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『婚姻届に判を捺しただけですが』最終回の“ラスト3分”に視聴者苦笑い

『ハンオシ』清野菜名と坂口健太郎のキスシーンに「ドン引き」の声…演出に問題?の画像
ドラマ公式サイトより

 清野菜名主演のTBS系火曜ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』、通称『ハンオシ』の最終回が12月21日に放送された。世帯平均視聴率は10.7%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)で番組最高を記録。まずまずな数字で有終の美を飾ることができたが、物語の“ラスト3分”には視聴者から呆れ声が上がっている。

 第9話のラストでやっと想いが通じ合った、主人公の明葉(清野菜名)と百瀬(坂口健太郎)。晴れて2人は付き合うことになるのだが、「お付き合いから徐々に関係を深めたい」明葉と、「気持ちが通じ合ったから結婚する」と百瀬でまたもすれ違い、別居することに。投げやりになった明葉は、百瀬と出会う前から大事にしていたソファを「売ってください」と置き去りにして家を出て行った。

 ソファを買取業者に引き取ってもらってから、そのソファで明葉と過ごした思い出がよみがえる百瀬。買取をキャンセルするために業者のトラックを全速力で追いかけ、明葉に電話をして呼び出し、お互いが好きだという気持ちを伝え合って2人は結婚するのだった。

 ここからが視聴者を苦笑いさせたラスト3分のシーンだ。場面は明葉の職場に切り替わり、先輩デザイナーの小杉(中川翔子)と坂原(笠原秀幸)が楽しそうにゲームをしているシーンに。どうやら2人は付き合うことになったようだ。ほかにも、明葉のことが好きだった唯斗(高杉真宙)に、百瀬に求婚された過去がある麻宮(深川麻衣)が会いに来るシーンが映され、ここもまた恋の予感。さらに、百瀬の上司・舛田(岡田圭右)と、明葉が憧れる作家・丸園(西尾まり)が一緒に買い物をしているシーンが映し出され、実は夫婦だったことが最後に明らかになった。

 この怒涛の展開に、視聴者も「力技エンドで笑った」「最終回ドタバタで無理やり終わらせた感すごい」「エピローグで急にくっつくカップルが出てくるの興ざめするわ」などと苦笑い。登場人物みんなが幸せになるのは悪いことではないが、そこに至るまでの細かな描写があまりにも少なかったのではないだろうか。坂原と小杉については辛うじて前回、小杉が坂原を見直したような描写はあったものの、ほとんどは伏線が張られていたり、応援したくなるような出来事があったりしたわけでもないため、突然の展開に感情移入できなかった視聴者も少なくないようだ。

 ましてや、婚活に奔走していた小杉の相手は、偏った女性観や夫婦観を口にしてきた坂原だ。結婚したら妻に無意識のモラハラをかましそうな坂原が、その発言や考え方を改めたような描写もなく、そのまま幸せになったことに若干のモヤモヤを抱いてしまうのは筆者だけではないはず。

 結局のところ、『ハンオシ』は何を伝えたかったのだろうか。社会的なメッセージを込めようとしたものの、“胸キュン”を優先したがために、どっちつかずな作品になってしまった……という印象は最終回でも拭うことはできなかった。

■番組情報
火曜ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』
TBS系毎週火曜22時00分~
出演:清野菜名、坂口健太郎、倉科カナ、高杉真宙、前野朋哉、中川翔子、笠原秀幸、小林涼子、森永悠希、長見玲亜、深川麻衣、岡田圭右、木野花、田辺誠一 ほか
原作:有⽣⻘春「婚姻届に判を捺しただけですが」(祥伝社「フィール・ヤング」連載中)
脚本:田辺茂範、おかざきさとこ
音楽:末廣健一郎、MAYUKO
プロデューサー:松本明子、那須田淳
主題歌:あいみょん「ハート」(unBORDE/Warner Music Japan)
演出:金子文紀、竹村謙太郎 ほか
編成:宮﨑真佐子
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/hannoshi_tbs/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2021/12/22 18:00
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