竹内涼真『六本木クラス』は“失敗作”? 「梨泰院クラスのダイジェスト」との声も
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竹内涼真が主演するテレビ朝日系木曜ドラマ『六本木クラス』が7日から放送がスタートした。
初回の視聴率は世帯9.6%、個人5.2%を記録(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。夏ドラマはまだすべてが出揃っていない状況ではあるが、民放ドラマではフジテレビの月9ドラマ『競争の番人』(初回11.8%/6.6%)、TBS日曜劇場の『オールドルーキー』(初回11.2%/7.2%)に続く3番手のスタートとなった。
一方、このテレビ朝日木曜21時の枠は、『ドクターX~外科医・大門未知子~』を筆頭に高視聴率の作品が多く生まれており、その意味ではかなり物足りない数字だ。近年は世帯視聴率が全体として低下傾向にあるとはいえ、人気シリーズものを除いたここ数年の新作ドラマでも、波瑠主演の『未解決の女 警視庁文書捜査官』、米倉涼子主演の『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(2018年)、大森南朋主演の『サイン-法医学者 柚木貴志の事件-』(2019年)といった作品は初回15%前後を叩き出している。なにより、ひとケタ発進となると、2015年7月期に放送された武井咲主演の『エイジハラスメント』以来、実に7年ぶりとなるのだ。
「今年のこの枠は、1月期の『となりのチカラ』が全話平均9.2%、4月期の『未来への10カウント』が同10.9%と微妙な結果に終わり、加えてどちらも作品の評判がいまひとつなこともあって、悪い流れを受けたという印象が強い。それでも、見逃し配信のTVerでは総合ランキングで4日連続で1位にもなっていたようなので、なんだかんだ注目はされているようです」(テレビ誌記者)
だが、ここから盛り上がっていけそうかというと、微妙なところのようだ。というのも、『六本木クラス』も初回の評判があまり芳しくないのだ。本作は2020年に話題になった韓国ドラマ『梨泰院クラス』のリメイクだが、この“原作”に忠実すぎるあたりが賛否を呼んでいる。
「そもそもは『梨泰院クラス』のドラマもマンガの実写化ですが、『六本木クラス』はドラマをかなり忠実に再現。未成年飲酒や喫煙の部分はさすがに変えたりと、多少の変更はあるものの、ストーリー展開だけでなく、演出やカット割までドラマ版『梨泰院クラス』そっくりな場面が多々あるんです。“オリジナル”へのリスペクトがあるといえば聞こえがいいですが、ここまでやるとリメイクの意味があるのかという疑問も生まれます」(ドラマ・映画ライター)
さらに、忠実にしようとしたがゆえの弊害も生まれているという。
「初回は、『梨泰院クラス』の1話と2話の前半までをカバーした内容でしたが、視聴者からは『梨泰院クラスのダイジェスト版』『パロディのダイジェスト版を見てるみたい』『ダイジェスト見てるみたいに展開早い』といった声が続々上がりました。それもそのはず、『六本木クラス』は初回10分拡大スペシャルで放送されましたが、CMをのぞけば実質54分。一方、『梨泰院クラス』は1話だけでおよそ73分で、『六本木クラス』初回で描かれている2話の前半部分も足すとおおよそ100分ほどある。つまり、本来は倍の時間をかけて描かれるべき物語を再現しようとしているわけですから、ダイジェストになっても仕方ないでしょう。細部がところどころ省略されているため、『梨泰院クラス』を見ていない視聴者には唐突に感じる場面も少なくなかったはず。TELASAでは地上波未公開シーンも含めたディレクターズカットが配信されていますが、それでも58分ですからね」(同上)
さらにローカライズが失敗しているという指摘もある。
「舞台を日本にし、日本人の物語にしているのだから、ストーリーの軸はそのままでも、ある程度はローカライズすべき。しかし、竹内演じる宮部新が自分の父親をひき逃げした長屋龍河(早乙女太一)を襲う場面では、『梨泰院クラス』同様に駆けつけた警察が威嚇射撃を行なうのですが、日本で警告もなく警察が威嚇射撃をするなんてまずありえないでしょう。おかげで『このドラマ、どこの国の話?』といったツッコミまで出ています。これじゃ本当に『24 JAPAN』の再来ですよ」(ドラマ制作会社スタッフ)
一方、日本独自部分にも賛否の声が……。
「新が龍河を探しに行く場面では、龍河はなぜか雨が降りしきる屋外でポテトチップスをつまんで雑誌を読んでいるという謎のシチュエーションが登場。『梨泰院クラス』では外でタバコを吸っているという場面で、未成年設定なのでコンプラ的にタバコはNGになったのでしょうが、『雨の中ポテチはマジで意味がわからない』『ポテチ湿気てそう』といったツッコミが相次ぎました。加えて、『梨泰院クラス』では逮捕された主人公に懲役3年の刑が下るのですが、『六本木クラス』ではなぜか『懲役2年以上3年以下』という謎にふわっとした判決が下されており、こちらもズッコけましたね。そんな曖昧な量刑はないと指摘できる人が誰もいなかったんでしょうか……。
また、それより前の場面では、同級生に横暴ないじめをする龍河を新が注意し、殴ってしまうという展開があり、龍河の父親で、長屋ホールディングス会長・長屋茂(香川照之)が新に対して『息子の前で土下座をして謝りなさい』と要求するシーンがあるのですが、“オリジナル”では淡々と要求するのに対し、香川演じる会長は長テーブルを蹴って土下座できるスペースを設けるなど、“強要”と言っていいレベルで土下座を迫っていました。香川といえば、大ヒットした『半沢直樹』(TBS系)での土下座のイメージが強い。明らかに日曜劇場的な芝居でくどくどと土下座を迫る姿に、『土下座に強い執着を見せる香川さんに爆笑』『香川照之が土下座強要は笑わない日本人いないでしょ』など、笑ってしまったという声が多数。香川自身も『土下座のバーター』と自嘲していましたが、こうしたノリが受け付けなかったという人も少なくありませんでした。主演の竹内涼真はじめ、俳優陣の演技はいいんですけどね……」(前出のドラマ・映画ライター)
『六本木クラス』はテレビ朝日のドラマとしては初めて放送直後からNetflixでも配信されているが、国内デイリー人気ランキングでは、9日に4位まで浮上したものの、数日でトップ10から姿を消してしまった。一方で“オリジナル”の『梨泰院クラス』は、『六本木クラス』放送効果か、ここにきて首位になったりと上位に位置づけており、常に『六本木クラス』を上回っている。このまま『六本木クラス』は、『梨泰院クラス』のプロモーション番組と化してしまうのだろうか……。
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