過激すぎて全米で上映中止になった衝撃作! 実録リベンジ映画『KKKをぶっ飛ばせ!』
#映画
幼年期を過ごした思い出の場所が、復讐の場に
上映時間78分ながら、小気味よい復讐バイオレンスものに仕上がった『KKKをぶっ飛ばせ!』は、物語の構造がフランス映画界の巨匠ロベール・アンリコ監督の人気作『追想』(75)によく似ている点も面白い。
フィリップ・ノワレやロミー・シュナイダーらが出演した『追想』は甘ったるい邦題とは裏腹に、第二次世界大戦末期に起きたナチスによる「オラドゥール村虐殺事件」を題材にした衝撃的な実録バイオレンスものだった。愛する妻と娘を疎開先の村でナチスに虐殺された医者(フィリップ・ノワレ)は、子どもの頃の遊び場だった古城で復讐を果たすことになる。
古城にはかつて隠れんぼして遊んでいた抜け穴や隠し部屋があり、医者はそれらを巧みに使って、ナチス兵をひとりずつ倒していく。『ニュー・シネマ・パラダイス』(88)の優しい映写技師役でおなじみのフィリップ・ノワレが壮絶な復讐鬼に変貌していく姿が強烈だった。
本作の主人公・ブランドンも、子どもの頃に兄や姉と一緒に遊んだであろう思い出の牧場で、憎きKKKへの復讐に挑む。牧場で過ごしたイノセントな少年時代は、もう二度と帰ってはこない。顔を隠し、集団で襲ってくるKKKに向かって、ブランドンは怒りの銃弾をぶっ放す。過酷な運命に立ち向かうことを覚悟した、誓いの号砲でもあるかのようだ。
『KKKをぶっ飛ばせ!』
監督・脚本/チャーリー・スティーズ
出演/ディオンドル・ティーグル、フェイス・モニーク、トラヴィス・カットナー、スコット・スカーロック
配給/TOCANA R15 4月22日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、新宿シネマカリテほか全国ロードショー
©DARK TEMPLE MOTION PICTURES
kkk-movie.jp
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