eスポーツ界と競馬界、ジェンダーギャップが課題? セクハラ・差別に立ち向かった2人の女性が話題に
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eスポーツ界と競馬界。まったく異なるジャンルに思えるが、共通するのは男社会ということ。そんな両業界で、セクハラに立ち向かった女性たちが同時期に話題になっている。
日本人で2人目の女性プロゲーマーで、人気格闘ゲーム『鉄拳』で活躍する「たぬかな」が、スポーツ総合誌「スポルティーバ」(集英社)web版で24日に公開されたインタビュー記事に登場。eスポーツは男女の区別なく戦える競技だが、実際にはゲーム業界はファンも選手も圧倒的に男性が多く、活躍するにしたがって整形を疑われたり、容姿を揶揄されたりと、誹謗中傷を受けることが増えていったという。
世界大会で好成績を残すようになると、海外ユーザーからも「鉄拳でプロになっている女性は、全員枕(営業)をしている」「女だから手加減されている。八百長だ」などと、事実無根のデマをネットに書き込まれるようになったそうだ。
男性社会であるがゆえに「女性である」というだけで異分子として扱われやすく、当初は優しくされても、対等な立場になろうとすると敵対視される傾向にあるようで、それがセクハラ的な言動や女性蔑視的な侮辱行為につながっているようだ。たぬかなは「ネット断ち」や「中傷アカウントをブロック」といった対応策を、処世術にしていると語っている。
一方、競馬界では元JRA騎手で競馬評論家の細江純子が、競馬メディア「Pacalla(パカラ)」の公式YouTube番組に24日に投稿されたインタビュー動画で、現役時代はセクハラに悩まされていたことを告白した。
細江は1996年、同期の牧原由貴子、田村真来と共にJRA初の女性騎手としてデビュー。競馬界も圧倒的な男社会で、当時は「下ネタがあいさつ代わり」のような雰囲気があり、細江は「騎手になった当初は、下ネタで悩んで、人間不信にもなって、引きこもりにもなって、精神的にもボロボロになりました」と語った。
しかし、ある時を境に「下ネタをギャグで返した時に周囲が笑いに包まれて、その時に『ちっちゃいことで悩んでたな』と思ったんです。それからバンバン、下ネタで返すようになったら楽になりました」と、対応を変えたことで乗り切ることができたと振り返った。
ちなみに、現在の細江は「下ネタ」が代名詞となっているほどで、予想コラムやSNSなどでも下ネタを連発している。
「この2つの話題は、男社会での女性の立ち回り方という点で注目を集めています。
細江さんの下ネタ返しはたくましさを感じさせ、ネット上では『最高のセクハラ対策では』といった声も上がっています。しかし、誰にでもできることではありませんし、それでは男社会に順応しただけで業界の体質は変わらないのでは……という見方もある。たぬかなさんのように『ネット断ち』や『アカウントのブロック』で対処するというのも、女性であるというだけでそんなことをしなければならないのは気の毒ですし、どちらの方法も女性に負担を背負わせているのには変わりない。
eスポーツも競馬も、どちらも盛り上がっている業界であるだけに、前時代的な男社会がいまだに続いていることに疑問を持つ人も多い。細江さんらのデビュー以降、競馬界は女性騎手が増えるかと思われましたが、25年経った今もJRA所属の現役女性騎手はたった3人ですからね」(スポーツ記者)
各国における男女格差を測る「ジェンダー・ギャップ指数」の今年3月に公開された2021年版では、日本の順位が156カ国中、120位で、先進国の中で最低レベルが続いていることが話題になった。この改善が急務とされているが、eスポーツ界や競馬界でもジェンダーギャップは大きな課題といえそうだ。
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