コロナ禍をサバイブするミニシアターの現状を名古屋の名物支配人がぶっちゃける
#映画 #若松孝二 #ミニシアター #シネマスコーレを解剖する
支配人の個性が売りとなるミニシアターの功罪
――ミニシアターに夢や憧れを抱いて劇場スタッフとして働き始めたものの、給料の安さや日常化したサービス残業に悩む人も少なくない。アップリンク渋谷やユジク阿佐谷では経営者のパワハラが、京都の出町座では過酷な労務環境が問題となりました。これら問題に関しては、木全さんはどう思いますか?
木全 うちは週休2日+αあるので、勤務状況はそれほどハードではないと思いますが、給料は安いです。結婚して、子どものいる家庭を持つ人は楽ではないかもしれません。でも、今は共働きの夫婦が多いんじゃないですか。給料が安いので、サイドビジネスは認めています。坪井はうちで働く以外にも、大学の非常勤講師をしています。私も以前は2つやっていました。パワハラ問題に関しては、うちは坪井が20年働いているのをはじめ、長く働いているスタッフしかいないので、そういったトラブルはないはずです。ミニシアターは支配人の個性によるところが大きいと思います。支配人の個性、志向性によって、劇場は運営されているわけです。個性があるのはいいことなんですが、その個性を周囲にまで強いるのはよくない。パワハラにつながってしまいます。そこに新しい劇場を造るなどの経済的な事情が絡むと、問題が起きやすいのかもしれません。うちの場合は、映画塾などはやっていますが、身の丈にあった形でやっているので、大丈夫です。
――「シネマスコーレ」に掲げられている看板「燃えよインディーズ シネマスコーレ ここにあり」というフレーズが、木全支配人の生き方も表しているように感じます。
木全 私が考えたフレーズです(笑)。30周年記念の際に『燃えよインディーズ』というタイトルの30年誌を作ったんです。来年2023年は開業40年を迎えるので、新たに40年誌を刊行するつもりです。他にも大きなイベントをやりたいと思って、隠し玉を準備しているところなので、楽しみにしていてください。自分たちが楽しめないと、お客さんも楽しめません。「ミニシアターって、こんなに楽しいんだ」とお客さんたちに感じてもらえるよう、これからますます新しい企画を劇場から発信していくつもりですよ。
『シネマスコーレを解剖する。コロナなんかぶっ飛ばせ』
製作/メ~テレ(名古屋テレビ放送) 製作総指揮/村瀬史憲 監督/菅原竜太
出演/木全純治、坪井篤史、足立正生、入江悠、瀬戸慎吾、北條誠人、ジュ・ヒ、井浦新、奥田瑛二、若松孝二 語り/韓英惠
配給/メ~テレ、シネマスコーレ 7月2日(土)より新宿k’s cinema、7月9日(土)より名古屋シネマスコーレ、7月16日(土)より京都みなみ会館、大阪シネ・ヌーヴォ、神戸元町映画館ほか全国順次公開
©2022「神は見返りを求める」製作委員会
https://www.nagoyatv.com/program_sp/buttobase_ex.html
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