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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 賛否両論の『#家族募集します』救世主はあの人

重すぎて笑えない? 演出が古臭い? 賛否両論の『#家族募集します』救世主はまさかの“あの人”

『#家族募集します』公式サイトより

 7月16日に第2話が放送される重岡大毅(ジャニーズWEST)主演のドラマ『#家族募集します』(TBS系)。妻を亡くしたシングルファーザーと、それぞれの事情を抱えたシングルマザーらが、ひとつ屋根の下に同居し、子育てやさまざまな悩みをシェアしながら、家族になっていくというオリジナル脚本のホームドラマ。7月9日の初回の放送は視聴者によって評価が大きく分かれたようだった。

 それは初回のハイライトシーン、主人公の赤城俊平(重岡)とその幼馴染の小山内蒼介(仲野太賀)が、キャッチボールをする場面。ボールを投げながら誰にも言えずに抱えてきた胸の内を吐露した俊平が堪え切れずに涙を流し、蒼介もそれを泣きながら受け止める。この山場のシーンは「めっちゃ泣けた」「涙が止まりませんでした」などと大きな話題を呼び、多くの人の涙を誘っていた。

 だがその一方で、「見ていてとにかく疲れる」「話自体が重く、見ていて笑えないのがつらかった」といった声もちらほら。そう言われてみると確かに、重い。突然の妻の死、幼い子どもにその事実を打ち明けられない苦悩。登場する主要人物は皆まじめで、熱い。心に響いた人たちがいる一方で、一部の人は胃もたれを起こしてしまったようだ。なかには「思いの丈を吐き出すのに屋上でキャッチボールしちゃうのマジかよ。いま2021年だよね?」なんて声も。

 そこでふとある名作ドラマが思い浮かんだ。それは1993年に放送された『ひとつ屋根の下』(フジテレビ系)だ。江口洋介扮する長男「あんちゃん」が両親を亡くして以来離ればなれになっていた妹弟6人らを集めて一緒に暮らし始め、さまざまな出来事を乗り越え家族の絆を深めていく、平成を代表するホームドラマ。人情家でお節介、熱くてちょっぴりうざい、そんなあんちゃんに通ずる暑苦しさを、『#家族募集します』の蒼介を演じる仲野から感じたのだ。

 『ひとつ屋根の下』はドラマ史に残る名作だが、今思うと自閉症やレイプなどかなり重いテーマを盛り込んだドラマだった。28年も前の平成初期の時代の熱量と重苦しさは、令和を生きる人たちに広く受け入れられるのだろうか? かつてに比べて明らかに飛び交う情報量が増えた今、取り入れるものが重すぎると敬遠されてしまう傾向にある。誰もが自宅でリアルタイムでドラマを見ていた頃と、移動中などにスマホで見ることもできる今では、受け止め方も変わるだろう。

 重いテーマを扱うドラマほど、ゆるさや笑いが欲しいもの。直近のTBS同枠のドラマである『俺の家の話』や『リコカツ』などはシリアスとコミカルのバランスが程よく、評判も上々だった。笑いがあるからこそ、涙が生きる。重いテーマには、一種の清涼剤が必要なのだ。

 そして今回その清涼剤となりそうなのが、第2話に登場する2人。ゲスト出演するKing Gnu・井口理と、シェアハウスの同居人となる横瀬めいく役を演じる岸井ゆきのだ。夢を追うシンガーソングライターのめいくと、恐らくミュージシャン役で登場しそうな井口。井口がどんな役柄かはまだ分からないが、俳優としても活躍する井口は、2020年の『MIU404』(TBS系)で演じた、自転車でメロンパンを配達するデリバリー配達員役のような、程よく力の抜け役がよく似合う。岸井が持つ独特な雰囲気もまた、ゆるさをプラスしてくれるだろう。第2話ではこの2人がいい意味で、懐かしくも古臭いホームドラマの世界を壊してくれることに期待したい。

■番組情報
金曜ドラマ『#家族募集します』
TBS系毎週金曜22時~
出演:重岡大毅、木村文乃、仲野太賀、岸井ゆきの、金子大地、小松和重、福山翔大、丸山礼 、石橋蓮司、佐藤遙灯、宮崎莉里沙、三浦綺羅 ほか
脚本:マギー
演出:福田亮介、村尾嘉昭
プロデューサー:佐久間晃嗣、岩崎愛奈、那須田淳
主題歌:ジャニーズWEST「でっかい愛」(Johnny’s Entertainment Record)
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/kazokuboshuu_tbs/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2021/07/16 18:00
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