TSUTAYA代官山店に向けられた意外な声 新作DVDの無料レンタルは是か否か!?
#映画 #企業 #TSUTAYA
2011年12月にオープンした「代官山蔦屋書店」は、“オトナのTSUTAYA”を謳った落ち着いたデザインで人気のスポット。店内には専門のコンシェルジュやiPadを配し、併設したカフェやラウンジでゆったりと書籍や雑誌のバックナンバーを選ぶことができるなど、顧客本位のサービスで注目を集めている。だが意外なことに、代官山店が行っているあるレンタルサービスに対して、映画関係者のひとりが疑問を投げ掛けている。同店では60歳以上のシニアを対象に、新作・旧作を含めてDVDの無料レンタルサービスを3月19日から4月末までの期間限定で行い、好評を博したことから5月末まで同サービスを延期している。この気前のいいサービスが問題なのだという。
「60歳以上のシニア層にもっとDVDレンタルを利用してもらうためのサービスだそうですが、新作の無料レンタルはどうかと思います。おじいちゃんやおばあちゃんに頼めば、誰でも新作映画を無料で鑑賞できるんです。TSUTAYAは代官山店だけでなく、この無料レンタルを全国的に展開するつもりじゃないですか。今は劇場公開から4カ月待てば話題の映画もDVD化されるわけですが、4カ月待てば、映画は無料で観ることができるという風潮が広まると問題です。TSUTAYAが家の近所にある人は、映画館に足を運ばなくなってしまいます。旧作ならともかく、新作まで無料で貸し出すのはやりすぎですよ」(映画関係者)
100円レンタルを上回る無料レンタルとはユーザーにとってはおいしいサービスだが、そのソフトを製作・供給する側としては死活問題だという。前述の映画関係者は、TSUYAYAを全国展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)社の姿勢に疑問を感じているようだ。
「CCC社は映画会社に対して事前に説明したり、許諾を求めることなく、無料レンタルサービスを無断で始めているんです。関東エリアで4月から100円レンタルを始めたときも断りなしで始めたんですが、メジャー系の映画会社が『やりすぎじゃないか』とクレームを付けたところ、ようやくその会社に対してのみ説明を行ったという対応の仕方なんです。映画には著作権があるわけで、著作権を持つ映画製作会社に無断で無料レンタルをやることは問題があるように思う。TSUTAYA側が買取ったソフトなら無料レンタルでもいいでしょうけど、収益に応じて分配するPPT(pay per transaction)方式の場合は無料で貸し出すと監督印税、脚本印税も含めて著作権料が支払われないことになるわけです。映画というのは俳優たちを数カ月も拘束し、多くのスタッフが汗を流し、数億円の大金を投じて作り上げたもの。現場の苦労を無視するかのように無料で貸し出してしまうのは、映画に対してあまりにも愛がない行為ですよ」(同)
5月23日、TSUTAYA広報に代官山店で行われている無料レンタルサービスについて電話で問い合わせてみた。
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