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日テレが抱える深刻な「ジャニーズ問題」 それでも『ネメシス』続編強行のワケ

日テレが抱える深刻な「ジャニーズ問題」 それでも『ネメシス』続編強行のワケの画像
櫻井翔(写真/Getty Imagesより)

 4月期の民放ドラマの多くが最終回を迎え、嵐・二宮和也主演のTBS日曜劇場『マイファミリー』が世帯平均視聴率の全話平均で12.9%、最終回の世帯平均視聴率16.4%と「大河ドラマ超え」の勢いを見せたほか、木村拓哉主演の『未来への10カウント』(テレビ朝日系)も全話平均で10.9%、最終回13.1%を記録。4月期ドラマで全話平均10%超えを果たしているのは他に、22日に最終回を控える元V6・井ノ原快彦主演の 『特捜9 season5』(同)のみで、ジャニーズ俳優の強さが浮き彫りになった。

 しかしこうした中で深刻な「ジャニーズ問題」を抱えているのが日本テレビだという。

「日テレはドラマ不振が続いており、今期もゴールデンプライム帯放送の3作はいずれも視聴率ひとケタ。系列のHulu共同製作となるディーン・フジオカ主演の土曜ドラマ『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』は18日放送の第9話で視聴率5%を割るなど目も当てられない惨状ですが、それ以上に困ったことになっているのが日曜ドラマの『金田一少年の事件簿』です。

 KinKi Kids・堂本剛主演の初代が2シリーズとも全話平均で20%超えという大ヒットで、劇場版も製作されるなど一世を風靡した『金田一』シリーズは、その後もジャニーズを主演に据えて製作されてきた、日テレとジャニーズの伝家の宝刀。しかし、なにわ男子・道枝駿佑を5代目主人公におよそ8年ぶりに復活させたものの、初回をのぞいて世帯平均視聴率は5%後半~6%前半を連発し、厳しい状況です。かと言ってTVerの見逃し配信がめちゃくちゃ回っているというわけでもなく、むしろ放送すれば放送するほど堂本剛の初代シリーズが素晴らしかったという声が上がる一方で、ジャニーズとべったりな日テレはかなり困っている様子」(テレビ関係者)

 「春の金田一祭り」と題して過去シリーズの再放送・配信までして盛り上げようとした日本テレビとしては、想定外の低空飛行だろう。しかし日本テレビが頭を抱えるのはここからだという。

「今回の道枝起用については、ジャニーズ上層部の娘が道枝ファンであったことから抜擢されたとの話まで聞かれます。思わぬ不調ぶりに、道枝不人気説を唱える人間もいますが、今回の『金田一』は10代女性からの支持は厚いようで、ドラマ公式のSNSフォロワー数も多く、放送時間帯の問題ではという声がもっぱら。とはいえ、今さら編成はどうにもできない。しかも7月期は同枠で、King & Prince・永瀬廉主演の『新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~』が控えており、なにわ男子の西畑大吾も出演。ジャニーズとの蜜月関係はさらに深くなりそう。放送中の道枝版『金田一』も、美 少年・岩﨑大昇(ジャニーズJr.)をレギュラー投入しているのに加え、第6話・7話のゲストで戸塚祥太(A.B.C-Z)や小山十輝(ジャニーズJr.)も出演させましたが、さらにジャニーズ勢が投入されるという話も。しかも、まさかの“シーズン2”も予定されていると噂で、局内は戦々恐々となっているとか」(前出・テレビ関係者)

 “続編”といえば、昨年4月期に『金田一』と同じ日曜22:30スタート枠で放送された、櫻井翔と広瀬すずのW主演ドラマ『ネメシス』にも続編の話が浮上している。

 すでに撮影は始まっており、劇場版として年内公開を予定しているとも一部で報じられている。しかし、昨年のドラマ版は全話平均8.6%と不調で、それ以上にドラマの内容が「つまらない」と厳しい声も上がってただけに、なぜ映画化してしまったのだろうか。日テレ関係者がしかめ顔でこう語る。

「そもそも『SR サイタマノラッパー』シリーズや『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』などの入江悠監督を総監督に、『キングダム』『ちはやふる』シリーズなどの日テレ・北島直明氏をチーフプロデューサーに据えるという布陣からして劇場版を意識した座組みでしたが、ドラマ放送前から噂されていたとおり、櫻井と広瀬を口説く上で、初めからドラマと映画版はセットの契約になっていたんです。ドラマには江口洋介や橋本環奈など脇にも豪華キャストが多数登場しており、“映画込み”にしないとギャラが捻出できなかった。ドラマの視聴率が振るわなかったこと、新型コロナでスケジュールが組めなかったことで一旦製作保留となり、局としてはこのまま映画化は“封印”したかったのが本音でしたが、結局、契約書があるため逃げられなかったわけです。

 加えて櫻井は、『1億3000万人のSHOWチャンネル』や音楽特番『THE MUSIC DAY』のMCを務め、『news zero』や日テレの選挙特番のキャスターも務める、筋金入りの日テレのVIP。“櫻井案件”はことさら日テレにとっては最重要項目です。プロデューサーの日テレ・北島氏は櫻井の大学時代の同級生で友人でもありますしね。

 ただ、制作費をできるだけ安くするために、ドラマ版であらかじめ多めに撮影していたカットを使い回すことになりそうだと聞いています。当たる要素もなく、現場も冷めきっている。現在水面下で交渉している嵐メンバーの助っ人出演が実現さえすれば、辛うじて話題性は保てるのですが……」

 日テレドラマの映画化といえば、玉木宏主演の映画『極主夫道 ザ・シネマ』が6月3日に封切られたが、「国内映画ランキング」初登場6位(興行通信社調べ)と厳しい出だしを迎えている。劇場版『ネメシス』でさらに赤字が膨らまなければいいが……。

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大山ユースケ(ライター)

1990年、千葉県生まれ。某大手メディアに勤務中の複業ライター。得意ジャンルはお笑いと酒。

おおやまゆーすけ

最終更新:2022/06/22 12:00
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