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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『おむすび』28秒前に言ったことも矛盾

『おむすび』第47回 いよいよ28秒前に言ったことも覆してきたよ! 怖い!

橋本環奈

 これまでも「以前に言っていたことと違うじゃん!」のオンパレードだったNHK朝の連続テレビ小説『おむすび』。それでも、そうした矛盾点は数週間、数日、少なくとも翌日に発生したので「もしかしたらこっちの記憶違いかな」なんて思い直すこともあったんですが、いよいよ当日にそれが発生しました。びっくりした。

 結ちゃん(橋本環奈)とママ(麻生久美子)がリビングで寛いでいると、お風呂上がりのパパ(北村有起哉)が入ってきます。パパは「シャンプー切れとった」と言っている。じゃあどうしたかといえば、姉のアユ(仲里依紗)御用達の高級シャンプーを使ったという。1本1万円というその値段に驚愕したパパは、減ってるのがバレたら大変なので「ほかのシャンプー混ぜとこう」と結を連れ立ってお風呂場へ。そこで、アユの高級シャンプーに安物のシャンプーを混ぜ始めるのでした。

 床屋のくせに1本1万円するシャンプーの存在を知らないのはどうなんだとか、髪の毛を扱うプロのくせにシャンプーに混ぜ物をするのはどうなんだとか、それは一旦置いておきましょう。

「シャンプーが切れてる」という理由でアユの高級シャンプーを使ったのに、「ほかのシャンプー混ぜとこう」と言って、安物のシャンプーを継ぎ足している。

 シャンプー、切れてないじゃん。切れてないよ。たった今継ぎ足してるのがあるじゃん。それ使えよ。そもそも店にいくらでもあるだろ。「切れとった」じゃないよ。

「シャンプー切れとった」から「ほかのシャンプー混ぜとこう」まで、放送時間にして正味28秒です。たった28秒前に言ったことと、もう矛盾してる。台本にしたら10行もないでしょう。

 前にも言ったけど、ミスが起こっていることが気持ち悪いんじゃないんです。こういうミスを誰も指摘しないのか、なんで修正されないのか、どうしてそのまま放送されちゃうのか、そのプロセスを想像すると気持ち悪いんです。誰もこの仕事に真剣に取り組んでないんじゃないかと思っちゃうの。今さら「クソ高い受信料で作ってるくせに」なんて言うつもりはないけど、普通に、社会人がギャラ取ってやってる仕事の成果品としてヤバイよねこれ。

 というわけで第46回、振り返りましょう。ああ、びっくりした。

■アユがグレた原因が判明?

 糸島編で結がギャルであるアユを嫌っていた理由は、勝手な生き方をして親に心配かけて、家族がぎくしゃくしたからというものでした。そのアユの奔放っぷりについての具体的な描写はほとんどありませんでしたが、ドラマがそういうのだからそうなんでしょう。

 今回は、そのアユの荒れっぷりの原因を示唆するシーンがありました。

 震災から数日後、ようやく炊き出しができるようになって、避難所にも明るい空気が戻ってきました。マキちゃんが死んでパパのナベさん(緒形直人)は家に引きこもっていますし、結もパパママと一緒にお鍋にかじりついて笑顔、笑顔。みんな大喜びです。

 アユは、マキちゃんの死にショックを受けて炊き出しものどを通らなかったという話がありました。このとき、アユはひとり、避難所となっている校舎の隅で膝を抱えていたんだろうね。誰も寄り添ってくれなかったんだろうね。教室に戻って、みんなで温かいわかめごはんのおむすびとお味噌汁を頂いているシーンでも、アユは画角にすら入ってきません。完全に無視されてる。

 本当に残酷なことをするよな。つらいときにそばにいてくれない家族なんて、家族とは思えないよな。中学生だよ。親友が死んだんだよ。マキちゃんはもう二度と、おむすびもお味噌汁も口にできないんだよ。どうしてアユを放っておいてキャアキャアと楽しそうにメシが食えるのよ。ここの一連のシーン、すごく怖かったし、そりゃアユがグレるのも無理ないなと思いました。

■あとは今日もナベさんか

 昨日はナベさんについて「被災者行動パターン詰め合わせパックみたいになってる」と書きましたが、ナベさんのことを考えるのは気が重いんだよな。あまりに言動に一貫性がなくて、心を許し始めているのか、ずっと錯乱して気の迷いが起こっているのか判断しづらいし、いずれにしろリアルな体験談を取材して反映させているんだろうから、むげに「こんなヤツいるかーい!」ってツッコむのも違うような気がするし。

 今日は、アユと結がデコ靴を作ってくれと依頼しに来て、断ってました。アユが「絶対あきらめない」とか言いながらマキちゃんの遺影を眺めていたので、おそらくは、ギャル向けのデコ靴を作らせることでマキちゃんともう一度向き合って、前に進んでほしいということを物語的には言いたいのでしょう。何しろ、アユがカリスマギャルになったのは「マキちゃんがやりたかったことをやっている」という設定だったので、ナベさんがデコ靴を作ることもまた、マキちゃんの願いを叶えてあげることだから。

 そういう建て付けなんだろうけど、肝心なのは「マキちゃんがデコ靴を履きたがってた」というところにリアリティがないんだよな。どうなることやら。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

 

どらまっ子AKIちゃん

どらまっ子です。

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最終更新:2024/12/03 16:00
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