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市川猿之助『キントリ』何が問題?香川照之はテレ朝ドラマで土下座回避

市川猿之助『キントリ』何が問題?香川照之はテレ朝ドラマで土下座回避の画像1
映画『劇場版 緊急取調室 THE FINAL』公式サイトより(公開延期発表前)

 主要キャストに名のある歌舞伎俳優・市川猿之助の騒動の影響で、お蔵入り危機に瀕している天海祐希主演映画『緊急取調室 THE FINAL』。同作の製作幹事であるテレビ朝日の篠塚浩社長が5月30日、定例社長会見で公開への影響について言及した。

 同作は、井上由美子氏が脚本を手掛ける同局人気ドラマシリーズ『緊急取調室』の初映画化で、猿之助は内閣総理大臣役で出演。6月16日の公開を予定しており、猿之助の騒動は、天海らのプロモーション期間中に発覚した。

 約半月後に公開日を控える同作だが、篠塚社長は会見で「事案に関しましては、警察が捜査を行っている最中ですので、これ以上の回答は控えさせていただきます」とコメント。一方、西新常務は「製作委員会でも協議しております」と説明するに留まった。

 だが6月1日、東宝と製作委員会は「総合的な判断により」映画の公開延期を発表。延期後の日程については発表されていない。

 近年は、キャストが映画公開直前に不祥事を起こしても、予定通り公開するケースが増えている。例えば、2019年3月に電気グルーヴ・ピエール瀧が麻薬取締法違反容疑で逮捕された際、彼が出演する映画『麻雀放浪記2020』は、当初の予定通り逮捕の翌月に公開された。

 ただ、『緊急取調室 THE FINAL』は、役柄の面で事情が異なる。同作は天海演じる刑事・真壁有希子が、被疑者である総理大臣に事情聴取するシーンが山場の一つとなっており、これが現実の猿之助の状況とリンク。これにより、「エンタメとして成立しない」という、商業映画として決定的な問題が生じてしまうのだ。

 なお、過去には、現実と劇中がリンクしてしまう危機を回避した例もあった。猿之助の従兄にあたる俳優・香川照之が出演していた昨年7月期の連続ドラマ『六本木クラス』(テレビ朝日系)だ。

 同作は、韓国ドラマ『梨泰院クラス』の日本リメイクで、香川は竹内涼真演じる主人公の宿敵役で出演。しかし、この放送中に発売された「週刊新潮」(新潮社)が、香川の“性加害”疑惑を報じ、彼は後日、レギュラー出演していた『THE TIME,』(TBS系)内での謝罪と降板に追い込まれた。

 一方、『六本木クラス』は香川を最終回まで起用。これに伴い、ネット上では、最終回での香川による“土下座シーンの有無”が話題に。というのも、『梨泰院クラス』の最終回で、香川の役どころにあたる登場人物が、見事な土下座を披露していたのだ。

 結局、『六本木クラス』の最終回では、土下座しようとする会長を主人公が「何の価値もありませんよ」と言って制止。韓国版から表現の改変が行われ、現実とリンクすることはなかった。

 とはいえ、これは不祥事後に撮影が実施されたケース。『緊急取調室 THE FINAL』は、総理大臣の聴取シーンを変更することが困難であるため、テレ朝はお蔵入りも含めて判断するしかなさそうだ。

 すでに試写会で見た多くの人々が、「お蔵入りするには惜しい仕上がり」と口をそろえる『緊急取調室 THE FINAL』。ネット上では「どうか無事に公開されますように」と願う天海ファンも目立つが、果たして……。

仲宗根由紀子(エンタメ系ライター)

芸能誌の編集を経て、現在は国内・国外ドラマレビューを中心に執筆するライター。人気俳優のインタビュー経験多数。

なかそねゆきこ

最終更新:2023/06/02 20:00
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