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月9『ミスなか』“原作超え”の名シーン…門脇麦&鈴木浩介の名役者っぷりに脱帽

月9『ミスなか』“原作超え”の名シーン…門脇麦&鈴木浩介の名役者っぷりに脱帽の画像
門脇麦演じるライカ/千夜子(ドラマ公式サイトより)

 主演の菅田将暉を始めとした俳優陣の名演が続くフジテレビ系月曜ドラマ『ミステリと言う勿(なか)れ』。3月14日に放送された第10話は「ファイナルエピソード(episode final)」と銘打たれただけあって名シーンの連続だった。

 整(菅田将暉)はライカ(門脇麦)と一緒に初詣に行く約束をする。元日の夜、お参りをしておみくじや屋台を楽しんだふたりは、帰り道にまだ明かりのついていた焼肉屋へ入ったのだが、店員の邦夫(堀部圭亮)と沙也加(志田未来)の様子がどこかおかしい。父娘のようだが、どこか違和感のある邦夫と沙也加。ふたりを気にしつつ焼肉を食べはじめるが、整がふいに肉を焼くライカの手もとに目をやると、その手首にはリストカットの跡が。視線に気づいたライカは「自分がやったのではない」「千夜子がやった」と、自分と“妹”千夜子の秘密について語り始めるのだった。

 これまでライカが話していた「春にいなくなる」理由も明らかになり、整と過ごす最後の時間を心から楽しもうとするライカの姿は視聴者の心を強く打った。ライカが生まれて初めて食べる焼肉のおいしさ、”リハビリ”ではなく「走りたい」と湧き上がる自身の衝動に身を委ねる満面の笑顔、「整くんの痛みも代わってあげられたらよかったな」と言う悲しげな声……。「切なくてすごくよかった」「門脇麦さんのライカのセリフと演技に悲しくて泣いた」と視聴者のから絶賛の声が上がったのも納得だ。原作ではまだ描かれていないライカとの別れは、場合によってはブーイングが起きる可能性もあったが、ライカが最期に過ごした鮮やかなきらめきの瞬間を見事にかたちにした門脇麦の演技は、そうした批判も起こらないほど見事なものだった。

 さらにもうひとつの“原作超え”シーンが、ライカと別れて春を迎えた整(菅田将暉)とその恩師・天達(鈴木浩介)の教室での会話だ。ぼうっと窓の外を見る整に「何かあったの?」と声をかける天達。整が「僕は常々、お花見の楽しみが何なのか分からないって思ってたんですけど」「でも僕、今年は初めて誰かと一緒に桜を見たいと思いました。その美しさについて、誰かと語り合いたいって。そのことに自分でも驚いているんです」と心境を明かすと、天達は慈愛に満ちた目で整を見つめてこう諭すのだ。「あなたはまだ頭でしか知らないことが多いけど、この先 体験することで、考えが変わることもあるだろう。それは恥ずかしいことじゃない。人に会い、人を知りなさい。それは自分を知る旅だよ」。

 下手すれば説教くさくなってしまう原作通りのセリフ。だが、ネット上で「実写化したら陳腐な表現になってしまいそうで嫌だな……と怖がってたけれど、鈴木さんの演技、素晴らしく表現されていてとてもうれしかった」という声が上がっていたように、役者・鈴木浩介が涙なしには見られない名シーンへと昇華させていた。

 実写化はどうしても原作と比較されてしまうが、ときに原作の素晴らしさを上回る感動を生むのは実写化の醍醐味だ。それを実現した門脇麦と鈴木浩介に大きな拍手を送りたい。

■番組情報
月曜ドラマ『ミステリと言う勿れ』
フジテレビ系毎週月曜21時~
出演:菅田将暉、伊藤沙莉、尾上松也、門脇麦、白石麻衣、鈴木浩介、筒井道隆、遠藤憲一 ほか
音楽:Ken Arai
脚本:相沢友子
プロデュース:草ヶ谷大輔、熊谷理恵(大映テレビ)
演出:松山博昭、品田俊介、相沢秀幸
主題歌:King Gnu 「カメレオン」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
制作・著作:フジテレビ 第一制作部
公式サイト:fujitv.co.jp/mystery

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2022/05/17 15:02
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