NHK、民放各局の『選挙特番』視聴率が反映した石丸伸二氏の“苦言”と視聴者の声の“代弁”
#24年衆院選
27日に衆院総選挙の投開票が行われ、NHKと民放各局は選挙特番を放送した。
そのうち、フジテレビ系選挙特番『Live選挙サンデー超速報SP』に前広島県安芸高田市長で、7月の東京都知事選で次点だった石丸伸二氏が生出演した。
「石丸氏といえば、8月に自身のYouTubeチャンネルで、立憲民主党の活性化策として、次期衆院選で立民代表の選挙区から出馬するアイデアを披露。『遠くないうちに衆院解散されるだろう。次の立民の代表の選挙区で出る。立民の代表に勝ったら僕を党首にしてください。乗っ取ります』と宣言していた。しかし、今回、立民は裏金問題などで揺れる自民党に議席数は及ばないまでも、実質圧勝。立民の野田佳彦党首は千葉14区で2位に9万票以上の大差をつけて当選。おそらく、石丸氏が出馬していても勝ち目はなかっただろうし、石丸氏もそうなることを読み切って出馬は控えたと思われる。来年7月には参院選があるので、そこへの出馬ならあるかもしれないが……」(永田町関係者)
話の流れで、MCでフリーアナウンサー宮根誠司とのやりとりの中、石丸氏は「選挙特番、各局見ていたんですけど、ひどい!」と突然、メディア批判を始めた。
宮根から「またケンカ売るの?」と振られると、石丸氏は「その中でも、フジテレビの加工の仕方がちゃかし過ぎだなと思いました」と出演番組にかみついた。そして、その理由を、「真剣にやって我々の代表を選ぶんですよ? それを、もうちょっと敬意を払った方がいいんじゃないかとは思っています」と説明した。
「各局の番組を見比べると、どの局も、候補者の人となりや政策だけならまだしも、ペットの名前、趣味、好きな麺類など政治に関係ない要素を挟み込んでいる。石丸氏はこれに苦言を呈したかったのだろう。おまけに、特にフジは選挙演説で候補者がマイクの電源が入っていなかったり、おじぎした時に名刺がバラバラ落ちる場面をまるで珍プレー的に紹介。候補者に対する敬意を払っているとは思えない構成が悪目立ちしてしまった」(全国紙の政治部記者)
各局の視聴率を見てみると、同局の同番組の平均世帯視聴率は、一番高かった午後9時~10時が8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)。嵐・櫻井翔らを起用した日本テレビは午後7時58分から9時までが8.7%。
フリーの有働由美子アナらを起用したテレビ朝日は午後7時54分から9時が9.6%、午後9時から10時45分が9.7%で民放トップの数字。
爆笑問題の太田光らを起用したTBSは、日本シリーズ中継との“合わせ技”で視聴者から不評を買ったのか、午後6時3分から9時32分が6.9%。長年、選挙特番に起用していたジャーナリストの池上彰氏の“無双ぶり”が目立っていたテレビ東京は、今回、スタジオに池上氏が不在。その影響もあったようで、午後8時~10時が2.9%だった。
一方、そんな民放各局をよそに、NHKは午後8時から同45分が18.3%、同45分から午後9時が19.1%、午後9時から同50分まで15.2%を記録するなど圧勝だった。
「NHKは全国各地で記者たちが綿密に取材を重ねたデータをもとに、相変わらず、スキのない選挙特番だった。それでいて、民放各局のように余計な演出もなく、候補者への敬意も払っており、ときに裏金問題など触れづらい質問も投げかけた。もはや、テレビは若い視聴者はどんどん離れているので、民放各局は、どう考えても選挙特番の視聴者と思われる中高年に向け、余計な要素を省いた選挙特番に戻して行くべき時期なのかもしれない。石丸氏の“苦言”が視聴者の声を代弁していたのではないだろうか」(同)
出馬はしていなかったものの、今回の発言で石丸氏はもともと苦言を呈していた大手メディアにまたまた一石を投じたようだ。
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