知れば知るほど「次はロック様」 早くも始まった2028年大統領選 ドウェイン・ジョンソンへの熱視線
#大統領選 #ドウェイン・ジョンソン
米大統領選は終わったばかりだが、すでに4年後の戦いは始まっている。そして早くも超目玉となる有力候補の名前がささやかれている。「ロック様」こと、俳優でプロレスラーのドウェイン・ジョンソン氏だ。2028年の大統領選には憲法が改正されない限りトランプ次期大統領は出馬できず、共和党、民主党ともに新顔同士での戦いとなることは確実だ。現状で政治的には民主党寄りのジョンソン氏だが、解党的な出直しを強いられている民主党にとっては、かなり本気で候補者にすえたい人物である。
ジョンソン氏は1972年5月生まれの52歳。カリフォルニア州ヘイワード生まれで、現在はフロリダ州マイアミに在住している。
父親は、カナダ・ノバスコシア州にアフリカから連れてこられた黒人を先祖に持つ「ブラック・ノバスコシアン」。母親は南太平洋ポリネシアのサモア生まれだ。米国でもまれな家系がジョンソン氏の独特の風貌を生んだ。
少年時代は人種的な偏見でいじめられ、その反動でけんかを繰り返し警察の世話になることが何度もあった。
悪のレッテルを貼られたが高校時代にアメリカンフットボールに出会い、スポーツの才能が開花し、運動選手としての奨学金を得て、マイアミ大学に進学した。
卒業後、カナダのプロフットボールリーグに所属したが、けがのためフットボールを続けることを断念し、プロレスに転向した。
「ザ・ロック(ロック様)」のリングネームでワールド・レスリング・エンターテインメント(WWE)で7回のチャンピオンに輝くなど、圧倒的な強さでプロレス界のスーパースターにのし上がった。
同時に米NBCの人気社会風刺番組『サタデー・ナイト・ライブ』のホストを務め、タレントとしても人気を博した。2001年公開の『The Mummy Returns 2 (邦題:ハムナプトラ2黄金のピラミッド)』で俳優デビューした。
その後、アクションスターとして『The Rundown(邦題:ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン)』などで主役として活躍、役の幅をコメディにも広げ大スターの座を射止めた。
スポーツ、芸能分野で輝かしい経歴を持つジョンソン氏の「大統領選進出話」は、昨日や今日に出てきたわけではない。話は2017年にさかのぼる。
2016年の大統領選でトランプ氏が当選し、2017年に就任すると米国はトランプ大統領の行動に振り回され、次の選挙でトランプ大統領に代わる人物は誰がいいかという議論が巻き起こった。そんな中で行われたパブリック・ポリシー・ポーリングの世論調査で、大統領にふさわしい人物としてジョンソン氏が42%の支持を得て、トランプ大統領の37%を上回った。
このデータについて、ジョンソン氏はテレビのトーク番組で「信じられないほど光栄だ。とても衝撃を受けた」「多くの人が、今よりもよいリーダーシップを欲しいと思っている」「何年にも渡って、私は人々に共感される男になったと思う」などと大統領選への意欲ともとれる発言をして注目された。
2020年の大統領選ではバイデン氏がトランプ大統領を破って当選したが、ジョンソン氏と大統領選のつながりは消えなかった。
バイデン大統領が就任した直後の2021年2月、NBCはジョンソン氏の幼少時代のエピソードを題材にしたファミリーコメディ『Young Rock』の放送を開始した。大統領になったジョンソン氏(2032年の想定)が少年時代を振り返るというストーリーラインで、様々な政治的憶測を呼んだ。『Young Rock』は人気シリーズとなりシーズン3まで制作された。
放送が始まった直後の2021年春の世論調査では、ジョンソン氏の支持率は46%に上昇した。2022年の中間選挙が近づいた際、ジョンソン氏はCNNの番組で「世論調査の数字が、立候補した場合に国民の50%が私に投票するだろうというまで上がきたら、真剣に考えなければならない」と話し、改めて意欲をみせた。
そして2023年11月、再選をめざすバイデン大統領に世論から本格的に疑問符がつきだしたころ、ジョンソン氏はポッドキャストで、過去に複数の政党から大統領選への出馬要請を受けたことがある、と明らかにした。
水面下で実際に擁立への動きがあったことが表面化し、ジョンソン氏の大統領選立候補への期待が高まるようにみえたが、民主党はバイデン大統領に代わってカマラ・ハリス副大統領を候補者とするという「ありきたりな」判断をして、今回の敗北につながった。
2020年の大統領選では「バイデン氏支持」を公にしたジョンソン氏だが、保守派の反発を強く受けた。このため2024年4月、今回の選挙ではいずれの候補者を支持するかを表明しない、と保守系メディアのFOXテレビで明らかにした。また、この月、ジョンソン氏は2925日ぶりにプロレスのリングに立ちファンを熱狂させた。
ジョンソン氏は「国民の団結」を度々口にしている。そのためには民主党色が強まり過ぎた自身のイメージを改めなければならないと、考えているのかもしれない。
ジョンソン氏の行動をチェックすればするほど、大統領選出馬への現実味が日々強まっているように見える。
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