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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『全領域異常解決室』ザ・伏線回収の「神回」

【24年秋ドラマ】『全領域異常解決室』第7話 ザ・伏線回収となった「神回」センス・オブ・ワンダーが炸裂している

藤原竜也(GettyImages)

「私も神なんですね?」なんてセリフを、わけもわからず異動させられてきた小夢ちゃん(広瀬アリス)が言うときがくるなんて。そのセリフが、こんなにロマンチックに響くなんて。第1話を見終えたころには想像もしていなかったドラマ『全領域異常解決室』(フジテレビ系)も第7話。

 今回は、ザ・伏線回収の回となりました。小夢ちゃん、神だった。振り返りましょう。

■しかも室長だった

 警視庁総務部広報課のカラーガードとして踊ったり旗を振ったりしていた小夢ちゃんが、主に超常現象とみられる事件を全領域にわたって解決する全領域異常解決室に配属され、室長代理である上司の興玉さん(藤原竜也)にドヤされながら悪戦苦闘していたのは、つい先々週まででした。

 最初はオカルトなんて何にも信じていなかった“普通の人間”小夢ちゃんでしたが、最近ではけっこう信じ始めていたりもしていました。徐々に、神としての記憶が戻り始めていたんですね。

 そして、デリバリー男の芹田さん(迫田孝也)こと猿田毘古神に「今でも私の夫ですか?」と問いかけ、「私も神なんですね」と、ようやく自分が天宇受売命だったことを思い出したのが前回まで。猿田毘古神と天宇受売命は高天原と葦原中国で出会い、夫婦神になったと伝えられているそうです。ちょっと何言ってるかわかりませんが、とにかくそんな小夢ちゃんこと天宇受売命がいかにして神から人間になり、神に戻ったのかが語られたのが今回でした。

 小夢ちゃん、もともと全領域異常解決室の室長でした。人の体は世を忍ぶ仮の姿ですので、解決室内での関係性に年齢とかは関係ないようです。小夢ちゃんが、上司だったはずの興玉さんに「興玉、報告!」などと命令している姿はいかにも新鮮です。

 ヒルコによる神隠しによって4人の神が消され、解決室は小夢ちゃんを中心に、ヒルコ退治の方法を画策中。しかしその最中、ヒルコの「事戸渡し」によって神としての記憶を消され、さらに神器で腹を刺されて小夢ちゃん大量出血。“神隠し”となる寸前に猿田毘古神の能力で興玉さんたちに発見され、解決室に運び込まれるのでした。

 そこで待っていたのは、月読命(石田ひかり)。月の力を借りて時間を戻す能力を持つ神様・月読命の手技によって、一命を取り留めた天宇受売命。しかし、月読命の力を持ってしても天宇受売命の神としての記憶を戻すことはできず、天宇受売命は“普通の人間”小夢ちゃんとして生きていくしかなくなります。

 興玉さんはそんな小夢ちゃんを解決室に招き入れ、記憶が戻るのを待っていたのです。

 一方そのころ、政府の依頼でビッグデータの解析の仕事をしている寿正(野間口徹)が人魚の死体を入手し、月読命に復元を依頼。その目的を「修理固成」つまりは「神々を総入れ替えすること」だと告げるのでした。果たしてこの寿正がヒルコなのか。そして解決室の神々の運命は? といった感じで次回へ。

 ちょっと何言ってるか全然わからないと思いますが、こんな感じなんです、本当に。

■爽快感がすごい

 文字にすると複雑怪奇な展開ですが、要するに最初は頼りなかった小夢ちゃんという女の子が実は神様だった、ということが明らかになり、第1話からのさまざまなシーンに潜んでいた伏線が一気に回収された、文字通りの「神回」となりました。広瀬アリスが「神としての自覚がある」「自分が普通の人間だと思っている」「再び神としての記憶を取り戻していく」というそれぞれのフェーズで的確なお芝居をしていたこともあって、爽快でダイナミックで、かつロマンチックな1時間でしたね。ホントに、あっという間に過ぎてしまった感じです。

 お話としては、「解決室vsヒルコ」が「神vs神」であるとしつつも、実はヒルコは人間なのではないかという示唆が入ったことで、一度は神話をモチーフにしたファンタジーに振り切ろうとしたところから、現代SFへの揺り戻しが起こっています。

 解決室の神様たちはそれぞれ、人の居場所が透視できたり、遠くにいる誰かを呼び出すことができたりという能力を持っています。でもそれって、スマホやらAIやらビッグデータやら、現代の人間たちが持っているテクノロジーによって再現できるのではないか。つまりは、人は神に近づいているのではないかというところを語り出したわけです。神々が備えている日本古来の倫理や規範と、身に余るテクノロジーを“持ってしまった”現代人との対比、あるいは対決みたいなお話にもなってくるのかもしれません。

 いずれにしろ、作り手が作りたいものに向けてフルスイングしていることはわかりますし、センス・オブ・ワンダーが炸裂している感じだけはビンビンに伝わってきますので、最終回までじっくりと味わいたいと思います。おもろいわ。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

どらまっ子AKIちゃん

どらまっ子です。

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最終更新:2024/11/21 16:00
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