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綾野剛が号泣、血まみれ、失踪…ファンの「見たい」全部のせだった『アバランチ』

綾野剛が号泣、血まみれ、失踪…ファンの「見たい」全部のせだった『アバランチ』の画像
ドラマ公式サイトより

 関西テレビとフジテレビの肝いりで始まった綾野剛主演の月曜ドラマ『アバランチ』が12月20日の放送をもって最終回を迎えた。

 最終回となる第10話、羽生(綾野剛)は、死んだと思っていたかつての上司・藤田(駿河太郎)と対峙。藤田は、日本版CIAを設立するために大山(渡部篤郎)が工作した3年前の偽装テロ事件に加担しており、後戻りできないまま大山直轄の秘密組織「極東リサーチ」のメンバーとなっていた。藤田は羽生に銃を向けるが、羽生は「自分だけが犠牲になれば、俺や山守さん(木村佳乃)を守れると思ってません?」と語りかける。そして藤田は急所を撃たず、羽生を殺せないまま去ってしまった。山守は「アバランチ」メンバーの命を守るために羽生、リナ(高橋メアリージュン)、牧原(千葉雄大)に自首を促す。リナと牧原は警察署へ、羽生は郷原総理(利重剛)の前に姿を現し投降。大山が黒幕である証拠を渡そうとするが極東リサーチのスナイパーに銃撃されてしまう。

 決して爽快感のある展開ではなかったが、ネット上の綾野ファンたちは歓喜していた。その理由は「見たい綾野剛の全部のせ」とも言えるシチュエーションの数々だ。「本当にこのドラマで、藤井道人監督は綾野剛に全部やらせましたね」「病院の羽生さん最高」という声があふれたように、息もつかせぬ肉弾戦、車にひかれる過激なアクション、裏切りや慟哭、時に安堵が入り混じるあらゆる場面での泣き、銃撃、血まみれ、病院からの失踪など、思いつく限りのシリアスなシーンがてんこ盛りだった。

 加えて、リナが羽生の銃創から弾を取り出すシーンでは「3、2、1」の合図で取ると言いながら「3」で処置され、悶絶しながら弱音を吐くかわいらしさも。「せめて2でいけよ!」「俺は注射も嫌いなんだ……」とわめく姿のギャップも含めて、ハードボイルドな役柄が似合う綾野に「やってほしい」とファンが願っている姿のほぼすべてが見られたと言ってもいい。

 『アバランチ』の演出と一部脚本を手掛けた藤井道人は、映画『ヤクザと家族 The Family』で綾野と組んでから懇意の仲だ。藤井監督はこの時から、綾野ファンの「こんな綾野剛が見たい」という煩悩を見事に具現化している。今回も、その期待に応えるかたちとなった。

 ドラマの終盤、万事休すと思われたアバランチ。それを救ったのは、羽生をはじめとしたアバランチに良心を突き動かされた面々が伸ばした手だった。最後はアバランチの目指した“正義”が勝ち、なんとなくいい雰囲気で終わったものの、藤田は失踪、アバランチに力を貸し逮捕された大道寺(品川徹)は釈放されないままなどストーリーの粗さは相変わらず。

 終始、役者の演技がストーリーを補う印象に終わってしまった『アバランチ』だが、綾野剛をはじめとした実力派俳優たちのポテンシャルを思う存分味わうには最高のドラマだったといえそうだ。

■番組情報
月曜ドラマ『アバランチ』
フジテレビ系毎週月曜22時00分~
出演:綾野剛、福士蒼汰、千葉雄大、高橋メアリージュン、田中要次、利重剛、堀田茜、渡部篤郎(特別出演)、木村佳乃 ほか
主題歌:UVERworld(ソニー・ミュージックレーベルズ)
監督:藤井道人、三宅喜重(カンテレ)、山口健人
音楽:堤裕介
チーフプロデューサー:加藤正俊
プロデュース:安藤和久(カンテレ)、岡光寛子(カンテレ)、笠置高弘(トライストーン・ピクチャーズ)、濵弘大(トライストーン・ピクチャーズ)
制作:カンテレ、トライストーン・ピクチャーズ
製作著作:カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/A/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2021/12/21 20:00
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