トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 「女子メンタル」峯岸みなみの攻防と彼女たちの“物語”

「女子メンタル」峯岸みなみの攻防と女性タレントたちの“物語” 松本人志「俺、絶対無理やわ」

【完成】「女子メンタル」峯岸みなみの攻防と女性タレントたちの物語 松本人志「俺、絶対無理やわ」の画像1
ゆきぽよTwitterより

 テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(10月18~24日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。

松本人志「俺、絶対無理やわ」

 松本人志が新たに提案する「超実験的お笑い企画」と銘打ち、24日に放送された『まっちゃんねる』(フジテレビ系)。複数のコーナーが放送されていたが、中でも大きな笑いを生んだのは「女子メンタル」だった。

 もとになっているのは、Amazon Primeで2016年から配信されている『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』。参加費100万円を持参した10人の芸人たちが密室に集められ、笑わせ合いを6時間にわたり行う企画だ。笑ってしまうと審判役の松本からレッドカードを喰らい、退場。最後まで生き残った者に賞金1000万円が贈呈される。

 そんな『ドキュメンタル』をベースにした今回の「女子メンタル」だが、出演者に芸人はおらず、集められたのは女性タレントのみ。ファーストサマーウイカ、峯岸みなみ、朝日奈央、ゆきぽよ、浜口京子、金田朋子、松野明美の7人だ。制限時間は2時間半。優勝者には賞金ではなく、「バラエティ女王」の称号が与えられる。

 彼女たちの戦いを別室でモニタリングしているのは、松本に加え、FUJIWARAの藤本敏史、野性爆弾のくっきー!、フットボールアワーの後藤輝基。本編にも出演経験がある彼らからは、今回の企画は一切笑いがないまま終わる可能性もあるのではないか、との声も漏れ出た。

 しかし、その心配はいい意味で裏切られる結果となる。

 開始直後から積極的に攻撃を仕掛けていったのは、声優の金田朋子だ。笑い袋を叩いて部屋を走り回る。シロテテナガザルが危機感を覚えたときの鳴き声と同じ波長だといって繰り返し叫ぶ。10円玉を鼻に入れながら白目をむく。口にげんこつをツッコミながらやはり白目をむく。

「俺、絶対無理やわ」

 松本もそういって笑ってしまう彼女の“奇行”が、スタート前には和気あいあいとした雰囲気も見られた部屋の空気を徐々に狂わせていく。

 ランニング教室を始めるといって共演者と机の周りを走る松野明美。背を向けて『マツケンサンバⅡ』を踊り始める浜口京子。共演時に連絡先を渡されたタレントの名前を暴露する峯岸みなみ――。

 そんな混乱し始めた状況に、別角度からの笑いを投げ込んだのはファーストサマーウイカだ。

「最近この世界に入って、いろいろ勉強せなアカンな思って本読んでるんですけど」

 そういって彼女がバッグから取り出したのは、松本人志の『遺書』と『松本』。いずれも付箋がびっしりと貼ってある。しかし、次に出てきたのは付箋が一枚も貼られていない浜田雅功の『読め!』だ。“笑いのカリスマ”へのリスペクトの高さと、その相方に対するぞんざいな扱いの落差が笑いを誘う。

 なお、本編の『ドキュメンタル』では、こういった仕込みの笑いが多用される。くっきー!が作ってくる大助花子の合成写真が典型例だろうか。ウイカのネタはこれに準じたものに見える。また、彼女は今回の企画の中で、笑いを我慢する際に目を見開いたり、うまく目を逸らしたりといった動きを見せてきたが、それは本編で芸人たちが繰り返し見せてきた動作にも重なる。セットや効果音、カメラワークなどの面で本編とほぼ同じに作られていた今回の「女子メンタル」だが、周囲への細かなツッコミやフリも含め、ウイカはプレイヤー側から「女子メンタル」をドキュメンタル化していたように思う。

 さて、机の上に置かれた松本の著書。これを見たゆきぽよがつぶやく。

「松本人志の『松本』っていう本さ、ネーミングに頭使わなさすぎじゃない?」

 出版から25年経った“笑いのカリスマ”の”聖書”のタイトルに、「頭使いなさすぎ」とツッコミを入れるギャル。戦いが中盤に入るころ、徐々に彼女がその牙をむき始める。

123
ページ上部へ戻る

配給映画