BE’OにSARUKANI…音楽プロデューサーRUNG HYANGのおすすめ音楽
#ルンヒャン
サブスク時代に何を聴けばいいのか……と“サブスク迷子”になっている方も多いのでは? そんなあなたにプロの音楽プロデューサーが今おすすめの音楽を紹介。今回は自身もシンガー・ソングライターとして活動するかたわら、プロデューサーとして瑛人やMs.OOJAなどを手がけるRUNG HYANG(ルンヒャン)氏にご登場願った。年末年始にじっくり聴いてみてはいかが?
■ RUNG HYANGが2021年によく聴いた3曲
Silk Sonic(Bruno Mars & Anderson .Paak)「Leave the Door Open」
これを聴いてるだけで夢見心地で……今年一番聴いてましたね。私、70年代のソウル・ミュージックが好きなんだって改めて実感したし、それを今のスーパースターたちが遊び心たっぷりにやってるのがたまらなくて。大人が本気で遊ぶ姿に、自分が「DRAMATIC SOUL」というイベントをやってた時に90年代R&Bをテーマにやってたこととか思い出して。アナログ感あるサウンドも大好きですね。この曲のプロデューサーのD’Mileが過去にどんな曲やってたのか調べたりしたぐらい、D’Mileの作るサウンドが自分は好きなんだなって思いました。
BE′O feat. MINO「Limousine」
BE’Oは韓国のラップサバイバル番組『Show Me The Money』のシーズン10でファイナルまで進出したラッパーで、向こうではもう大人気らしいんですけど。番組の中でプロデューサーが曲を作るコーナーがあって、そこで生まれたのがこの「Limousine」。韓国人の友達に教えてもらったんですけど、めちゃくちゃ声がよくて、歌もすごくいいんです。「Counting Stars」って曲はTikTokでバズったみたいで、日本でも街で流れているのを聞いたことがあるぐらい。どっちを選ぶか迷いましたけど、「Limousine」は「あの黒いリムジン、俺もいつか乗ってやる」みたいな歌詞で、日本語ラップを聴いて泣いてた時代を思い出すんですよね(笑)。昔、まわりはどんどん進んでいってるのに、自分は停滞しているっていう時期があって、「のし上がっていくぜ」みたいな日本語ラップを聴いて泣いてた日々があって。「Limousine」はその時代を思い出すような曲でもあって、掻き立てられるものもあるんですよね。
SARUKANI 「1!2!3!4!」
『Show Me The Money』もそうなんですけど、今年はバトル系というか競技系みたいなものにすごく感動して。今年は『Grand Beatbox Battle』(GBB)っていうビートボックスの世界大会を観るようになったんです。私が開いている音楽塾「ルンヒャンゼミ」の元生徒で、今は音楽仲間でもあるYAMORIがビートボクサーなので、それで最近のビートボックスについていっぱい知るようになって、ビートボックスってこんなに進化してたの!?と驚いたんです。アンダーグラウンドで盛り上がっているってことも知って、それで今年からGBBを観るようになって。今年のGBBで、日本の4人組・SARUKANIがこんなに海外で沸かせているって光景にめちゃくちゃ感動しました。クルーとして世界2位になって、(メンバーの)SO-SOとRUSYのタッグでは優勝したんですよね。ビートボックスのシーン自体を追い続けたいなって思った年でした。
■ おすすめRUNG HYANGプロデュースワーク
RUNG HYANG × YAMORI「ジントニック」
先ほど少しご紹介したYAMORIは元々ビートボクサーで、自分のオリジナルの歌を作りたいってことで私のゼミに入って、今はもう卒業してプロとしてやっている要注目のアーティストです。彼はいい意味で自分に対して無頓着で、着飾らないし、“カッコ悪いカッコ良さ”を知ってる。去年1年間はそういう彼の魅力を引き出そうといろいろやってましたね。この曲は一緒に作ろうってことでできた曲なんですけど、後半にはYAMORIのビートボックスも入っていて。ビートボックスも人によっていろんなオリジナリティがあって、YAMORIの場合はリズムと歌ごころですね。あと彼は詩的センスもあって、映像が見えてくるというか。この曲は、ジントニックというものに対してお互いに深堀りしていったらどんなダブルミーニングが生まれるかっていうことを一緒にやれた楽曲です。
RUNG HYANG(ルンヒャン)
福岡県・筑豊生まれの在日コリアン3世。 卒園ソングをテーマにした「さくらびより」がYou Tubeで話題を呼び2012年にメジャーデビュー、情報番組や音楽番組に多数出演。誰かの生活を覗き見しているようなリアルなリリックと、Jazz、Hip Hop、Soul、フォークと様々なジャンルを取り入れた「雑食」スタイルで進化を続けるシンガー ”ソウル” ライター。 SIRUP、韻シスト、向井太一、Claquepotといった音楽シーン重要人物とのフィーチャリング楽曲を次々と発表し各方面で注目を集めている。 自身の活動のみならず多くのプロデュースも手掛け、様々なアーティストを輩出した「ルンヒャンゼミ」が現在全国で話題。2022年より大阪音楽大学特任教授に就任。
rung-hyang.jp
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