トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > テレビは女性芸人をどう映すか
「お笑いの日」だから語らいたい

『アメトーーク』と『しゃべくり007』手腕に差が出る──ラランド・サーヤ、ヒコロヒー、3時のヒロイン…テレビは“女性芸人”をどう映すのか

『アメトーーク』と『しゃべくり007』手腕に差が出る──ラランド・サーヤ、ヒコロヒー、3時のヒロイン…テレビは女性芸人をどう映すのかの画像1
TBS公式サイトより

 芸人を取り上げた特集ムックが増えたり、「キングオブコント」を含めた8時間の大型特番として『お笑いの日2020』(TBS)が組まれたりと、お笑いブームがいよいよ極まってきている。

 ただただ楽しく観るのもいいが、ふとした瞬間に現代社会を映す鏡となるのもお笑いの面白いところ。だったらちょっと真面目にお笑いを語ってみてもいいのではないか──というわけで、お笑いウォッチャー・タカ&ユージが気になる動きを勝手に読み解く!

加地Pを”褒め”てもツッコまれないラランド・サーヤ

『アメトーーク』と『しゃべくり007』手腕に差が出る──ラランド・サーヤ、ヒコロヒー、3時のヒロイン…テレビは女性芸人をどう映すのかの画像2
『アメトーーク』公式サイトより

ユージ 『アメトーーク』(テレビ朝日)の「若手女芸人」回(9月10日放送)、すごくなかったですか? 最近、女性芸人が注目を集める機会がどんどん増えてますけど、その流れがあの『アメトーーク』で1回目のクライマックスを迎えた気がしました。

タカ いろんなものが詰まってましたね。なにしろとにかくサーヤ(ラランド)がすごかった。

ユージ 出演してる芸人を「芸風&ポジション分析」として、マトリックス表に分けていく場面からかっ飛ばしてましたね。みんなが自分やほかの出演者がどこに位置するかでワイワイやった後、サーヤに話が回ったら「表が良くない」「考えとして古い」っていきなりバッサリいって。さらに、「ただ成長を感じたのが、4~5年前だったらたぶん一番上(注:縦軸の上の「見た目インパクト」)のところ、『ブサイク』って平気で書いてたんですよね。それを『見た目インパクト』って書くのは加地さん、まだまだ上に行きたいんだなって」と続けたじゃないですか。あれ、すごいなと。

タカ ぐうの音も出ないですよね。サーヤはその前に出てた『ダウンタウンDX』(読売テレビ系/9月3日放送)だと、ちょっと斜に構えるというか、自分以外の女性を下に見ているのかな? って雰囲気があったんだよね。

 でも『アメトーーク』観たら、そうじゃなくて、世の中とかその場の人間関係とか他人の人となりとかの解像度がとにかく高くて、”見えている”人なんだなってわかった。だからこそ、ほとちゃん(蛍原徹)や陣内(智則)の広告的な価値についてもズバッと言えるし、加地(倫三)さんについても言えてしまう。『ダウンタウンDX』みたいに悪口っぽく編集されると嫌な人に見えるけど、『アメトーーク』ではちゃんと解像度の高い人として編集されてて、よく伝わってたと思う。

ユージ 『ダウンタウンDX』だと、ボケてるゆりやん(レトリィバァ)に対して、若干バカにしてるような雰囲気になっちゃってましたもんね。「加地さん、まだまだ上に行きたいんだな」発言も、普通なら「若手が何偉そうに言ってんだ」ってなりそうなものじゃないですか。陣内が画面外から「誰目線で言うてんねん」とは一応言ってましたけど、そこはテロップでも拾わずに流してて、出演者たちも誰も広げないんですよね。

タカ やっぱり、広告系の会社で働いてるっていうバックボーンがあるからなのかもしれないな、と思った。専門家の意見として聞いてもらえている感じがする。

ユージ 会社員と芸人の二足のわらじが、ただの“キャラ付け”に留まらずに機能してるというか。

タカ それも新しいよね。にゃんこスターのアンゴラ村長もOLと兼業だったけど、一般の仕事をしてることが芸人としての仕事に活かされてる様子はそこまでなかったから。

ユージ そういえばそうでしたね! 「キングオブコント」で脚光浴びた後、密着番組で働いてる様子が映されてました。

タカ 実はアンゴラ村長も聡明で分析力もパンチ力もあったのに、キャラ消費されてしまった。ブレイク真っ最中に出た女芸人特集の番組で「顔とか生まれとか、変えられないものをさげすむのは古い」っていうのをはっきり言ってたし、ちゃんとそういうことは見えるし言える人なんですよね(『1周回って知らない話 旬の女芸人&大物俳優は謎だらけSP』日本テレビ系/2017年11月29日放送)。これまではトーク番組で女性芸人の分析力は必要とされてなかったのかもしれないけど、これからはそれが活きるようになっていくんでしょうね。

123
ページ上部へ戻る

配給映画