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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 介護従事者からはツッコミの声…「誤解されそうで嫌」

長瀬智也主演『俺の家の話』評判上々も介護従事者からはツッコミの声…「誤解されそうで嫌」

『俺の家の話』公式サイトより

 TOKIO・長瀬智也が主演を務め、宮藤官九郎がメガホンをとるドラマ『俺の家の話』(TBS系)。社会問題にもなっている“介護”を題材にしたホームコメディで、重くなりがちなテーマにもかかわらずクドカンワールド全開で軽快に仕上がっており、業界内外からの評判は上々だ。

 ところが、介護従事者や介護経験のある視聴者の一部からは、『俺の家の話』の介護をとりまく諸々の描き方についてツッコミの声が上がっているようだ。

 「初任者研修の資格持ってない人が素人に入浴介助教えるはずないです!(中略)あれでは家庭での介護が誤解されます」

 「要介護1って……認知症の有無に関わらず、お風呂全介助、オムツ、だと要介護3以上になると思います」

 「介助の仕方とか、物事の進み方とか色々おかしい。これ見た人がそういうもんだと思っちゃっても困るよなあ」

 「ケアマネは認知症のテストやりません」

 「あんな風に耳元で『おじいちゃん!』なんて呼ぶケアマネいないよ。誤解されそうで嫌だな」

 専属ヘルパーのさくら(戸田恵梨香)が初任者研修を修了していないことや、介助の細かな動作、ケアマネージャーの立場や振る舞いが現実と違うとして、介護の当事者たちから指摘が相次いでいる格好だ。

 医療や介護など、専門知識を要するドラマにはツッコミがつきものだ。しかしドラマにはメッセージ性があり、そのメッセージを視聴者に届けるには割愛しなくてはいけない要素もある。そういった意味で、今回は介護に関する細かな事実が割愛されたのだろう。クドカンが『俺の家の話』を通して伝えたいことはこれから明らかになってくるが、おそらく介護の辛い現実を突きつけたいわけではないはずだ。つまり、基本的には「ドラマだから」と視聴者も割り切る必要がある。

 ただ今回の場合、介護という誰もが直面し得る出来事だ。間違った描き方をしてしまえば、介護を経験したことがない人に誤解を与えたり軽視させたりしてしまう可能性がある。制作陣はその危険性を視野に入れて、また視聴者もリテラシーを持って『俺の家の話』を楽しめるのが理想的だろう。

■番組情報
金曜ドラマ『俺の家の話』
TBS系/毎週金曜日22時~
出演:長瀬智也、戸田恵梨香、永山絢斗、江口のりこ、桐谷健太、西田敏行、井之脇海、道枝駿佑(なにわ男子/関西ジャニーズJr.)、羽村 仁成(ジャニーズJr.)ほか
脚本:宮藤官九郎
演出:金子文紀、山室大輔、福田亮介
チーフプロデューサー:磯山晶
プロデューサー:勝野逸未、佐藤敦司
音楽:河野伸
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/oreie_tbs/

早乙女りこ(ライター)

東京生まれ神奈川育ちのフリーライター。映画・ドラマはジャンル問わず幅広く鑑賞しており、物語の展開を予想したり、役者の演技を複数作品で見比べたりすることが趣味。

さおとめりこ

最終更新:2021/02/05 14:00
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