『おむすび』第30回 すこぶる強引な「ギャル」宣言に鼻白むも、とりあえず元気が出てよかった
#おむすび
NHK朝の連続テレビ小説『おむすび』、第6週「うち、ギャル、やめるけん」が終わりました。結果、「ギャル、やめへんで~」ということになりましたが、ずいぶん強引な着地だったな、という印象です。
とはいえ、結ちゃん(橋本環奈)が元気そうでよかったよ。振り返りましょう。
■アユ「大女優」と「ニセモノ」の伏線回収
突然、東京から帰ってきた姉のアユ(仲里依紗)。今回は、追っかけてきた付き人が「大女優」だと吹聴したことと、アユ自身が「自分はニセモノ」と言っていたことの伏線が回収されました。
朝っぱらから家族とハギャレンを連れてカラオケスナックにやってきたアユ。おもむろに浜崎あゆみの「Boys & Girls」を歌いだします。大女優じゃなくて大歌手なのか? と色めき立つ一同ですが、ヘッタクソだし、どうやら歌手でもないみたい。
途中で歌うのをやめてモニターを指差すアユ。そこにはギャル姿でお芝居をしているアユの姿がありました。この歌を何度も歌ったことのあるハギャレンも、それがアユだとは気づかなかったんだそうです。
ここから、アユの独白が始まります。東京でギャル雑誌のモデルを始めたが、すぐに呼ばれなくなったこと。それから小さな芸能事務所に入り、カラオケビデオの仕事をしていること。現場をすっぽかして糸島に帰ってきたこと。今着ている服も持っているバッグも、全部衣装であること。だから、自分がニセモノであること。
この独白からは、アユが衣装泥棒と契約不履行を犯していること以外あんまり何にも伝わってきませんでしたが、結ちゃんは「Boys & Girls」がギャルにとってのアンセムだから「お姉ちゃんはホンモノ!」という謎理論を展開。アユは涙に暮れるのでした。
その後、この日の新幹線で東京に戻る予定をまたもすっぽかした様子のアユは、自室で結ちゃんとおしゃべり。結ちゃんが子どものころに描いたセーラームーンの絵を見せて「結はかわいい服を着るのが好きだった」「だから我慢しないで」と諭すと、結ちゃんは子どものころのように、アユに「髪やって」とねだります。
そうして、アユの手によって再びギャル化した結ちゃん。階下に降りると、両親に向かって「ギャルやりたい」「書道もやりたい」「やりたいことは全部やりたい」と宣言。無事に許しを得るのでした。
なんだこれ。
■要するに、因果が弱いんです
因果、原因と結果の関係ですね。あらゆることの因果が弱いんだ、このドラマは。
今回に限っていえば、なぜアユはギャル雑誌のモデルの仕事に呼ばれなくなったのか、なぜそれでも芸能の仕事を続けようと思ったのか、なぜ現場に入ったタイミングで急に糸島に帰ろうと思ったのか、そういうことを全然教えてくれないんです。
浜崎あゆみのカラオケビデオに出演しているから自分がニセモノであるという理屈もわからないし、妹の結がセーラームーンが好きだったからという理由で「本当はギャルやりたいんじゃない?」と察する思考回路もよくわからない。小学生女児は全員セーラームーンに憧れてたし、変身の真似事をした経験があるはずだけど、だからギャルやりたいはず、とはならないでしょう。あと、しつこいけど「セーラームーンに変身だ!」じゃなくて「ムーンプリズムパワー! メイクアップ!」な。
ともあれ、終わってしまった6週分はもう取り返しがつかないし、どれだけ強引でも主人公が前を向いたことだけは歓迎したいと思います。朝から不機嫌な顔ばっか見てらんないからね。これから、なんとかがんばってほしい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
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