北海道は雪が溶けても危険!「ポットホール問題」はAIが解決する?
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2022年は記録的な積雪に悩まされた北海道だが今年は暖冬傾向にあり、各地では早くも雪解けが急速に進んでいる。雪によるトラブルがまったくなかったとは言い難いが、大きな混乱もなく冬を乗り越えたという雰囲気だ。平年より早い春の到来の予兆に、胸を躍らせる道民は多い。
ただ雪解け後もしばらくは油断できないのが試される大地・HOKKAIDOだ。北海道民は毎年、雪解け時期にある問題に悩まされている。その問題とは、道路のあちこちに大小の穴が出現する「ポットホール問題」だ。
ポットホールとは、ひび割れに雪解け水などが染み込むことで、アスファルトの混合物層が砕け、バラバラなって飛散することで生じる穴のことを指す。ポットホールにはまると、走行中の車のタイヤがパンクするなど交通事故につながるおそれがある。特に車を走らせることを仕事とする北海道のタクシー事業者、運送事業者にとって、ポットホールは慢性的な悩みの種となっている。
ちなみに米国では、高速道路での死因第3位がホットポールであり、その補修には毎年30億ドルが支出されているとされる資料もある。一方、英国ではホットポールによる交通事故が毎年多発していることから、1月15日を「ナショナル・ポットホール・デー」に定め啓蒙活動まで展開している。
北海道の各道路は北海道開発局や北海道建設局、自治体がそれぞれ管理しているが、今年は雪解けが早かったこともあり修繕作業が急ピッチで進められている。それでも、タイヤパンクなどのトラブル件数は前年同時期(3月上旬時点)と比較して1.6倍に増加している模様だ。
「道がデコボコになること自体はもちろん怖いんですけど、穴を避けようとして車が蛇行運転するのも怖いんですよ」(女性・30代・主婦)
「道民は運転がもともと荒いし、雪解けになると皆うれしくてスピードも飛ばしがち。この時期は交通事故に特に気をつけています」(男性・40代・タクシー運転手)
なおこの「ポットホール問題」という課題を解決すべく、世界各地ではさまざまなサービスが生まれつつある。例えば、日本ではアーバンエックステクノロジーズが開発している道路点検AI「RoadManager」がそのひとつだ。
同サービスには東京大学の研究成果が用いられたアルゴリズムが活用されており、スマートホンやドライブレコーダーから道路の損傷画像を検出し管理者に通知する仕組み。従来、目視に頼っていた点検作業を安価に自動化できるということで、多くの自治体で採用が進んでいるという。
世界に目を向ければ、ドローンや3Dプリンター、またバクテリアを使った補修方法の開発や、道路自体をIoT化し補修が必要になったら通知を行う技術、また自治体だけ頼らず暗号通貨×コミュニティファンディングで問題解決を模索しようとする動きなども登場している。
ポットホール問題は道路の老朽化が進めば進むほど深刻になるとされている。北海道のインフラ寿命を延ばし、“春のリスク”を低減させるような画期的な方法が取り入れられていくことに期待したい。
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