トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 教師の鑑・南雲“警察出頭”の衝撃ラスト

教師の鑑・南雲“警察出頭”の衝撃ラスト『下剋上球児』どん底から監督復帰の道はあるのか

教師の鑑・南雲警察出頭の衝撃ラスト『下剋上球児』どん底から監督復帰の道はあるのかの画像1
TBS 日曜劇場『下剋上球児』公式サイトより

 鈴木亮平主演の日曜劇場『下剋上球児』(TBS系)の第4話が11月5日に放送された。弱小高校の下剋上ストーリーの序章となる甲子園予選がついに開幕。実質“創部半年”のチームは、南雲脩司(鈴木)の指揮のもと善戦を繰り広げ、来たる2年後の快進撃を予感させた。しかし、南雲には愛すべき越山高校野球部、そして何物にも代えがたい家族との別れが待ち受けていた。

 本作品はかつてエースピッチャーとして活躍した社会科教師・南雲が、問題児揃いの三重県越山高校の野球部を率いて甲子園を目指す物語。南雲は生徒想い・指導上手・子煩悩(ぼんのう)という絵に描いたような真っ当人間だが、実は教員免許を持たずに教壇に立つという秘密を抱えていた。学校を去る覚悟を決めた南雲と、悲願の公式戦1勝を目指す越山高校野球部。別れのときはすぐそこまで迫っていた……。

 第4話は放送当初に掲げられていた“ドリームヒューマンエンターテインメント”の真髄を味わえる放送回となった。これまでの練習試合では不甲斐ない姿が大半だった越山高校野球部。本作品のコミカル担当であり、自称越山高校のメインスポンサーである犬塚樹生(小日向文世)と同じように、負け続きのストーリーに「ちょっといい加減にしてよね!」と落胆する視聴者もいたはずだ。

 しかし、迎えた甲子園予選1回戦の多気高校との一戦には、高校野球ならではのさわやかさと興奮があふれていた。1年生エース・犬塚翔(中沢元紀)が快速球で打者を次々に打ち取れば、久我原篤史(橘優輝)が快足を飛ばして攻撃に厚みを加える。惜しくも1回戦敗退となったが、1年生メンバーだけでこれほど多彩な武器が集結しているのはやや出来過ぎな気もする。ただ、2年後に快進撃を見せることを考えれば名刺代わりにはちょうどいいのかもしれない。

 野球の実力十分の役者たちによる白熱の試合だけでも満足できることがわかったが、本作品のもうひとつのテーマ「愛」を忘れてはいけない。これまで南雲が野球部員に向ける労を惜しまない愛や南雲家の夫婦愛を感じさせるシーンは多々あったが、第4話では“血を越えた親子愛”が映し出された。

 南雲の妻・美香(井川遥)がかつて勤めていた会社に復職するため東京に向かう際に、息子・青空(番家天嵩)は南雲のもとへ向かう。それは三重の土地から離れることだけでなく、父である南雲との別れを惜しんでの行動だった。南雲は美香の連れ子である青空を実の息子として愛を注いできた。青空の誕生日には見当違いのプレゼントを選び、一方で美香の元夫・小柳晴哉(大倉孝二)が贈ったプレゼントが青空の“ツボ”を射てしまうなど、南雲と青空の関係はどこかずれがあった。しかし、青空の行動から南雲の愛は息子にたしかに届いていたのだと筆者は感じた。

 監督として野球部員や山住(黒木華)、犬塚などから支持され、息子・青空からの愛も空しく、警察に出頭した南雲。第5話では南雲の贖罪の日々が描かれることになる。そのなかで南雲が教師を志し、無免許での教師就任に手を染めるに至ったブラックボックスが開かれるだろう。気になるのは、このどん底から南雲がどのようにして越山高校の監督に返り咲くかだ。世間からのバッシングは避けられず、犬塚をはじめとした父兄の信頼を裏切ったいま、教育の一環である高校野球の役職に就くことは不可能に思える。

 この逆境を覆すカギは、やはり南雲の“真の人間性”を知る野球部員、そして南雲に心酔する山住になるのではないか。第5話は南雲復帰の“ウルトラC”を起点に、越山高校としての下剋上ストーリーの幕開けになることを期待したい。

■番組情報
日曜劇場『下剋上球児』

TBS系毎週日曜21時~
出演:鈴木亮平、黒木華、井川遥、小泉孝太郎、中沢元紀、生瀬勝久、小日向文世、松平健 ほか
脚本:奥寺佐渡子
原案:「下剋上球児」(菊地高弘/カンゼン刊)
音楽:jizue
主題歌:Superfly
プロデュース:新井順子
演出:塚原あゆ子、山室大輔、濱野大輝
編成:黎 景怡、広瀬泰斗
製作:TBSスパークル、TBS

公式サイト:https://www.tbs.co.jp/gekokujo_kyuji_tbs/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2023/11/12 12:00
ページ上部へ戻る

配給映画