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【24年秋ドラマ】『ベビわる』ちさまひコンビとお別れのとき、大人になった2人の続編は…

【24年秋ドラマ】『ベビわる』ちさまひコンビとお別れのとき、大人になった2人の続編は…の画像1
『ベイビーわるきゅーれ 』Blu-ray

 水曜日の深夜に、テーマ曲「あいきるゆぅ」とエンディング曲「包帯」がテレビから流れるのも、あと2回だけとなりました。NHK朝ドラ『ばけばけ』のヒロインに抜擢された髙石あかり、スタントパフォーマーとして売れっ子の伊澤彩織がダブル主演した『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』(毎週水曜 深夜1時~、テレビ東京系)は、ラス前となる第11話を迎えました。『ベビわる』生みの親である阪元裕吾監督が、残る2話は脚本&監督を直接手掛けるクライマックス編となります。

 殺し屋コンビの杉本ちさと(髙石あかり)と深川まひろ(伊澤彩織)は、殺し屋協会のジョブローテーション制度によって、別々の職場で働いています。営業部で働くちさとは、もうストレスの限界です。コミュニケーション力の高いちさとが体調を崩すほどですから、よほど職場の空気が合わないのでしょう。陰湿な性格の先輩スタッフたちを銃殺する妄想を、ちさとはたびたび見るようなります。

 先週放送の第10話、気分が悪くなったちさとが道端でしゃがみ込んでいると、町中華の親切な店主・川原(森下能幸)が声をかけ、お店で休ませてくれました。しかも、美味しい卵スープをサービスしてくれます。少し落ち着いたちさとは、チャーハンを頼むことに。町中華で食べるチャーハンは最高です。元気がもりもり出てきます。

 しかし、殺し屋業界は残酷です。職場に復帰したちさとは、川原に殺人依頼が来ていることに驚きます。昔、車で子どもを轢いてしまい、恨まれているそうです。殺人決行日は明日。ちさとはいたたまれない気持ちになります。

コミュ障だったまひろに、大きな変化が

 一方のまひろは、監査部の日野(柄本時生)のもとで働いています。殺し屋協会に所属する殺し屋たちの仕事ぶりをチェックし、ミスを犯した殺し屋を「粛清」するという危険な任務です。監査の仕事をまひろは続けるうちに、ミスを犯したわけではない人物も粛清する現場に立ち会うことになります。

 元殺し屋の麻織(諏訪太朗)は業務中の怪我で引退し、協会からの支援を受けて細々と暮らしていました。しかし、協会のそうした支援政策は表向きなもので、支援金はそうそうに打ち切ることが決まり、麻織も粛清対象となったのです。監査の仕事に就き、日野とコンビを組むことで、まひろは協会の裏事情を知ることになります。

 コミュ障のまひろは、高校時代からの親友でもあるちさと以外とはうまく会話することができなかったのですが、一匹狼タイプの日野とは似たもの同士とあって、意外と打ち解けています。仕事終わりに、まひろから「上野でモツ焼きでも」と飲みに誘うなど、以前は考えられなかったことです。

 まひろは協会のマネージャーである須佐野(飛永翼)から「日野が同僚を殺したことを確認した上で、粛清してください」という指示を受けています。まひろが日野を飲みに誘ったのは、日野を酔わせて、後輩殺しの事実を聞き出すという目的があったわけです。まひろもずいぶんと大人になったことが分かります。

阪元監督自身が打ち壊す『ベビわる』の基本設定

 これまでのちさと&まひろは、高校時代から殺し屋業を始め、アルバイト感覚で次々とターゲットを仕留めてきたわけです。『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』(2023年)では戦いを通じて分かり合えた神村兄弟を抹消、現在公開中の『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』でも標的をクールにあの世に送っています。それが『ベビわる』の世界でした。

 しかし、全12話で構成されたテレビシリーズ『ベビエブ』で、ちさまひに大きな変化が生じました。ちさともまひろも、殺人ターゲットに対して個人的な感情を抱き、協会がくだす命令に疑問を感じるようになっていきます。しかも、ジョブローテーション編に入ってからはコンビを組まずに、それぞれ1人で悩み、その問題にどう対処するかを懸命に模索します。

 今夜放送の第11話では、ちさとは血まみれ状態になります。セクハラ体質の営業部全体を、ちさとは敵に回すことになるようです。営業部に銃口を向けるということは、殺し屋協会そのものに対しても反旗を翻すことにもなるはずです。『ベビわる』の基本設定を、阪元監督自身が打ち壊す驚きのクライマックスとなりそうです。

 NHK朝ドラヒロインに選ばれた髙石あかりの、おそらく地上波最後の暴れっぷりを堪能しましょう。

『サザエさん』一家と違い、成長する生身のちさまひ

 最終回は『ベビわる』コンビを復活させるとは思いますが、テレビシリーズを通してキャラクターは大きく成長し、実社会でも俳優として大きく飛躍した髙石あかりと伊澤彩織が今後もコンビを組む機会は限られてくるでしょう。

 半世紀以上も続くテレビアニメ『サザエさん』(フジテレビ系)のサザエさん一家と違い、生身の彼女たちはさまざまな体験を経て、どうしようもなく成長を遂げていきます。少なくとも、社会に出て間もないモラトリアムな女の子2人組という設定の『ベイビーわるきゅーれ』をそのまま続けることは今後はできないはずです。

 第7話では、ちさまひに「死亡フラグ」が立ちました。テレビシリーズでのちさまひの死別によるコンビ解散はさすがにないと思いたいのですが、こちらの予想を常々いい意味で裏切ってきた『ベビわる』なので、来週放映の最終回も何が待っているか読めないものがあります。 

 ここまでの人気シリーズになったので、当然ですが『ベビわる』劇場版完結編が企画されると思われます。しかし、進化し続けている『ベビわる』は、もう後戻りすることはできません。『ベビわる』の続編があるとすれば、これまでのようなお気楽モードのものではなくなるのではないでしょうか。

 インディーズ映画界の無名監督から『ベビわる』の成功で一躍、Z世代を代表する映像クリエイターとなった阪元監督。自身の代名詞となった『ベビわる』に、どんなフィナーレを用意しているのか気になります。大人になったちさまひのラストバトルに注目です。

最終更新:2024/11/13 12:00
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