『ルパン三世』新シリーズに押井守が参加でアニメファン騒然…思い返される伝説の「押井版ルパン」
#ルパン三世 #押井守
『ルパン三世』のテレビアニメ化50周年記念企画として、シリーズ最新作となる『ルパン三世 PART6』が10月9日より日本テレビ系で放送されることが決定し、ゲスト脚本家として押井守監督の参加が今月1日に発表された。これにアニメファンが騒然となり、伝説化している「押井版ルパン三世」を思い起こす人が続出するなど反響が広がっている。
『ルパン三世 PART6』は、ルパン三世を紐解く2つのキーワードでストーリーを構成。1クール目のキーワードは「ミステリー」で、ロンドンを舞台に英国政府を陰で操る謎の組織・レイブンが隠したお宝を狙うルパン一味と、彼らの前に現れた探偵シャーロック・ホームズを中心に物語が展開する。
オムニバスエピソードを担当するゲスト脚本家として、モノクロアニメの『鉄腕アトム』や『エイトマン』の時代からアニメ界で活躍している大御所・辻真先氏や、人気ミステリー作家の湊かなえ氏らの参加が発表されたのだが、その中でも別格の注目を浴びているのが押井監督だ。
押井監督といえば、現在も世界的に高く評価されているアニメ映画『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』や『機動警察パトレイバー2 the Movie』などのヒットで知られる人気監督。だが、過去には大きな挫折を味わったこともあった。それがアニメファンの間で伝説化している「押井版ルパン三世」だ。
「押井監督は、1984年に製作が決定し、翌85年の公開を予定していた『ルパン三世』の劇場版3作目の監督を務めるはずでした。当初は劇場版2作目『ルパン三世 カリオストロの城』を手がけた宮崎駿監督にオファーがあったが、それを宮崎監督が断り、宮崎監督らの推薦で押井監督に話が回ってきた。当時、押井監督は劇場版『うる星やつら』のヒットでアニメファンや業界人に『天才現る』と騒がれており、大抜擢ながら納得の起用でした。ところが、押井監督が用意した脚本は難解で、最終的に『ルパンなんて存在しなかった』という哲学的な結末だったため、前作のような娯楽路線を期待していたプロデューサー側が猛反発。脚本は作画作業に入ることもなくボツとなり、押井監督も降板となって、しばらく立ち直れないほどのショックを受けたと証言しています」(アニメライター)
後年、押井監督は雑誌の座談会や書籍のインタビューなどで「ルパンが『天使の化石』を盗もうとするが、最終的に探し当てたものは天使の化石ではなく、ただのプルトニウム(原爆)だった」「ルパンがそれに触れた瞬間に東京が吹っ飛ぶ」「実際には作動しない原爆で、全部がフェイクだった」「ルパンだけが現実であり得るはずはないので、ルパンもフェイク。最終的に『ルパンなんてどこにもいなかった』という話にしようと思っていた」などと、断片的に“幻の脚本”の内容を明かしている。
「2000年ごろ、押井監督に『好きにしていいから』と『ルパン三世』新作の監督オファーがあったそうですが、押井監督はそれを断ったとされています。もう『ルパン三世』に興味がないのではと思われていたため、今回の新作シリーズへの参加は余計にファンを驚かせています」(前出)
これにネット上では「最後まで一切ルパンは登場しないとか……?」「ルパンの存在否定してシリーズ終わるかも」「押井監督のルパン、どう考えてもヤバそう」「銭形警部が立ち食いソバ屋に行くのと犬が出てくるところまでは予想した」などと、アニメファンから期待と困惑の入り混じった声が続出。『ルパン三世』の歴史に残るような“事件”として大きな反響を呼んでいる。
その一方で「さすがに押井監督も丸くなっているのでは」といった意見もあるが、押井監督は今回の発表に際して「まさか、またルパンに関わるとは夢にも思っていませんでした。シリーズ構成の大倉(崇裕)さんが、『好きに書いてください』と言ってくれたので好きに書かせてもらいました。責任は取れませんが、きっと大倉さんをはじめとした皆さんが戦ってくれるのでしょう。この脚本を採用してくれた製作者の皆さまの英断に感謝します」と“不穏”なコメントを寄せている。
約35年越しとなる“押井版ルパン三世”はどのようなストーリーとなるのか、『ルパン三世』ファンならずとも要注目だ。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事