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『ゴジラ』シリーズ『シン・ゴジラ』『ゴジラ-1.0』の両監督の思いと次回作に山崎貴監督決定の理由

『ゴジラ』シリーズ『シン・ゴジラ』『ゴジラ-1.0』の両監督の思いと次回作に山崎貴監督決定の理由の画像1
(写真/Getty Imagesより)

 日本テレビ系の『金曜ロードショー』で11月1日に映画『ゴジラ-1.0』が地上波で初放送され、同作の監督・脚本・VFXを手掛けた山崎貴監督が新たなゴジラ映画を製作することがサプライズで発表、話題となった。

 この日の『ゴジラ-1.0』の放送のエンドクレジット後、約10秒間の“緊急告知”動画がサプライズで流れ、山崎貴氏が再びゴジラの新作映画を手掛けることが告知された。

「この日の地上波放送は10.1%の高視聴率(世帯視聴率。ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。『金曜ロードショー』としては2ケタに届くという高視聴率だったが、それに加えてまさかの『ゴジラ』の新作発表でファンを歓喜させた格好です」(映画業界関係者)

 さらに発表の2日後には、山崎監督が都内で行われたゴジラ生誕70周年を記念した『ゴジラ・フェス2024』内のトークイベント「居酒屋ゴジラ」に出席。

 会場に集まったファンから“タカシコール”が巻き起こる中、登場した山崎監督は新作映画について「今日はこれ以上発表できないということを言いに来た」と冗談まじりに話しつつ、「『-1.0』が上手くいきすぎて、めっちゃハードル高くなっちゃった」と苦笑いしたという。それでも、「まだもうちょっとかかりますけど、新作ゴジラをなんとか『-1.0』を超えるような作品として作りたいと思います!」と意気込んだ。

 昨年のゴジラの“誕生日”にあたる11月3日に国内で公開された同作は、興行収入76.5億円を記録して映画賞を総なめにしたことは記憶に新しい。続く全米公開でもヒットとなり、今年3月の『第96回アカデミー賞』では「視覚効果賞」を受賞、山崎監督はその名を世界にとどろかせた。

 芸能ジャーナリストの竹下光氏は語る。

「山崎監督といえば、『ALWAYS 三丁目の夕日』で日本アカデミー賞の『監督賞』を、『STAND BY ME ドラえもん』で『最優秀アニメーション作品賞』をそれぞれ受賞。『SPACE BATTLESHIP ヤマト』や『寄生獣』などの実写化映画も手掛けています。すでにその優れた手腕は広く知られていますが、元々が『ゴジラ』シリーズの大ファンということで、今作『-1.0』に対する国内外からの高い評価は感慨もひとしおでしょう。他方、『ゴジラ』シリーズも世界中に多くのファンを持つコンテンツですし、『-1.0』が米アカデミー賞を受賞したことで新作に関しては海外からもより高い注目を集めることになりそうです」

 そんなゴジラシリーズといえば、『-1.0』の前作は言うまでもなく『シン・ゴジラ』だ。アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズや『ふしぎの海のナディア』『トップをねらえ!』などの作品で知られる庵野秀明氏が脚本・総監督を務めた。周知の通り、2016年に公開され、興行収入82.5億円を記録、こちらも国内の映画賞を総なめにした。

 そんな庵野監督と山崎監督は『-1.0』の公開直前、昨年10月27日、同作の上映記念イベントでのトークショーで共演。山崎監督が「『シン・ゴジラ』の後、ペンペン草も生えないところにゴジラ映画なんてバカ野郎も作らない』と自虐的に語ると、庵野監督が『本当によくやったよね』と感心しつつ、「いろいろね、ツッコミどころは満載なんだけど……」とリップサービスを披露すると、山崎監督から「うるさいよ!」と笑顔でツッコミを入れられる場面も。

 また、現場を見学したという庵野監督から「なんでこっち側からばかり撮ってるのかなと思った。そんなに素材使わないでしょ」と指摘された山崎監督が、「そんなこと言われたくないですよ。あれだけ素材を撮って……」と『シン・ゴジラ』でスマホを何台も使用して撮影した庵野監督にクギを刺すひと幕もあったという。

「庵野監督も山崎監督に勝るとも劣らない『ゴジラ』ファンとして知られていますからね。『シン・ゴジラ』の制作を打診された際には『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の制作中ということに加えて、1954年に製作されたシリーズ第1作こそ怪獣映画の最高峰であり自身が制作する必要はないとの想いから、当初は固辞したほど、『ゴジラ』という作品に強い敬意を抱いていましたから。ともに大のゴジラ好きであり互いに才能を認め合う同士だからこそデリケートな時期のトークショーも実現したんでしょう。ただ、結果的にどちらの作品も成功を収めたというのはゴジラファンにとっても感慨深いものがあります」(前出の竹下氏)

 そうした中、今回シリーズの新たな作品を前作に引き続き山崎監督が担当することが明らかになったわけだが、スポーツ紙の映画担当記者はこう明かす。

「『シン・ゴジラ』の前のシリーズ作品は北村龍平監督の『ゴジラ FINAL WARS』(04年)で興収は12.6億円でした。なので、次回作を託すとすれば、庵野監督か山崎監督のどちらかだと思われていましたが、山崎監督はこれまで、『ゴジラ』と同じ東宝の『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズや『STAND BY ME ドラえもん』シリーズといった作品をヒットさせるなど実績を積み重ねてきた。加えて、決め手となったのは米アカデミー賞の戴冠です。今後、『ゴジラ』シリーズの大規模な海外展開も見据え、山崎監督に新作を託したのでしょう」

 再びゴジラが世界を席巻する日も近いはずだ。

大山ユースケ(ライター)

1990年、千葉県生まれ。某大手メディアに勤務中の複業ライター。得意ジャンルはお笑いと酒。

おおやまゆーすけ

最終更新:2024/11/14 09:00
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