日テレ『オモウマい店』がやりたい放題で視聴率絶好調! 視聴者をナメた“手抜き提灯番組”との圧倒的な差
#テレビ #日本テレビ #オモウマい店
4月にスタートしたグルメバラエティ番組『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(日本テレビ系)の快進撃が止まらない。この番組は、2回にわたる特別番組が好評を博し、レギュラー化されたもの。視聴率は上昇の一途をたどっている。
「『オモウマい店』は、もともと『全日本びっくり仰店グランプリ』というタイトルで放送され、2回目の特番では放送文化基金賞を受賞。レギュラー化される際にタイトルが改められましたが、初回から11.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と上々のスタートを切りました。その後も安定して10%台をキープし、7月には過去最高の13.6%をマーク。その週のバラエティ番組の視聴率ランキングトップに立っています。前番組の『火曜サプライズ』も視聴率は悪くなかっただけに、番組終了には驚きの声が上がりましたが、結果的に大正解でしたね」(テレビ情報誌記者)
決して調子が悪くない番組を終わらせるのは勇気が必要だったはずだが、見事に賭けに勝った日本テレビ。セオリーに収まらない番組作りは、視聴者のみならず関係者も唸っている。民放バラエティ番組制作関係者はいう。
「これまでグルメ番組といえば、人気タレントが人気店を訪ね、話題のメニューを食べるのが当たり前でした。しかし『オモウマい店』に出てくるのはボロボロのお店ばかりで、店を訪ねるリポーター役も番組のスタッフ。しかも、巨大ソフトクリームを出す店を紹介して、ソフトクリームが大きすぎて困惑する客を映すだけで番組が終わったり、クーラーが壊れてグッタリする店主の姿を延々と放送したりと、もうやりたい放題です」(バラエティ番組制作関係者)
隠れた名店を紹介する番組はしばしば目にするが、飲食店を訪ね、料理以外の点をクローズアップする番組はいよいよ珍しい。快進撃の背景には丁寧な番組作りがあると、キー局関係者は指摘する。
「『オモウマい店』で感心するのは、これまでテレビで紹介されたことがないような店ばかり出てくることです。長年、グルメ情報番組に携わっていると、取り上げるのは大抵、別の番組で見たような店ばかり。過去にテレビで紹介されたお店なら取材交渉がスムーズですし、店をリサーチする下請けの制作会社は各局と付き合いがあるので、結果的にどのチャンネルでも同じ店が出てくることになるわけです。
ところが『オモウマい店』は、本当に“いきあたりばったり”で店を探しているそうです。スタッフが手分けして片っ端から色々な飲食店に入り、『これだ!』と思った店があると初めて出演交渉をして、ようやく撮影に入るという、とんでもなく手間が掛かる方法で番組を作っている。正直、ちょっと信じられません」(キー局関係者)
手間を掛ければ必ず面白い番組が出来るわけではないが、視聴者はすぐに手抜きを見抜くもの。最新回(9月21日)の放送は、いみじくもそれを象徴するものだったという。
「『オモウマい店』の裏番組で、テレビ朝日、フジテレビ、テレビ東京はそれぞれ、人気スーパーへの潜入企画、大手食品メーカーの売れ筋商品ランキング、人気チェーン店の全メニュー制覇といった企画を放送していました。いずれも近年あまりにもよく見る企画ですが、これらは手間も費用も全然掛かりません。チェーン店側は宣伝になるので取材に協力的ですし、資料は先方の広報が用意してくれますし、ロケはタレントを1人か2人用意すれば十分。企業と付き合いができれば、後々、広告出稿がもらえるかもしれませんし、良いことだらけです。
ただ、少なからぬ視聴者は『こんなのただの宣伝番組でしょ』と見抜いています。そういった、視聴者をナメきった提灯番組の裏で、それとは真逆の『オモウマい店』がトップの数字を取っているというのは痛快ですね」(前出・キー局関係者)
番組が1つ当たれば、すぐに似たような番組が出てくるテレビ界だが、とにかく面倒な『オモウマい店』のスタイルは、誰にでも真似できるものではなさそうだ。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事