現役ヤクザも視聴する78歳の元山口組顧問弁護士・山之内幸夫が「アウトロー系YouTuber」に大転身した驚愕の理由
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行く道は、行くしかない……力こそものをいう!
――実際、山之内さんはどのくらいの期間、引き受けられていたのでしょうか?
山之内 これが少しややこしくて、私自身、1991年に逮捕されているんですよ。さらに、少し遡って1987年にも大阪弁護士会から「暴力団の顧問は弁護士の品位を害する」という理由で懲戒処分を受けました。そのため、1984年に就任してから処分を受けるまでの3年間ですね。
――問題視された理由はなんだったのでしょうか? 前から警察に目を付けられていたのですか?
山之内 いや、長野県のごく普通の一般市民が「テレビを見ていたら山口組顧問弁護士が出ていました。これは許されることなのでしょうか?」という内容を、便箋に2~3行くらいの短い文章で懲罰申出書として大阪弁護士会に送ってきたのです。
――この時代はまだメディアにヤクザが頻繁に出演していましたよね。ワイドショーにもヤクザの親分はよく出ていました。
山之内 小田秀さんや、山本広(一和会会長)さん、加茂田重政(一和会副会長兼理事長)さんも人気がありましたよね。私がテレビの報道番組に出たのは「山口組ハワイ事件」のときですね。
――これは1985年に竹中正久四代目の実弟である竹中正氏と、田岡一雄三代目の秘書役を務めた織田組・織田譲二組長が、アメリカからロケット砲や機関銃を密輸しようとしたところ、麻薬不正取引なども含めた容疑でDEA(アメリカ麻薬取締局)のおとり捜査によって逮捕された事件ですね。
山之内 そのことについて、私はテレビのニュース番組で解説していたのですが、やはり「おかしい」と思う人がいたのでしょうね。前出の懲罰申出書が送られてきたわけです。それを大阪弁護士会が取り上げて、正面から審議されました。その結果、私は戒告処分となりました。ただ、諸々の事件から1~2年が経った頃、岸本さんから「また、顧問弁護士をやってくれないか?」と電話があり、それを機に再開します。そこから、2015年に弁護士を辞めるまで関係は続きましたね。
――えっ? 懲戒処分を受けてからは、顧問弁護士と名乗れなくなったのでは?
山之内 そうなんです。だから、1987年以降は「《元》山口組顧問弁護士」という肩書に変えて、“顧問弁護士のようなかたち”で仕事を続けたわけです。
――それでは、山口組の顧問弁護士でなかった期間は、どのような活動をされていたのでしょうか?
山之内 そもそも山口組の顧問弁護士の時から、暴力団関係の仕事は全体の3分の1くらいで、もっぱら一般民事事件や刑事事件をやっていました。顧問弁護士としての範囲に入る仕事は、刑事事件を含めての3分の1程度です。山口組本部に関わる仕事というのは、組が運営していた東洋信用実業と山輝という2つの会社を常に見守ることでしたが、特に何か起きるわけではありません。また、刑事事件では山口組傘下組織の組員が捕まった時に「弁護士がいないので付いてくれませんか?」と相談された際に対応していました。
――顧問弁護士をやられていた頃、暴力団関係者からはどんな反応だったのでしょうか? カタギがヤクザ社会に入り込むと、やっかみもありそうですが……。
山之内 「『いざ』という時に助けてくれる人がいるのはありがたい」という印象のほうが強かったですね。そもそも、暴力団を嫌がる弁護士もたくさんいます。というのも、刑事事件ならともかく、暴力団がシノギに関わる民事事件は胡散臭い案件がとても多いんです。中には「ヤクザの事件はやりません」とハッキリ断る弁護士もいたため、私は「どれだけ困った時でも、逃げずに助けてくれるだろう」と、期待感を抱かれていました。
――YouTubeでもいろいろ紹介されていますが、山之内さんはこれまでさまざまな暴力団関係者たちと会ってきました。長年、彼らを見てきて、どのような「資質」を持つ者がヤクザのトップになれると思いますか?
山之内 「行く道は、行くしかない」と開き直れる考え方を持つ人でしょう。なにより、ヤクザの世界は力が大事です。そのため、力を信奉していなくてはなりません。
――力というのは具体的にどういったものでしょうか?
山之内 暴力ですね。
――やはり、暴力が一番ですか……。
山之内 それがなかったら終わりです。
――暴力があるからお金回りも良くなるのでしょうね。
山之内 しかし、報道されている一部の組織のように、民間人に暴力を振るうようになると行き過ぎだと思います。それでも、単純にケンカに強く、武闘派と呼ばれる組織は金回りが良くなるという下地はあります。それは民事介入暴力(暴力団等被害)で利権に絡むことができるためです。そういう意味でも力を信奉している者がトップをつかむのでしょう。
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