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障害者ドラマに託されたメッセージが聞こえる――ドラマ『パーフェクトワールド』第1話

障害者ドラマに託されたメッセージが聞こえる――ドラマ『パーフェクトワールド』第1話の画像1
フジテレビ系『パーフェクトワールド』ドラマ公式サイトより

 テレビなどのメディアで身体障害者を取り上げる場合、かなりデリケートな問題が起こりがちだ。

 2016年に放送された、『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ系)で、障害者のチャレンジ企画が実施された際、裏番組の『バリバラ~障害者情報バラエティー~』(NHK Eテレ)が、「障害者の取り上げ方が“感動ポルノ”になっているのではないか」という内容の放送をし、物議を醸したこともある。

 一方で、障害を持った人を描いたドラマは、これまでも数多くあり、ヒット作も多い。

 豊川悦司が聴覚障害のある画家を演じ話題となった、1995年の『愛していると言ってくれ』(TBS系)、同じく聴覚障害者をテーマにし、シリーズ化もされた酒井法子主演の『星の金貨』(日本テレビ系)、和久井映見が知的障害のある女性を演じた『ピュア』(フジテレビ系)など、いずれも、障害を持って生きることの難しさや葛藤などを描き、多くの視聴者の共感を得た。

 4月16日に第1話が放送された、『パーフェクトワールド』(フジテレビ系)も、その系譜の上にあるといっていいだろう。

 インテリア会社に勤める川奈つぐみ(山本美月)は、ある日、仕事の飲み会の席で、高校の同級生で初恋の相手でもある鮎川樹(松坂桃李)と再会する。

 高校卒業以来、11年ぶりの再会を喜び、昔の思い出話を口にするつぐみだったが、そこで樹が大学時代に事故に遭い、現在は車椅子での生活を送っていることを知らされる。

 つぐみの心には複雑な思いがうず巻く。懐かしさ、恋愛感情、そして「かわいそう」という気持ち。

 障害を持った人を見た時、安易な同情をするのは、相手に失礼なのではないかという思いが浮かんでくる。実際、「同情なんてしてほしくない」という人も多いだろう。ただ、湧き上がってくる感情をコントロールするのは簡単ではない。つぐみはそんな中で、どんな思いで樹と相対したらよいのか、迷っていたのだと思う。

 翌日、つぐみは樹に会いに行き、二人で街を見下ろせる高台に行く。そこで、学生時代の思い出話に花を咲かせ、一緒に美術展を観に行く約束をする。

 二人で出かけた美術展だったが、会場にはエレベーターが無く、展示室となっている2階に上がることができなかった。納得のいかないつぐみは、担当者に苦情を言う。しかし、樹は慣れた様子であきらめるのだった。

 足が不自由な人でも、一人で暮らしていけること、手だけを使って車を運転できること、排泄障害があること、死にたくなるほどの苦悩など、見ている人に、障害を持った人がどんなことで困り、生活をしているかを知ってもらう意味でも有意義な作品だと思う。どんなにバリアフリーの社会になっても、当事者でなければ気づかないことは、案外多いものだ。

 そんな時、東京で高校時代の同窓会が開かれる。一緒に行くことになったつぐみに、樹はあるお願いをする。それは、「恋人のふりをしてほしい」ということ。実は、樹には、高校時代から付き合っていた雪村美姫(水沢エレナ)という恋人がいた。しかし、樹が事故に遭った後、別れていたのだ。

 美姫を安心して結婚させるため、自分が幸せだということを見せたくて、つぐみに恋人のふりを頼んだ樹。その気持ちは、美姫に伝わったのだろうか?

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