格闘家・青木真也が語るオリンピックと森喜朗騒動──「すべてが、もう前のようには戻らない」
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今年1月、シンガポールで行われた「ONE: UNBREAKABLE」で、元ONEウェルター級世界王座挑戦者のジェームズ・ナカシマを相手に快勝を見せた青木真也。その変わらぬ強さと存在感は、格闘技界でも唯一無二といえる。前回は、海外遠征から見えたコロナ観について語ってもらったが、今回は選手としての今後やオリンピックについての思いを聞いた。
オリンピック自体の力が弱まっている
──新型コロナウイルスの感染予防のため、さまざまなエンターテイメントが苦境に立たされています。それに対しては、どう思われていますか?
青木 コロナっていうタイミングは、難しいというか。コンテンツをどう見せるのかなっていう。どう切り取って、どう出すのかっていうのは、いまだに考えていますよ。
──では、今年開催予定の東京オリンピックってどう見ていますか?
青木 オリンピック? オリンピックはさっさと決めないとダメですよね。一番しんどいのは選手じゃないですか。一番つらいのって、あるのかないのかわからないけど練習しているということ。それをさっさとジャッジしてあげないと、ダメだと思うんですけど。多分、選手も(開催は)やらないと思っていますよね。
──そういうものですか?
青木 僕はもうやらないものだと思っているから。
──こういう時の選手の気持ちって、どういったものなのでしょうか。
青木 いてもたってもいられない。生殺し感はあると思います。どうしようもないなっていう感じもあるでしょうし。でも僕が思っているのは「オリンピック」っていうものが、年々力が弱くなっていますよね。
──権威が弱まっているという指摘も確かにありますよね。
青木 それはすごい感じています。84年のロスとか、92年のバルセロナとか、頂点に近かったと思うんですよ。今、オリンピックで金メダル獲っても、国民的スターになりえないじゃないですか。昔だったら、柔道の吉田秀彦とか、マラソンランナーの高橋尚子とか、やっぱりみんなスターになったじゃないですか。
──それは、どうしてだとお考えですか?
青木 オリンピック自体の力が弱まっていると思います。ほかのエンターテイメントが出てきたっていうのもすごく大きいと思うし。それこそ、サッカーが賢いなと思うのは、ワールドカップに権威を作ったじゃないですか。サッカーのように、オリンピックだけに権威を求めずに、各競技で自立してワールドチャンピオンシップや世界選手権に権威を持たせたほうが健全な気がします。まあでも最終的には、権威の時代ではなくて、個人の時代みたいな話になるのかな。そういうのは思っていますけどね。
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