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綾瀬はるか、『ルート29』初週圏外スタートで見る映画俳優としての“厳しい数字”と“新境地”

綾瀬はるか、『ルート29』初週圏外スタートで見る映画俳優としての厳しい数字と新境地の画像1
綾瀬はるか

 好感度は抜群、演技力も称賛されているのに何かが足りないということか……。

 俳優・綾瀬はるか主演の映画『ルート29』が11月8日に封切られたが、最新の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、11月8~10日)では、初週にしてトップ10圏外となり暗雲が立ち込めている。

「本作は人と交わろうとしない寡黙な清掃作業員が“風変わりな少女”と出会い、姫路から鳥取までの国道29号を旅するというロードムービー。綾瀬は10月下旬に開催された『東京国際映画祭』で胸元を大胆に開いた黒いドレスで登場し、その艶やかな姿が話題になりましたが、残念ながら主演映画の集客にはほとんど繋がっていないようです」(映画ライター)

 綾瀬といえば、今や“国民的俳優”と呼ばれて不動の人気を誇っているようにも見えるが、じつはヒット作の「打率」はかなり低いという。

「綾瀬は09年のドラマ『JIN-仁-』や11年の『南極大陸』(いずれもTBS系)のヒロインで“数字”を残し、13年のNHK大河ドラマ『八重の桜』で主演を務めてトップ俳優の仲間入りを果たしました。しかし、ここ5年ほどは『義母と娘のブルース』『天国と地獄~サイコな2人~』(いずれもTBS系)のヒットこそあれども、NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』や『元彼の遺言状』(フジテレビ系)は視聴率だけみると苦戦するなど主演&ヒロイン作品の“打率は5割”ほどといったところです」(スポーツ紙の芸能担当記者)

 ドラマでヒット作があるためにその印象は薄まっているが、映画に至ってはかなりの苦戦続きとか。

「製作費20億円超えと言われる木村拓哉との共演作の『レジェンド&バタフライ』、主演映画『リボルバー・リリー』(いずれも2023年公開)を含め、今回の『ルート29』で映画は4本連続厳しい数字。過去をさかのぼっても映画に関しては多くの出演作で苦戦を強いられており、『国民的俳優』としては及第点とは言いづらい。現在CM契約は9社とテレビで見ない日はなく、演技に問題があるというわけでもないのですが、“映画俳優”としてはそろそろ結果を見せる必要があるでしょう」(スポーツ紙の芸能担当記者)

 その人気が興行収入などの”数字”に結びつかない理由はどこにあるのだろうか。

「オファーは殺到しているんでしょうが、もう少ししっかりと作品選びをした方がいいように思います。『ルート29』では映画祭で見せた煌びやかなドレス姿とは裏腹にメガネをかけた地味な女性役で、綾瀬の良さが消えてしまっていました。振り返れば、16年のNHKの大河ファンタジーの『精霊の守り人』でアクションに目覚めたあたりから、本人とファンの求めるものにギャップが出始めた印象です。PRのために大胆なドレスを着るのであれば作中で魅せてもらいたいですね」(前出のスポーツ紙の芸能担当記者)

 芸能ジャーナリストの平田昇二氏もこう期待を寄せる。

「綾瀬さんはドラマに関しては、『JIN-仁-』で主人公をけなげに支える女性、『ホタルノヒカリ』(日本テレビ系)では“干物女”、『義母と娘のブルース』ではバリバリのキャリアウーマン、『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)では元スパイの人妻、『天国と地獄 ~サイコな2人~』ではサイコパスな殺人鬼と入れ替わる刑事などさまざまな役を演じ、数多くの作品をヒットに導いています。一方、映画に関しては『リボルバー・リリー』や『おっぱいバレー』(2009年)、長澤まさみさん、夏帆さん、広瀬すずさんと共演した『海街diary』(2015年)で『日本アカデミー賞』の優秀主演女優賞こそ受賞していますが、ドラマほどの存在感は放てていない印象です。もっとも、今作の『ルート29』に関しては現状、数字面での苦戦が伝えられてはいますが、笑顔をはじめとした多彩な表情やアクションといった武器をあえて封じ、他者とコミュニケーションを取ることをしない主人公という“素朴な難役”を丁寧かつ見事に演じており、綾瀬さんがこれまでの映画ではあまり見せることがなかった別の魅力を感じさせる部分もあります。元々演技力には定評がありますし、それこそドラマ『白夜行』の時を超えるような悪女役やハードな濡れ場など、今後も従来の俳優イメージとはギャップのある役や演技にも挑戦してほしいですね」

 ドラマやCMで輝きを放つ国民的俳優が映画でその真価を発揮する日は来るのか――。

大山ユースケ(ライター)

1990年、千葉県生まれ。某大手メディアに勤務中の複業ライター。得意ジャンルはお笑いと酒。

おおやまゆーすけ

最終更新:2024/11/19 09:00
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