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日刊サイゾー トップ > エンタメ > スポーツ  > WBCの解説は“忖度”だらけ

WBC日韓戦の視聴率は44.4%…でも中継の解説は“忖度”だらけのトンデモ大会!?

大谷翔平

 現在開催中のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が、猛烈に盛り上がっている。初戦の中国戦で視聴率40%超えを記録すると、因縁の相手である韓国戦では視聴率44.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。昨年のサッカーW杯では、日本戦で超高視聴率を連発したが、それをも上回る勢いだ。

「今回のWBCはコロナでスケジュールが飛び、実に6年ぶりの開催。程よい飢餓感が高視聴率に結びついているのは間違いありませんが、最大の功労者はもちろん大谷翔平でしょう。これまでのWBCでは、メジャーリーグ所属の選手は出場を避ける例が多かった。2017年の大会では田中将大、ダルビッシュ有、大谷翔平、前田健太が辞退して、ハッキリ言ってかなり小粒なチームでしたし、松井秀喜に至っては1度もWBCに出ませんでした。

 しかし今回はダルビッシュと大谷が参戦し、最強チームが出来上がった。史上初となる日系選手のヌートバーも良い活躍をしており、雰囲気は最高です。中継を担当するTBSもテレビ朝日も予想以上の高視聴率に大喜びで、情報番組やニュース番組はほぼWBC一色。決勝まで行けばさらに数字は伸びるでしょうから、大騒ぎはしばらく続きそうです」(週刊誌運動担当記者)

 大谷の帰還は国民的関心事となり、大谷がフリーバッティングで打席に立っただけでも一騒動。民放各局が大谷の打撃練習を延々と放送する異常なシーンもあったが、大会を盛り上げるためには関係者も苦労している。

「少しでも野球に興味がある人には常識ですが、世界的に見れば野球はマイナースポーツ。今回のWBCには20カ国が出場していますが、普段から真剣に野球をやっているのは上位10カ国ぐらいで、あとは“寄せ集め”です。オリンピックより出場条件がユルいので、例えばプールAで勝ち上がったイタリアの主力選手は、アメリカで生まれ育ったイタリア系アメリカ人ばかり。そうでないとチーム数が集まらないのが現状です。

 日本と戦ったチェコ代表には消防士、会社員、金融トレーダー、大学生などがいましたし、日本vs中国戦の中国チームで3番を打っていたのは、元ソフトバンクの真砂勇介。正直に言えば、日本が負けるはずはない相手です。チェコの投手が投じるストレートは120キロ台でしたから、日本で言えば中学生レベル。侍ジャパンの選手たちは、遅すぎてタイミングが合わない感じでしたね。

 けれども解説者は、口が裂けてもそんなことには触れません。絶対に負けないような相手だとわかれば、興味を失う視聴者も多いでしょうから、チェコや中国の選手を見ても『良いボールですよ』『鋭いスイングですね』と褒め称えるしかないんです」(フリーのスポーツ記者)

 さらに、“にわかファン”の日本人でも薄々気付いているツッコミどころはまだまだある。

「まず、予選の会場が日本というだけで、日本に圧倒的に有利ですよね。日程も、日本戦の試合開始時間はすべて19時ですが、ほかのチームはナイターの翌日にデーゲームがあったりと、こちらも日本は有利。お世辞にも大会として成熟しているとは言えません。

 それもこれも、WBCに圧倒的に関心が高いのが日本だからで、野球大国のアメリカでもWBCは全く盛り上がっていない。今回はアメリカチームも本気モードですが、またいつかヘソを曲げて“WBCには出ない”とも言い出しかねず、大会の前途は多難なのが偽らざる事実です」(同上)

 サッカーは右を見ても左を見ても強豪国だらけだが、競う相手が多いのは、野球から見れば羨ましくて仕方ないかも?

 

石井洋男(スポーツライター)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

いしいひろお

最終更新:2023/03/17 13:00
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