこじるり(小島瑠璃子)とかになってもいってもおかしくない』などと“バラエティ力”を絶賛されたこともありました」(芸能記者)

 転機といえそうなのは、2019年放送の大森南朋主演の『サイン―法医学者 柚木貴志の事件―』(テレビ朝日系)。自ら「地味顔」という飯豊だが、それまではスクールカースト上位にいるような女子の役が多かったものの、本作では素朴で純粋な新人監察医を熱演し、女優として注目を集めた。そこから『家政夫のミタゾノ』第4シリーズ(同)、吉田鋼太郎主演の『柳生一族の陰謀』(NHK BSプレミアム)、高橋一生主演の『岸辺露伴は動かない』シリーズ(NHK総合)などで次々とヒロインを演じ、『そのご縁、お届けします メルカリであったほんとの話』(MBS・TBS系)、『ひねくれ女のボッチ飯』(テレビ東京系)、さらに映画『シライサン』など主演作も増えている。

 今年はすでにWOWOWオリジナルドラマ『ヒル』Season 2でヒロインを演じ、広瀬アリス主演の『恋なんて、本気でやってどうするの?』(フジテレビ系)でもメインキャストのひとりを好演したばかり。今年9月に公開されるアニメ映画『夏へのトンネル、さよならの出口』では女性主人公の声も務めている。

「元々モデルとして女性支持も高く、2020年冬の『月とオオカミちゃんには騙されない』(ABEMA)で産休に入る横澤夏子の代理MCを務めたことをきっかけに『オオカミくん』シリーズのスタジオレギュラーとなったことで10代女子からの知名度も拡大。加えて女優としてのキャリアを積んで満を持して二度目の朝ドラ出演となり、さらに幅広く知られるようになったでしょう。女優としてすでに10年のキャリアがありますが、まだ24歳。脇でさまざまな役柄を演じてきたことも、ここにきて実を結んできた印象です」(芸能事務所関係者)

 事務所の先輩・川栄李奈は“地味”を武器に、朝ドラヒロインの座を掴むまで上り詰めたが、飯豊もさらなる飛躍が期待されるところだ。

新城優征(ライター)

ドラマ・映画好きの男性ライター。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

しんじょうゆうせい

最終更新:2022/07/21 13:00
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