『真・事故物件/本当に怖い住民たち』海外ホラーイズムを感じる奇妙な映画体験
#映画 #ホラー #真・事故物件
日本映画界において、今トレンドのホラージャンルは「事故物件もの」だ。2020年に亀梨和也主演の映画『事故物件 恐い間取り』がヒットしてからというもの、今年1月にも映画『ホラーちゃんねる 事故物件』、『劇場版ほんとうにあった怖い話 事故物件芸人』が立て続けに公開されている。『真・事故物件/本当に怖い住民たち』も、一見その類の便乗作品であると思うかもしれないが……大間違いである。
今作は、日本版『悪魔のいけにえ』というべきだろうか。良い悪いは置いておいておくとしても、とにかく攻めた作品である。「怖い」というよりも、「痛い」という印象が強くなる点も、今作が日本ホラーらしくない、海外スプラッター・イズムを日本に持ち込んだものだからに違いない。
ところで、和製スプラッター映画というと、『片腕マシンガール』(2008)、『東京残酷警察』(同)などを思い浮かべる好事家も多いのではないだろうか。この2作を配給した北米のビデオメーカー「メディア・ブラスターズ」は、2000年代から「座頭市」や「ゴジラ」シリーズに寄せた低予算エログロ映画などをリリースしていたこともあり、日本においては、アングラ作品専門という印象が強くなってしまった。エログロ要素ばかりを全面に出し過ぎて、ストーリーが見えなくなってしまう暴走作品が多かったのだ。
その点、日本のオカルトメディア「TOCANA」が配給する今作は、その類のものとは違っている。意外にも(?)物語の筋が通っていながら、想像できない展開が待っているのだ。
和と洋の融合による新体験映画『真・事故物件/本当に怖い住民たち』が、2021年2月18日から公開されている。
【ストーリー】
「事故物件に住み込み、幽霊をカメラに収めるまで帰れない!」という企画の番組に所属事務所から無理やり参加させられたYoutuberとアイドルの卵。彼女たちを待ち受ける、想像を絶する恐怖と激痛の数々。日本犯罪史上最も凄惨なバラバラ殺人事件の現場だったその伝説のアパートに潜んでいたのは、おぞましき悪霊だけではなかった…。
※次のページからネタバレを含みます!
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