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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『おむすび』翔也に将来性がない

『おむすび』第44回 野球選手・四ツ木翔也にまるで将来性を感じない件

橋本環奈

 昨日は結ちゃん(橋本環奈)に自発的な言動がなかったために比較的平和な気分で楽しむことができたNHK朝の連続テレビ小説『おむすび』ですが、今日はまたゲンナリしちゃったなぁ。

 しかも、結ちゃんが何かする前からゲンナリしちゃった。第44回、振り返りましょう。

■おもしろくねーよ、それ

 家出してきて米田家に泊まったカスミン(平祐奈)。ベッドを埋め尽くすほどのぬいぐるみを持ち込んでいました。

「スーツケースに、こんな入っとったん……」と結ちゃんがあきれ返るわけですが、明らかにコメディとして描いているんですよね。おもしろくないよな、これ。「こんなに他人の家にぬいぐるみ持ってくるなんて、おもしろい!」「スーツケースに容量を明らかに超えるぬいぐるみが詰め込まれていたなんて、おもしろい!」って、好意的に受け取る人いるのかしら。

 こういうシーンで感じる不快感って、作り手にバカにされてる感覚なんですよね。「どうせちゃんと見てねえだろ」って言われてるような気になるんですよ。軽トラ1台分のぬいぐるみが運び込まれていて、それが「スーツケースに、こんな入っとったん……」という雑なセリフひと言だけで処理されている。視聴者をバカにしているか、コメディそのものをバカにしているか、そのどちらかとしか思えないわけです。情緒的にも物理的にも、なんにも納得できないし笑えない。文脈が何もなく、あの光景だけで「あはははー」って楽しい気分になるのはせいぜい赤ちゃんくらいですよ。朝ドラ視聴者のこと、赤ちゃんだと思ってんのかな。

 あとは今回はわりとシリアスな話なんですが、結ちゃんが作った献立が明らかに足りないことを翔也(佐野勇斗)が「言えないから」って我慢してるところも、まったく共感できないよね。おまえ、何で給料もらってんのかわかってんのか、って。

 よくドラマなんかで「あたしと仕事とどっちが大事なの?」みたいなシーンがあるわけですが、こういうのってだいたい仕事を優先している男が言われるパターンじゃないですか。それを翔也は、聞かれもしないのに「仕事より女の機嫌が大事」と言ってしまってるわけです。しかも、目標とすべきエース(関口メンディー)に直接、そういうことを言ってる。

 いちおうこれでも、ドラマの中の四ツ木翔也という野球選手を応援したい、好きになりたいと思って見てるんですよ。メジャーは無理でも、納得いくアスリート人生を送ってほしいと思ってるわけです。中学では何回もノーノーやってたそうですが、高校では結局鳴かず飛ばずだったし、社会人になったらパイセンの指導も無視して彼女の機嫌を取ってる。シンプルに、こいつに選手としての将来性を感じないんだよな。

 あとなんだっけ、ママ(麻生久美子)がカスミンの親を町中華に呼び出してるのも意味わかんないし、結ちゃんがサッチン(山本舞香)に「支えられる側の気持ちを考えろ」と言われて「もしかして、ごはん少ない……?」って思い当たる思考回路もよくわかんないし、総じて納得感の非常に低い回となりました。

 総じて納得感の低い『おむすび』が帰ってきた! おかえりなさい!

■ものすごい引っ張るナベさんは大丈夫か

 震災で娘を失った人がどれだけ傷ついているかなんて本人にしかわかるわけないから、マキちゃんパパのナベさん(緒形直人)の横暴っぷりについては意見を控えているわけですが、それにしてもこれだけ引っ張って大丈夫だろうかと不安になってきます。

 はっきり言って、この人の言動は常軌を逸してる。震災当日、病院から避難所に帰ってきてワンカップをあおっていたときは同情もしたけど、12年後の神戸編では正直ちょっと距離を置きたい人物として登場しています。

 ここまで極端な造形のキャラクターを登場させた場合、やっぱりそれ相応の心理描写が必要になるわけですが、「総じて納得感が低い」でお馴染みの『おむすび』にその用意があるだろうかと。ちょっと怖いんだよな。いっそ、ナベさんについてはこのまま何も言わず「3年後」とかに飛んじゃったほうがいいような気がします。身もフタもないけど、高校の2年間とか、アユ(仲里依紗)の「初の墓参り」とか、描くべきところをボンボン飛ばしてきた本作なので、さもありなん。なむなむ。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

 

どらまっ子AKIちゃん

どらまっ子です。

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最終更新:2024/11/28 19:00
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