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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『ハコヅメ』と『踊る大捜査線』との共通点

戸田恵梨香×永野芽郁『ハコヅメ』は日テレの“本命ドラマ”? 『踊る大捜査線』との共通点とは

『ハコヅメ~たたかう! 交番女子~』公式サイトより

 戸田恵梨香と永野芽郁のW主演で話題の新ドラマ『ハコヅメ~たたかう! 交番女子~』(日本テレビ系)の放送がいよいよ7月7日22時からはじまる。原作は漫画雑誌「モーニング」(講談社)で2017年から連載中の「ハコヅメ~交番女子の逆襲~」。原作者の泰三子(やす・みこ)は、漫画家としてデビューする直前まで県警に10年間勤務していた正真正銘の元警察官という異色の経歴を持っている。はたから見たらちょっと変わっている警察官の日常や“あるあるネタ”をコミカルに描いているが、作品を通して地に足の着いた印象を受けるのは作者自身の経験によるものかもしれない。

 そんな原作でもたびたび取り上げられるのが、1997年に“他局”であるフジテレビが放送していたドラマから始まった人気シリーズ『踊る大捜査線』ネタだ。「いまだに『踊る大捜査線』の着メロを登録している」「織田裕二が演じた青島かぶれの巡査部長」「『踊る』シリーズを通らず警察官になった新世代」など、警察内部の人間でなくてもクスッと笑ってしまう。連続ドラマの放送は20年以上前であるにもかかわらず『踊る』シリーズは警察官のバイブルのような存在なのだと原作者の秦は話している。

 『踊る』シリーズは、2021年3月に「ねとらぼ調査隊」が行なった「あなたが好きな『フジテレビの刑事・警察ドラマ』は?」という調査では『古畑任三郎』や『アンフェア』『ガレリオ』など数々の人気シリーズを差し置いてダントツ1位を獲得しているなど、一般的にもいまだに根強い人気を誇る。

 それまでの刑事ドラマといえば銃撃戦やカーチェイスなど過剰なアクションで魅せるのが主流だったが、『踊る』シリーズは一転して現実的な描写が視聴者の心を掴んだ。犯罪ひとつ見ても時流を汲んでいたり、民事不介入や発砲許可といった、私情では動けない警察官に課された数々の規則、警察内部の抗えない権力構造など、エンタメでありながらそれまで見たことのなかったリアルなストーリーに視聴率はぐんぐんと上がっていった。

 「エンタメでありながら、それまでにないリアリティで描かれた警察モノ」という意味で、『踊る』シリーズと『ハコヅメ』は似ている。『ハコヅメ』はコメディでありながら、元警察官が原作者なだけあって漫画に描かれる仕事ぶりはとにかく地道なものが多い。また、時に理不尽ですらあり、『踊る』以上に泥臭い。そんな他にない泥臭さがあるからこそ、コミカルな中に人間的なリアリティも生まれる。予告動画についたアオリは「泣くし、笑うし、文句も言うし!! 本音ダダ漏れ交番女子ものがたり」だ。

 大ヒットシリーズとの共通点もあり、原作としても魅力は充分な『ハコヅメ』だが、満を持してドラマ化したのは、警察モノを十八番とするフジテレビではなく日本テレビだった。万が一にでも「フジにドラマ化してほしかった」などと言われないような出来であることを願うばかりだ。

■番組情報
水曜ドラマ『ハコヅメ~たたかう! 交番女子~』
日本テレビ系毎週水曜22時~
出演:戸田恵梨香、永野芽郁、三浦翔平、山田裕貴、西野七瀬、平山祐介、千原せいじ、渕野右登、ムロツヨシ ほか
主題歌:milet「Ordinary days」(Sony Music Labels)
音楽:井筒昭雄
脚本:根本ノンジ
チーフプロデューサー:加藤正俊
プロデューサー:藤森真実、田上リサ(AX-ON)
協力プロデューサー:大平太
演出:南雲聖一、丸谷俊平、伊藤彰記
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/hakozume/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2021/07/07 13:00
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