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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 本多圭の『芸能界・古今・裏・レポート』  > 大手のセクハラ事件を追及しないマスコミ

ナベプロに続きホリプロでも! 大手プロスタッフによるセクハラ事件とそれを追及しないマスコミのひ弱さ

 大手プロ「ホリプロ」に所属するお笑いコンビ・さまぁ~ずのチーフマネジャーだったM氏が、女性社員に対するセクハラ、パワハラで11月上旬に解雇されていたことが発覚した。

 今年6月には、老舗大手プロ「ワタナベエンターテインメント」の常務取締役だったO氏による、男性アイドルへのセクハラを文春オンラインが報じているが、こうした大手芸能プロ幹部の不祥事に対して、芸能リポーターやスポーツ紙記者は、完全に頬かむりを決め込んでいる。

「ワタナベエンタのO氏の圧力に泣かされていたワイドショースタッフやスポーツ紙記者は、この問題を追及しない一方で、文春に陰ながら拍手したそうです。“多目的トイレ不倫“で謝罪会見を開いたアンジャッシュ・渡部建を袋叩きにした時とは大違いですよ」(芸能ライター) 

 大手芸能プロのマネージャーによるセクハラ・パワハラといえば、2008年に練炭自殺で亡くなったフリーアナの川田亜子さんを忘れてはならないだろう。というのも、享年29歳という若さで亡くなったのは、当時、業界ではコワモテと恐れられていた芸能プロのマネジャーT氏によるパワハラが原因だと囁かれたからだ。

 「川田さんはもともとTBSの女子アナでしたが、T氏の口説きに応じるかたちでフリーに転身し、この芸能プロに所属しました。ところが、川田さんが仕事を通じて他の取材関係者に傾倒したことに嫉妬したT氏が、マネジャーの立場を利用して、仕事を干したんです。自殺はその直後だっため、本来なら、T氏の言動との因果関係が検証されるべきですが、その芸能プロも、ジャーナリズムであるはずのワイドショーやスポーツ紙も見て見ぬふりをしたんです」(前同)

 ハイボールのCMや人気ドラマ『半沢直樹』(TBS系)続編への出演などで再ブレーク中の女優・井川遥も、その昔、T氏のマネジメントを断ったことで、業界から一時干されたことがあったという。

 川田さんが非業の死を遂げてから12年。

 新型コロナ感染拡大の渦中に、ワタナベエンターテインメント、次いでホリプロという大手芸能プロ所属のマネジャーによるセクハラが発覚した。  

 ホリプロといえば、トップである堀義貴代表取締役社長は、日本の芸能事務所で構成される業界団体「日本音楽事業者協会」の会長だ。また、ワタナベエンターテインメントの創業者である故・渡辺普さんは、音事協の初代会長。故・渡辺さんの長女で、ワタナベエンタの渡辺ミキ社長は、音事協の常任理事だ。その業界の中心にいる芸能プロの幹部が、セクハラ・パワハラでは音事協の会員に示しがつかない。しかも、こうしたケースは業界内における氷山の一角でしかないはずだ。

 スポーツ紙記者や芸能リポーターたちも、“芸能ジャーナリズム“を標榜するなら、弱小プロの所属タレントばかりを叩くのでなく、大手プロの圧力に屈せず、セクハラやパワハラといった古き悪しき体質を批判するべきだろう。そうしなければ、いつまで経っても芸能界は浄化されないだろう。

本多圭(ジャーナリスト)

芸能取材歴40年以上、タブー知らずのベテランジャーナリスト。主な著書に『 スキャンダルにまみれた芸能界のトンデモない奴ら』など。

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ほんだけい

最終更新:2020/12/25 19:39
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