【24年秋ドラマ】『あのクズを殴ってやりたいんだ』第6話 キスシーンで「ヒロイン奈緒がピンボケ」の意味
#あのクズを殴ってやりたいんだ
ドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系)も第6話。
初回の冒頭でプロデビュー後のほこ美ちゃん(奈緒)がサウスポーのスタンスで戦っていて、その後、入門したジムでは右構えで練習していたので、ボクシングがモチーフのドラマなのにずいぶんいい加減なんだなと思っていたんですが、今回、ちゃんとこだわって作っていたことが分かりました。
ほこ美ちゃん、右利きだけどサウスポーのほうが動きやすい体だったんですね。で、それに気づいた海里くん(玉森裕太)にアドバイスされて左に構えを変えたら、めっちゃスムーズに動くようになってた。Xで奈緒さんが「私自身右利きのサウスポーなのですが、ほこ美ちゃんのおかげでオーソドックスでも少しだけ動けるようになったことは、今思うと、とても貴重な時間でした」と書いてて、「右利きのサウスポー」というマニアックなボクシング用語がドラマの中でわりと重要な役割を果たしていたのだな、と改めて思いました。第1話のレビューで長々と触れておいてよかった。
というわけで、ドラマ自体はますますほこ美ちゃんより、そのサウスポー体質に気づいた海里くんにフォーカスしていってます。振り返りましょう。
■「右利きのサウスポー」が効いたシーン
前回、ほこ美ちゃんをラブホに連れ込んだものの、お酒の影響もあって素直になってしまい、しくしく泣いちゃった海里くん。事態に乗じてバックハグから告白したほこ美ちゃんは翌朝、付き合うのかどうか確認しますが、海里くんは「このままでいいんじゃね?」などとつれない返事。ムカついたほこ美ちゃんは、よりボクシングに打ち込むことにしたのでした。
一方の海里くんは仕事先に紹介されて、一流スポーツカメラマンの朝倉修太郎(安井順平)のアシスタントに応募しますが、その写真を「よく撮れてるだけ。被写体と向き合ってない。逃げるな」などと言われてしまいます。
それでも海里くんは、朝倉師匠の写真に大いに触発され、本格的に写真の道に進むことを決意。バーもやめたし、お金を引っ張っていた女の子たちも全員切ったそうです。これには、同居人の子犬みたいな男・悟(倉悠貴)も不満そう。
一方ほこ美ちゃんは、出げいこにきた別ジムの選手と初のスパーリングでボコにされてしまいます。いつも優しい会長(渡部篤郎)も、選手としての第一歩を踏み出したほこ美ちゃんには少し厳しい表情に。「きれいなボクシングをしすぎている。もっと踏み込め。逃げるな」と、ようやく指導者としての顔を見せてくれました。
そんなほこ美ちゃんが神社で自主練していると、海里くん登場。ほこ美ちゃんが、会長の言葉を胸に「逃げない」と宣言すると、朝倉師匠に「逃げるな」と言われた海里くんも、ここで決意を固めたようです。ほこ美が逃げないなら、自分も逃げない。
そう決めて、ドリンクボトルをほこ美に放ってやる海里くん。その受け取る動作から、実はほこ美がサウスポーのほうが向いていることを見抜くのでした。
あれほど遠ざけていたボクシングにも、海里くんが素直に向き合えた瞬間です。「右利きのサウスポー」という要素が、海里くんという人物の決定的な変化に作用しているわけですね。
サウスポースタイルで再度スパーに臨んだほこ美は大健闘。海里くんもジムを訪れ、ダウンしたほこ美に「立て」とか言ってます。そしてスパー後、2人きりになったところで、ほこ美を壁ドンならぬロープドンしながらキス。こうして2人は正式に付き合うことになりました。
■アラサーが何しとんねんという
正式に付き合うことになりました、とかいう段取りもそうですし、いざ海里くんが素直になってみると、アラサーの男女によるラブストーリーとしてはずいぶんヒネリのないドラマになったな、という印象です。ほこ美ちゃんはもとより直情的すぎるし、海里くんは闇が深かった分だけ、きれいに光堕ちしすぎてる。今後、そういう2人を、ほこ美の同僚である撫ちゃん(玉井詩織)や海里くんの同居人・悟がジャマしていくことになることが予想されますが、それってなんか普通だよなと思っちゃう。
でも、それでいいんでしょうね。前回も言ったけど、これは基本的には玉森裕太をよく見せるためのアイドルドラマという側面が強いのでしょう。最後のキスシーン、奈緒さんより玉森くんのアゴのラインが強調される画角でしたし、唇が離れた瞬間も奈緒さんピンボケで玉森アップでしたからね。
それを見せられて楽しいかどうかはまあ別として、今後も主にボクヲタ視点から見ていく感じになると思います。はい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
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