『インフォーマ −闇を生きる獣たち−』中盤戦が佳境へ―ついに幕が上がる日本パート!
#沖田臥竜 #インフォーマ
ABEMAオリジナルドラマ『インフォーマ −闇を生きる獣たち−』第6話が今夜、幕が上がる。視聴者を引きつけてきた衝撃的な展開は、クライマックスに向けてさらに加速していく。そんな中で、原作・監修を務める作家の沖田臥竜氏は、特別な想いから、自身の人間関係に近いある2人の人物をキャスティング。その背景からは作品づくりに込められた、クリエイターやスタッフたちの情熱と絆の物語が浮かび上がってくるのだ。
第6話にかかわった大事な2人、そこの行き着く物
耳を澄ませば、「手間かけすぎですよ」という龍之介の声が聞こえないだろうか。
今宵、第6話の幕があがる。熱かった夏がまるで遠い昔のように感じるほど、寒くなってきた。そんな夜を熱くさせるのが『インフォーマ −闇を生きる獣たち−』だろう。
前回は、高野龍之介が自ら化けの皮を剥ぎ、獣となったことで視聴者の胸を鷲掴みにしてくれたと思うが、まだまだこんなものでは終わらない。クライマックスまで「うそっ!!」と思わせるような展開の連続に決まっているではないか。
第6話では、前作『インフォーマ』シーズン1に引き続き、作家でジャーナリストの猫組長が登場し、シンガーソングライターのケイスケサカモトさんの「あなたと元気に暮らした町」が、木原慶次郎と高野龍之介が初めて会うシーンで挿入歌として流れる。
聞いてもらってもいいだろうか。これは私のキャスティングであり、挿入歌をオファーしたのも私である。2人とも私個人にとって大事な人だ。その人たちを起用した。
なぜだかわかるだろうか。私は、そのために作品づくりやっているからだ。つまりまずは、自分の周囲の人たちを喜ばせずして、その作品から生み出される感動も興奮も存在しないと思っているのだ。
なにも私は、運が良かったわけでもなければ、恵まれていたわけでもない。すべて筆一本と行動力だけで、チャンスをもぎ取り、自身の作品のドラマ化を実現させてきたのだ。それに向けた動きに対価などはもちろんない。日々の仕事をこなしながら、寝る時間を削って書き、必要な場所へと赴くだけである。
その熱量が人々の心を動かして、「やりましょう!」となってくれるのではないかと思う。それはどんな職業でも職場でも同じではないだろうか。
目に映るものの表面ばかりを見ていれば、その背景に気づけないのは当たり前のことで、私は常に裏側に視点を合せてきた。そこには努力の汗や多くの苦悩があって、そして情熱があるのだ。
猫組長に出演オファーするのは『ムショぼけ』『インフォーマ』、それに某俳優に頼まれて私自身がメガホンを握った未完のショートドラマに続き4度目で、お芝居の上手さは私が熟知していた。そして今回も豪華俳優陣の中で、堂々とした素晴らしい演技を披露してくれている。
ケイスケサカモトさんとは、『ザ・ファブル』の作者・南勝久先生の紹介で知り合った。南先生から初めて聴かせてもらったケイスケサカモトさんの曲が、今夜流れる挿入歌「あなたと元気に暮らした町」だった。その瞬間に、私は、多くの人に聴いてもらいたいと思い、自身の作品の挿入歌としてオファーしようと決めていた。それは去年の夏のことで、まだ『インフォーマ −闇を生きる獣たち−』の撮影1年前のことだ。
それを実現させるには、どうすればよいか。簡単である。私自身が現地へと行ってシナハンを進めて、物語を書く作業を進めるのだ。実際、そこから原作小説『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』を書き、すぐにドラマ化を決めた。書けなくて苦しい夜なんて毎日だ。でも、それくらいの中で書かないと、物語に対して失礼ではないかと思っている。そしてだからこそ、私は、自分の筆にも仕事にも矜持を持っているのだ。
そして孤独な戦いに打ち勝ち、またみんなと仕事ができることが決まった瞬間は何物にも代えがたい。
気持ちは気持ちを産む。私は物語を生み出す小説家でありクリエイターなので、その裏側のサイドストーリーも大好きだ。『インフォーマ −闇を生きる獣たち−』の日本パートの撮影では、何度も猫組長が大勢の差し入れを持ってきてくれた。10人20人分ではない。いつも100人分を軽く超える差し入れだ。
まだ明らかにするのは控えたいと思うが、8話の撮影現場には南勝久先生とケイスケサカモトさんがたくさんの差し入れを届けてくださり、みんなに『ザ・ファブル』のサインまで描いてくれたのだ。本当にすまないが、南勝久先生は自身の作品の映画化の際には、一度も現場に行かれてない。
それなのに……その答えは、南先生とケイスケサカモトさんの想いをインフォーマ・チームが受け継いできたからだ。
猫組長も南勝久先生もケイスケサカモトさんも、みんな現場で笑顔であった。繰り返すが、なぜだかわかるだろうか。そこに至るまで、私の含め作品にかかわるみんなが、どれだけの熱量を持って汗を流しているかを知ってくれているからだ。
それだけではない。出版社などのさまざまな垣根を超えて、たくさんの人たちが『インフォーマ −闇を生きる獣たち−』のために協力してくれ、差し入れを届けてくれた。そうした一つ一つに想いがあるのだ。
感動や興奮を銭金で買えないように、人々のそうした想いも銭金で買うことはできない。私はそこにまたドラマを見るのである。
今夜放送される第6話では、木原慶次郎とポンコツ、それを追って鬼塚拓真、二階堂、優吉が日本へとやってくる。
ふと思い出し、クスッとすることがある。シーズン1でのことだ。海外から冴木、オカ、キムの殺し屋たちが日本にやってくるシーンで、ある空港に撮影のお願いにいったら、「殺し屋たちが海外からやってくるシーン⁈ そんなのドラマでも無理ですよ!」と断られたことがあったが、今作ではもう断られることもなくなった。
「よく借りれましたね!」と、業界関係者に驚かれるような場所も貸してもらえるようになった。ちなみに、シーズン1の木原の初登場シーンのマンションは、当時、私が住んでいたマンションだったりする。
人の数だけドラマがある。だからこそ、物語を作ることは面白いのだ。
第6話では、舞台挨拶の際に話した、私の「同級生」池内博之さんが演じる鬼塚拓真が「獣」と化した理由が明らかになるのではないだろうか。
今宵、日本パートの幕が上がる。
(文=沖田臥竜/作家・小説家・クリエイター)
ドラマ『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』
毎週木曜日23時~ABEMAにて放送
週刊タイムズの記者・三島(佐野玲於)は、世間を騒がせている〈闇バイト殺人事件〉の黒幕を調べるために、編集長の命でタイ・バンコクへ飛ぶことに。そこで三島を待ち受けていた人物は……2年前の〈火だるま殺人事件〉で三島に地獄を味わわせた、“インフォーマ”の木原(桐谷健太)だった。木原に翻弄されながらも取材を進める三島。そして2人の前に、インフォーマを名乗る謎の男・鬼塚(池内博之)が立ちはだかる。木原と三島は、〈闇バイト殺人事件〉で盗み出された”謎のブツ”をめぐり、鬼塚・そして現地マフィアと壮大な情報戦に巻き込まれていく——。
原作小説『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』
沖田臥竜・作/サイゾー文芸・刊/1400円+税
amazonなどネット書店、全国書店で発売中
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