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「女性セブン」「女性自身」「週刊女性」3誌は、ジャニーズ性加害騒動をどう報じたか

「女性セブン」「女性自身」「週刊女性」3誌は、ジャニーズ性加害騒動をどう報じたのかの画像1
編集部撮影

 今なお着地点が見えないままとなっている、ジャニーズ事務所の創業者である故ジャニー喜多川氏による未成年所属タレントに対する性加害問題。

 ジャニーズ事務所は再発防止のための第三者委員会の設置は行わないものの、WBC侍ジャパンのコーチも務めた白井一幸氏が社外取締役に就任し、専門家による再発防止特別チームの設置などの「再発防止策」を発表しており、“体質改善”を図ろうとしている。

 ジャニーズ事務所の閉鎖的な体質が問題の根本にあるのは間違いないが、同時に問われているのがメディアの姿勢だ。1999年に「週刊文春」(文藝春秋)がジャニー氏の性加害問題を報道したものの、多くのメディアは黙殺してきたのだ。

「ジャニーズ事務所のタレントは多くのメディアにとって“金のなる木”ですから、不都合すぎる報道はスルーするしかない。もちろん、あのとき文春以外のメディアが大々的に取り上げていればその後の被害はなかったでしょうし、ジャニーズ事務所ももっとはやく改革に踏み切らざるを得ない状況に追いやられていたはずです」(メディア関係者)

 特にジャニーズ事務所と蜜月の関係を続けているのが、女性週刊誌だ。

なかでも「女性セブン」(小学館)と「女性自身」(光文社)は、毎号のようにジャニーズ事務所のタレントのグラビアやインタビューが掲載され、良好な関係を続けている。

 もうひとつの女性週刊誌である「週刊女性」(主婦と生活社)については、長らくジャニーズ事務所と敵対関係にあったが、ここ数年は関係も修復され、ジャニーズのタレントが誌面に登場するようになった。ジャニーズグループの“カレンダー利権”もゲットしています。でも、過去の確執も少なからず影響しているのか、「女性セブン」や「女性自身」に比べると、そこまで密な関係ではないと言われている。

 では、今回のジャニー氏による性加害問題について、女性週刊誌3誌はどう報じているのだろうか?

「『女性セブン』本誌では、性加害に関する記事が1度だけ掲載されていますが、問題を告発したカウアン・オカモト氏にスポットが当てられた内容で、ジャニーズ事務所を糾弾するようなものではありませんでした。ウェブ版の『NEWSポストセブン』でも、藤島ジュリー景子社長の謝罪動画を受けて1回記事にしていますが、事務所の発表をそのまま転載しているだけですね。

 『女性自身』は基本的にスルーです。ウェブ版でも性加害に関する記事はなく、ジャニーズ事務所との“蜜月”がもっとも色濃く現れています。

 『週刊女性』については、本誌では1回取り上げたくらいですが、ウェブ版の『週刊女性プライム』では、しっかり動向を追いつつ数回にわたって報じています。『週刊文春』のように強くジャニーズ事務所を糾弾するスタンスではないものの、少なからず批判的な内容もあり、かつての敵対関係の名残を感じさせるようなものとなっていますね」(出版関係者)

 メディアの責任も問われているなか、女性週刊誌とジャニーズ事務所との関係は変わらないままなのだ。特に「女性セブン」と「女性自身」は、ほぼダンマリを決め込んでいる状況である。

「ただ、『女性自身』と同じ版元である『FLASH』では、ウェブ版の『Smart FLASH』を含めて、性加害問題を積極的に記事にしています。『女性自身』がジャニーズ寄りだからといって、『FLASH』編集部までもがそうではない、ということですね。

 また、週刊誌の場合、本誌の編集部とウェブ版の編集部が別になっているケースも多く、そこに温度差があるのも事実です。ウェブ版の編集部は本誌の編集部に比べて芸能事務所との関係性が薄いことがほとんどで、その結果、ウェブ版の記事のほうが“攻めた”ものになりやすい。ただ、それでもやはりジャニーズ事務所の女性週刊誌に対する影響力はまだまだ強いんですけどね」(同)

 地上波テレビにおける、ジャニー氏の性加害問題に対する消極的な報道姿勢が問題視されることも多いが、女性週刊誌については地上波テレビ以上に消極的だと言わざるを得ない状況だ。ジャニーズ事務所とともに、芸能メディアの改革も必要なのかもしれない。

手山足実(ジャーナリスト)

出版業界歴20年超のベテランジャーナリスト。新聞、週刊誌、カルチャー誌、ギャンブル誌、ファンクラブ会報、企業パンフレット、オウンドメディア、広告など、あらゆる媒体に執筆。趣味はペットの動画を見ること、有名人の出没スポットパトロール。

てやまあしみ

最終更新:2023/06/03 09:00
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