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TBS新春SPドラマ韓国推しの背景にある『VIVANT』の不振と韓流エンタメとの協業

TBSの新春スペシャルドラマの韓国推しの背景にある『VIVANT』の不振と韓流エンタメとの協業の画像1
松たか子(写真/Getty Imagesより)

 来年1月2日にTBSで放送される新春スペシャルドラマが俳優・松たか子主演の『スロウトレイン』になることが明らかになった。

 同ドラマは『逃げるは恥だが役に立つ』や放送中の日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(ともに同局系)などの脚本を手掛けた野木亜紀子氏の手によるオリジナル作品。松のほか、多部未華子や松坂桃李、星野源らが出演し、鎌倉と韓国・釜山を舞台にしたホームドラマだ。

 鎌倉に住む渋谷葉子(松)、都子(多部)、潮(松坂)の姉弟は交通事故で両親と祖母を一度に亡くしてしまう。

 それから月日は流れて二十三回忌の法事の帰り道。都子が突然「韓国に行く!」と葉子と潮に告げ、それをキッカケに三者三様の姉弟に“人生”という旅路の分岐点が訪れる様子を描いたストーリー。

 野木作品といえば、現在公開中の映画『ラストマイル』も大ヒット中ということもあり、来年1月の『スロウトレイン』の放送が発表されると、早くもインターネット上では放送を心待ちにする声が見受けられる。

「オリジナル脚本、しかも日本のお正月ドラマにもかかわらず“韓国推し”の設定ということですが、もっか日本のテレビ各局はエンタメの分野をリードしている韓国との協業を進めています。これまではテレビ朝日が先行していた印象でしたが、ここにきてTBSの積極性が目立ちます。その理由の一つとされているのが昨年放送された連続ドラマ『VIVANT』の“不振”が挙げられます。日本ではかなりの反響を呼んだ同ドラマですが、世界配信では振るわず、1話1億円を注ぎ込んだ制作費を回収することができなかったという話も。今年4月期の日曜劇場『アンチヒーロー』もNetflixでは苦戦を強いられており、その反省からコンテンツのグローバル化のノウハウを韓国企業から学ぶという方針が徹底されているようです」

 またその背景にはTBSならではの戦略もあるようだ。

「最近のTBSのドラマでやたらと韓国人俳優を重用する傾向が見て取れます。今年1月期放送の『Eye Love You』では主演の二階堂ふみの相手役にチェ・ジョンヒョプを起用。7月期の『ブラックペアン シーズン2』ではキム・ムジュンが抜擢されました」(エンタメ誌ライター)

 さらにTBSは今年5月、映画『パラサイト 半地下の家族』などを手掛けた韓国のグローバルエンタテインメント企業・CJ ENMとドラマや映画の共同制作での合意を発表している。

 ここに来て日本のテレビ局による“企業努力”ということだが、無論、一部ではこれに眉をひそめる層もいなくはない。

「かつて民放のトップを走っていたフジテレビは“韓流ゴリ押し”により、 2011年には心ない視聴者約3500人が『フジテレビの捏造・偏向報道反対』などといったプラカードを掲げてデモ行進する騒ぎになったほど。以降、視聴者のフジ離れが加速したとも言われています」(前出のエンタメ誌ライター)

 もっとも、芸能ジャーナリストの竹下光氏はこう話す。

「当時に比べると今は日韓関係も平穏ですし、BTS(防弾少年団)をはじめとするK-POPなどは世界的にも存在感を放っていますからね。それに、かつては日本の大衆文化の流入制限がなされていた韓国においても近年はほぼ規制が開放され、日本の歌謡曲やドラマが注目を集めたりと双方の文化交流も盛んになっています。こうした背景もあり、かつてほどのバッシングには発展しないのではないでしょうか」

 TBSの今後の動向に期待と注目が集まる――。

大沢野八千代(ジャーナリスト)

1983生まれ。大手エンタメ企業、出版社で勤務後、ネットソリューション企業に転職。PR案件などを手掛けている。KALDIフリーク。

おおさわのやちよ

最終更新:2024/11/10 13:00
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