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お笑い芸人が若手時代に味わう“地獄のライブ”とは?喧嘩してドタキャンは当たり前

お笑い芸人が若手時代に味わう地獄のライブとは?喧嘩してドタキャンは当たり前の画像1
Getty Images

 お笑い芸人をやっていると売れるまでライブに出続けるという、流れで活動する方も多いかと思います。はじめは無名でエントリーライブに3000円出して、3分間のネタをしながらの活動になる場合が多くあります。エントリーライブは誰でも出演できるというメリットはありますが、応援しに来るお客さんがとても少ないです。たまにいても出演者のお友だちが4人だけの日もあります。友達は目当ての知り合いの芸人の出番が終わったら帰ってしまう場合もあるので、その友達の多い芸人の出番の前までに出る事が出来たらラッキーで、出番後に出てしまったら誰もお客さんがいない中でネタをやる事になってしまう場合もあります。

 入場料が極端に安く、500円や無料だったりします。そして、どこから来たかわからないお客さんがコンビニで買ってきた手巻き寿司を食べだしたりもします。コンビニの袋を触りだしたら少ないお客さんはその音に集中してしまい、もうネタは見てもらえません。その状況をいじればいいと思う方もいるかもしれませんが、それが出来ないからこそ勉強でエントリーライブにお金を払って出演しているのです。

 もしくは、そういう時はMCが注意すればいいのですが、そういう人に限って逆ギレしたり全く聞いてくれなかったりするのです。エントリーライブのお客さんのは真ん中で偉そうに座って足を組んで、しかめっ面の人もいます。そんなお客さんが1人の時もあります。出演者も出番前にいなくなったりする人もいたり、ネタ練習中に喧嘩して出番前に解散してしまう芸人もいたりして、直前で出演キャンセルなんてこともあります。

 エントリーはしたが、当日連絡もなしに来ない。これはエントリーライブあるあるかと思います。こういったエントリーライブは1位になると上のライブに出演する事ができます。お客さんが3人ぐらいの時はざらなので、その3人を呼んだ芸人さんが力業で1位をとる事になります。その場でどんなに面白い事ができても、友達を連れてきた芸人が1位をとることになるのです。お客さんが入っているライブだとしても人気のある芸人が1位をとることは多いので、それはもう仕方のない事なんです。

 お客さんを持っていなくて、エントリーライブしか出れない人は、評価されない。ウケているかどうかわからない状態でただただライブに出ているだけの成長も何もない毎日を送る事になります。エントリーライブの芸人は色々なタイプがいますが、挨拶しない、ウケない、揉める、の3拍子揃った芸人もいます。主催者は頭を抱えますが、エントリーライブは芸人がお金を支払って出演するので、いわば芸人もお客さんであるのです。

 お笑いライブは利益が出ない事が多く、赤字なんて事もあります。その中でエントリーライブはお客さんが1人だとしても出演者が30組いたら1組3000円徴収すると9万円の売り上げが出ます。それを月3度やることがあれば単純計算27万円の売り上げが出て、他のゲストばかりが出る豪華なライブに投資する事が出来ます。

 小規模のものになるとエントリーライブに支えられているお笑いライブは沢山あります。だからどんなに出演者の態度が悪くても、お客さんが注意を聞かなくても辞めるわけにはいかないというのがエントリーライブになります。そして芸人もどれだけネタを作っても面白いかどうかわからないライブに出続けるという流れで、なんとかしないとライブによって上達する事が皆無なんて事もあります。

サンミュージック所属のお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」 のツッコミ。コンビのネタ作りを担当するほか、お笑いに対するプロ目線の考察に定評があり、「M-1」などの大会はみずから大会を観覧して分析。自身のYouTubeやライブなどで披露する。中でも「女性芸人」研究家として、東京スポーツで連載を持っている。 YouTubeチャンネル【馬鹿よ貴方は、新道竜巳のごみラジオ】

Twitter:@kPXfF3Xm1jvbLMS

【サンミュージック公式】馬鹿よ貴方はプロフィール

ばかよあなたはしんどうたつみ

最終更新:2023/06/16 06:00
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