サントリー「ほろよい」CM制作費1億円超え!マッシュアップ企画乱発のきっかけ?
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サントリースピリッツは、2月4日からチューハイ「ほろよい」ブランドのコミュニケーションを刷新した。新たなテーマは“「ほろよい」がある時間の楽しさ”。2月5日からテレビCM「ほろよい飲んで、なにしよう?animation ver.」を、2月6日からそれにリンクする「ほろよい飲んで、なにしよう?」篇を全国で放映開始している。
音楽は今回のCMのためにオリジナルで制作されたもの。『今夜はブギーバック』(小沢健二)と『水星』(tofubeats)を掛け合わせた楽曲で、アニメバージョンではkZmと佐藤千亜妃が、実写バージョンでは池田智子、TENDREがそれぞれカバーしている。
「「ほろよい」のCMでは、『今夜はブギーバック』(小沢健二)と『水星』(tofubeats)のいずれもカルチャー好きから愛される楽曲が掛け合わされた、いわゆる“マッシュアップ”という手法で作られています。マッシュアップという言葉が一般に浸透してきたのは、ここ数年。おじさん世代にはリミックスという呼称がピンと来るかもしれませんね」(CMディレクター)
本稿では、近年増えているという“マッシュアップCM”について考察していきたい。そもそもなぜマッシュアップCMが増えているのだろうか。
「「ほろよい」を例に出していえば、『今夜はブギー・バック』は1994年、『水星』は2013年と 、ほぼ20年の差がある楽曲ですが、『水星』好きの若者からすれば『今夜は~』はエポックメイキングな作品。『今夜は~』好きのおじさんからすれば『水星』はひさびさに現れた自分たちにもピンとくる楽曲、そうした世代を超えて愛聴されているという点が、商品の訴求ポイントである全世代ターゲットという部分と一致しているのでしょう」(前出・CMディレクター)
「ほろよい」に続き、ふたつ目に紹介するのは「相鉄線の都心直通記念CM」だ。100年の歴史を経て相鉄線が都心と直通することを記念し、二階堂ふみ、染谷将太を主演に迎え、大正・昭和・平成・令和とそれぞれのを舞台に男女の恋のストーリーが描かれている。
使用されている楽曲は「ばらの花」(くるり)と、「ネイティブダンサー」(サカナクション)だ。
「くるりもサカナクションもいずれも多くのCMで使用されている人気バンドで言ってしまえば、手垢のついている人選。そのふたつをマッシュアップさせることで新しい価値を生み出そうとしたこのCMは19年の放映当時珍しく感じました。また、歌っているのが「CHE.R.RY」などの楽曲で知られるyuiであったところも、キャスティングの妙でしたね」(広告代理店関係者)
最後に紹介するのは、「BEAMS40周年記念CM」だ。本CMでは、『今夜はブギー・バック』の一曲を、BEAMSが設立された40年間でトレンドとなった音楽シーンの面々(森高千里、クラムボン、戸川純、HUSKING BEEなど)が次々にカバーしていくというプロジェクトだった。
「楽曲を掛け合わせるマッシュアップではなく、こちらは歌いつないでいくものですが、これはこれでマッシュアップといえます。ファッションと音楽の変遷をわずか5分の映像の中で見せるこの手法は16年当時、1億円もの予算が投入されと言われ、制作代理店の博報堂はこの予算ですら、赤字だったほどの手間がかかったと言われていますが、それでも広告業界に与えた衝撃は大きく、業界で知らない人はいないでしょう。『相鉄線』も『ほろよい』もこのCMの後追い、とも言えるかもしれませんね」(前出・広告代理店関係者)
カルチャー好きから注目を集めるマッシュアップCM。今後も次々に制作されるようだ。
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