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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『インフォーマ-闇を生きる獣たち-』興奮と刺激が凝縮
沖田臥竜のINFORMA奇譚 EPISODE5

『インフォーマ-闇を生きる獣たち-』にはSNSでは満たされない興奮と刺激が凝縮されている

ドラマ『インフォーマ-闇を生きる獣たち-』(ABEMA)。11月7日の放送開始までにキャスティングや主題歌などで数々のサプライズを起こしているが、今度は『インフォーマ』と大人気マンガ『ザ・ファブル』のコラボが発表された。『インフォーマ-闇を生きる獣たち-』や映画『ザ・ファブル』の挿入歌を担当した歌手・ケイスケサカモトの最新MV『ルリモハリモ』に、木原(桐谷健太)と三島(佐野玲於)が出演。『ザ・ファブル』の聖地となっているbarを2人が訪れることから新たな物語が動き出す——というものだが、この斬新なコラボを仕掛けたのも、『インフォーマ』の生みの親である作家の沖田臥竜氏。そんな沖田氏が綴る、熱き『インフォーマ』への思い。本当の驚きはこれからだ。

愛されるべき作品づくりへのこだわり

今回の一コマ「タイでの差し入れ。タイ語でも案内」

 バンコクから始まった『インフォーマ-闇を生きる獣たち-』の撮影は、国内に戻ってからも、東京、千葉、神奈川、茨城、静岡、埼玉、大阪、兵庫県の尼崎まで全国を飛び回って行なわれた。尼崎は私の地元である。どれだけプロデューサーのジョニーに嫌な顔をされても、ロケ地として外すことはできない場所である。

 ここだけの話だが、前作シーズン1でも深夜番組では異例の制作費をカンテレから捻出してもらったが、今回はその倍以上の制作費をABEMAに出してもらうことになった。

 『ムショぼけ』を放送してくれた朝日放送のプロデューサーチームも、前作シーズン1を放送してくれたカンテレのプロデューサー陣も本当によくしてくれて、いまだにお世話になっているのだが、ABEMAのプロデューサーチームも最高だった。

 作品作りに限らず、私は仕事にとって大切なことは人間関係だと思っている。だからこそ、朝日放送のプロデューサーチームもカンテレのプロデューサー陣も『インフォーマ-闇を生きる獣たち-』が放送されると知って、「楽しみにしてますよ!」「頑張ってください!」と言ってくれた。そういう環境で作り上げる作品は必然的に力強い。間違っても、SNSで流行りの嫉妬の末の足の引っ張り合いみたいな「哀れ」はそこには存在しない。

 だいたい他人を陥れたり蔑んでも、そんなことをする人間にチャンスは回ってこない。クソみたいな承認欲求をそんなことで満たして優越感に浸れる人間を私は軽蔑している。報われる人間というものは、いつも諦めずに努力している。

 もちろん努力したから必ず報われるほど、世の中は甘くないだろう。そこに保証なんてものも存在しない。だが、何かを達成している人間は、必ず諦めずに努力しているのは事実だ。

 そして常に先を見ている。つまり休む暇なく先へと進んでいるのである。その過程の中でお世話になった人や作品に携わってくれた人を大事にすることは道理である。だからこそ、みんな話題になれば、はしゃいでもくれるし、喜んでくれるのではないか。

 今回ABEMAで放送される『インフォーマ-闇を生きる獣たち-』には、画面だけでは決して見えることのない力強さが備わっている。

 『インフォーマ』を生み出してきた私たちがやるのだぞ。常識を超えていかなければ、意味がないではないか。ありきたりの物語を生み出して、「まあまあだったね……」と言われ、観てくれる人々の心を揺さぶることも鷲掴みにすることもできないくらいなら、はじめからやらないほうがいいではないか。

 多くの人がSNSに刺激を求める世の中になっても、現実社会は何も変わらない。肌に触れるもので温かみを感じ、耳にする声や目に映るものに、感動や興奮、刺激を覚えるのだ。さまざまな人間模様の中で作り出さた作品だからこそ、世の中へと解き放つ意味があると私は思っている。

 もうSNSの情報に怯えたり一喜一憂するのはうんざりだろう。それをよくよく理解した上で、SNSを軸に展開される犯罪や社会問題を作品に取り入れることに、この時代に届ける意義があるのではないか。『インフォーマ-闇を生きる獣たち-』はそんな試みもしている。

 すべての作品作りは活字から始まる。好きだけではできない作業だ。地味で孤独でもある。それだけに話題になったときは、そうした葛藤をすべて超越するのだ。

 スタートは活字からだ。だからこそ登場人物の名前には、字埋れしないかなど、誰よりもこだわりが強い。視聴者が登場人物を語るとき、俳優名で呼ぶのではなく、我々が付けたキャラクターの名前で呼んでもらってこそ、初めて作品自体に親しみを持ってもらえることができるのだ。

 シーズン1で横浜流星さんが演じた「河村愛之介」は、愛之介としてすごく愛されたと思う。今回も、作り手である以上、二宮和也さんが演じる高野龍之介にもそうなってほしいという願いをこめて名付けた。他の登場人物のキャラクターもそうだ。

 一人ひとりのキャラクターの名前が愛されてほしいし、それを生み出すのも私のプロとしての仕事なのだ。  

 今作も観てくださった人々に、面白いと言わせてやろうと思っている。まだ始まる前で恐縮だが、『インフォーマ』シリーズのさらなる続編を望まれるようになりたいと思っている。『インフォーマ』をそう容易く終わらせるつもりはもちろんない。永遠に続くドラマを『インフォーマ』で作ることができればと思っている。

 ABEMAでは『インフォーマ』シーズン1が、放送局の垣根を超えて、現在配信されている。絶対に観て損はない、と言わせてほしい。

『インフォーマ-闇を生きる獣たち-』の放送開始まで、いよいよカウントダウンに入った。

(文=沖田臥竜/作家・小説家・クリエイター)

ドラマ『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』
11月7日、ABEMAにて放送開始

週刊タイムズの記者・三島(佐野玲於)は、世間を騒がせている〈闇バイト殺人事件〉の黒幕を調べるために、編集長の命でタイ・バンコクへ飛ぶことに。そこで三島を待ち受けていた人物は……2年前の〈火だるま殺人事件〉で三島に地獄を味わわせた、“インフォーマ”の木原(桐谷健太)だった。木原に翻弄されながらも取材を進める三島。そして2人の前に、インフォーマを名乗る謎の男・鬼塚(池内博之)が立ちはだかる。木原と三島は、〈闇バイト殺人事件〉で盗み出された”謎のブツ”をめぐり、鬼塚・そして現地マフィアと壮大な情報戦に巻き込まれていく——。

『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』番組ページはこちら

原作小説『インフォーマ2  ヒット・アンド・アウェイ』 
沖田臥竜・作/サイゾー文芸・刊/1400円+税
amazonなどネット書店、全国書店で発売中

作家・小説家・クリエイター・ドラマ『インフォーマ』シリーズの原作・監修者。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)がドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)、『ブラザーズ』(角川春樹事務所)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

最終更新:2024/10/29 15:00
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