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勢い増す『アバランチ』、視聴率上昇も…“予想通り”の展開に「やっぱり」の声

勢い増す『アバランチ』、視聴率上昇も…“予想通り”の展開に「やっぱり」の声の画像
ドラマ公式サイトより

 綾野剛主演のフジテレビ系月曜ドラマ『アバランチ』がまもなく佳境にさしかかる。12月6日に放送された第8話の世帯平均視聴率は9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、同ドラマで最低を記録した前週7話の7.7%からかなり盛り返してきており、最終話までに2桁台を取り戻すことも夢ではない。

 第一部と銘打たれた5話までと大きく異なる点は、展開のスピード感だろう。山守(木村佳乃)率いる羽生(綾野剛)ら「アバランチ」のメンバーと、権力を握る内閣官房副長官・大山(渡部篤郎)の攻防は激しく、数分ごとに大勢がひっくり返る。少しでも目を離したら状況が変わってしまうという展開には、息をつく暇を与えない“勢い”がある。しかし残念だったのは、その勢いに引きつけられはするものの、ストーリー自体の意外性は薄かったという点だ。

 第8話も怒涛の展開だった。大山直轄の秘密組織「極東リサーチ」に捕らわれた牧原(千葉雄大)を救出しようと動くアバランチメンバーたち。さらにアバランチを名乗るニセの集団が動画サイトに爆破予告をアップする。民間人を巻き込みたくない羽生たちは爆破を阻止しようと奔走するも、すべては大山の手の内で、退路を断たれる。そんな時、最後の一手とばかりに助け舟を出したのが、これまで大山側の人間と思われていた内閣情報調査室のエース・桐島(山中崇)だった。

 しかし第5話で山守と旧知の仲だったことが明かされた時からこの展開はTwitter上で予想されていたため、「やっぱり」というリアクションが多かったものの、顔を伏せ、アバランチ愛用のワイヤレスイヤホンを装着し「今からみなさんを逃がします」と語りかける登場シーンは“エモく”、SNS上は大盛り上がり。これまで冷徹だった桐島が「何があっても生きててくれよ!」と叫ぶ胸熱シーンも涙を誘い、「桐島、内調やめるってよ(映画『桐島、部活やめるってよ』のもじり)」などと視聴者たちを熱くしていた。ただ、わずか10分後には大山に正体を把握され、「桐島、アバランチやめるってよ」などとツイートされる羽目になっていたのは哀れだった。

 そしてもうひとつ予想されていた展開が、山守がアバランチをつくる動機となった藤田(駿河太郎)が極東リサーチの幹部となって生きていたというものだ。第8話のラストシーンで衝撃を持って明かされたという雰囲気だったが、これもTwitter上でかねてから予想されていたもの。第7話で「かつて藤田が羽生に託したジッポを拾い上げる謎の人物」という“匂わせ”があったがゆえに予想されてしまったのだが、サプライズ感を削いでしまうチープな演出だったと言わざるを得ない。

 勢いはあるものの、展開が視聴者の予想通りの範疇に収まった『アバランチ』。このまま“よくありがちなサスペンスストーリー”で終わらないことを期待したい。

■番組情報
月曜ドラマ『アバランチ』
フジテレビ系毎週月曜22時00分~
出演:綾野剛、福士蒼汰、千葉雄大、高橋メアリージュン、田中要次、利重剛、堀田茜、渡部篤郎(特別出演)、木村佳乃 ほか
主題歌:UVERworld(ソニー・ミュージックレーベルズ)
監督:藤井道人、三宅喜重(カンテレ)、山口健人
音楽:堤裕介
チーフプロデューサー:加藤正俊
プロデュース:安藤和久(カンテレ)、岡光寛子(カンテレ)、笠置高弘(トライストーン・ピクチャーズ)、濵弘大(トライストーン・ピクチャーズ)
制作:カンテレ、トライストーン・ピクチャーズ
製作著作:カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/A/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2021/12/13 12:00
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