田中みな実、弘中綾香、森香澄…“あざとい女性アナ”が支持され続ける理由とセルフプロデュースで広がる仕事の幅
#田中みな実 #弘中綾香 #森香澄
真面目、清楚といったイメージが強かった女性アナだが、ここ数年はそこに“あざとさ”が重要なキーワードになっている――。
あざとい女性アナの筆頭といえば、現在は俳優として活躍中の元TBS・田中みな実だろう。局アナ時代は“みんなのみな実”を自称、甘えるようなかわいらしい仕草を次々と繰り出してバラエティ番組で台頭。フリーに転身した後は、そのあざとさを武器にテレビ朝日系『あざとくて何が悪いの?』の初代MCを務めた。
この『あざとくて何が悪いの?』で田中とともにMCを務めたのが、テレビ朝日の弘中綾香アナだ。弘中アナの場合、田中のように積極的なあざといパフォーマンスを見せるわけではないが、その柔らかな雰囲気と卓越したフリートークでバラエティ番組の人気者に。『ミュージックステーション』のタモリのほか、多くの男性大物タレントとの絡みも上手く、幅広い層から愛されるアナウンサーとなった。
さらに、目下“令和のあざと女王”と呼ばれているのが、元テレビ東京アナウンサーの森香澄だ。フリー転身後はグラビアに進出し、写真集も大ヒット。自身の冠番組『森香澄の全部嘘テレビ』(テレビ朝日)では、フェイクドキュメンタリーの体裁でありながらも、キャバクラ嬢やメイドカフェのメイドに挑戦し、“あざとい接待”を披露している。
また、最近ではSNSでの女性アナたちの投稿が話題になることも増えている。
「森香澄さんはテレ東時代にTikTokにメイク動画をアップして話題になったこともありましたし、フジテレビの堤礼実アナは番組の公式TikTokでダンス動画を披露してます。地上波も積極的にSNSを活用する時代、アナウンサーが自らの“かわいさ”をしっかりアピールする機会も増えているということ。女性アナのSNSの使い方は、女性アイドルたちとさほど変わりないと思います」(テレビ局関係者)
女性アイドルグループには「自分が一番かわいい」と自称するメンバーが1人はいると言われ、またそういったメンバーはいわば“キャラモノ”として、雑にイジられることも多かった。TBS時代の田中みな実は、まさにそういった要素を持った存在だっただろう。
しかしSNSが広く普及し、タレントだけでなく一般人も自分の魅力をアピールするようになったいま、“自分がかわいい”と主張することは決して悪いことではなくなり、“あざとい”という言葉もポジティブに受け止められるようになってきた。女子アナウォッチャーの丸山大次郎氏はこう話す。
「“あざとい”が完全悪ではない風潮になっていることで、きちんとプロデュースすれば“あざとい”が大きな武器になるんだと思います。また、“あざとい”ということは、相手に自分をよりよく見せるために努力しているということ。それをフックにして、メイクやファッション、ボディメイクなどの仕事につながりやすいというメリットもあるでしょう」
また、あざといアナウンサーや元アナウンサーは、実際にバラエティ番組で重宝されるという側面もある。
「いまでも“アナウンサーは貞淑だ”というイメージは強いので、そこで“あざといキャラ”を発揮すれば、ギャップで印象に残りやすいし、共演者もそこに言及しやすい。また、“あざとい”キャラは“ずぼら”や“ぶっちゃけ”に比べてトークのネタになりやすくて、息が長いとも言えそうです。
“ずぼら”だったら年齢を重ねていくとみっともない感じになるし、“ぶっちゃけ”ならインパクトのあるネタを続けて出すのは難しいうえ、他人の悪口にもなるリスクがある。そういう意味では“あざとい”に関するエピソードは長持ちしやすいはずですし、特徴的なフレーズや仕草を入れる形などで、演出としても見せやすい。他者を批判して大炎上するようなこともほとんどない。“あざとい”キャラは、メディア向きなのでしょう」(丸山氏)
あざとい女性アナというと、どうしても“男性ウケ”を狙ったものだと見られがちだが、実際には男性だけでなく女性からも支持されるようになっている。
「田中みな実さんの場合、“あざとさを見せても恋愛や結婚につながらない”という自虐ネタも絡めていて、それが免罪符みたいになっている、だからこそ、女性から反感を受けにくいというのはあります。また、あざとさをキープするためのストイックなセルフプロデュースの努力があることで、近い年齢や社会経験が豊富な世代の女性からの共感を得ている面もあります。
一方で森香澄さんの場合は、10~20代のカルチャーを土台とした“カワイイのなかにあざとさがある”というスタイルで、同世代の女性から共感される存在感を勝ち得ているといえそうです」(丸山氏)
“あざとい=セルフプロデュース”となっているこの時代。ただただ控えめで貞淑なだけの女性アナウンサーよりも、自分の魅力を最大化し、仕事の幅を広げるアナウンサーこそが支持されるのだ。
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