松本人志に憧れるなら知らなきゃもぐり…ライブ料1万円『寸止め海峡(仮)』伝説
#松本人志 #馬鹿よ貴方は新道竜巳
お笑い芸人をやる上で、どんな芸人でも一目も二目も置いてしまう芸人といえば、ダウンタウンの松本人志さんでしょう。男が憧れる芸風なのに、ワーキャー人気もあるのがポイントとして大きいかもしれません。人気から明確な集客力、そしてマニアックな笑いなのにメジャーになるだけのアイドル人気が経済効果を起こし、業界関係者を動かしてきました。
中毒性のある笑いが明確に支持を得たといえば『寸止め海峡(仮)』の成功がひとつあると思います。今回は数々ある松本さんのヒット作の中の1つである、『寸止め海峡(仮)』の凄さについて考えたいと思います。
『寸止め海峡(仮)』は松本さん、今田耕司さん、東野幸治さん、板尾創路さんの4人が出演された名作です。収録コントは全6篇「引っ張る男」「柳田という男」「ランジェリーヤクザの男」「大病の男」「恩返しされた男」「赤い車の男」。
当時、松本さんは31歳、入場料金はなんと1万円で、お笑い芸人のライブが1万円もするのか! と一般人に思わせたそのインパクトがまたすごかったですね。もちろんお笑い好きの間では、松本さんが1万円のライブやるということで、騒然となっていました。
話題作りに成功し、注目されたことで、それをしっかり完売させました。そして、その内容を見たお客さんに「1万円は高い」と思わせなかったのもスゴいです。
「さあ、どんな笑いをやってくれるんだ」と、後ろに体重を置きながら見るようなお客さんだったら、ネタのノリ方が違ったでしょう。いわゆる、人気に群がる“ワーキャーのお客さん”も1万円を払ってきていました。その証拠といえますか……一番初めに「引っ張る男」というコントで松本さんと今田さんが舞台に登場するや、とんでもない量の“黄色い声援”が目立っていました。もうこの時点でお客さんが変に重くなることなく、ネタをスムーズにやり終える事が約束されたように感じました。そして、面白い事をやってお客さんを笑わすより、面白い事が先に行って、お客さんがついて行って笑いたい、理解して笑いたいと思わせていた感じが、客席の笑い声から伝わってきたようにも思います。
松本さんの笑いは時に難しい表現も多く、ついていけない人が多いネタを作る事もあります。その分からない部分が、お客さんからすると分かりたい部分になり、色気となって中毒性が増したんでしょう。
あと『寸止め海峡(仮)』の特徴として、出演者は最大で4人なのですがこの中にツッコミが存在していないことがあげられます。設定上、否定する「煙草吸うてない、間違いだと思うんですよ」という言葉はあるものの、ツッコミととれるようなセリフは存在しません。
1994年に公開されたライブとは思えないぐらい、今見ても古く感じないところが素晴らしく、今でも話題に出てくる作品だと思いました。当時ビデオで発売されましたが、2013年にBlu-rayにもなっています。
もちろん松本さんを好きと言っているのに、『寸止め海峡(仮)』を見ていないとファン同士の会話についていけなくなるかもしれません。そのぐらい外せない作品です。
「松本人志スベってる」のルーツは…笑いを規定した“松本言葉”の影響力
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