“韓国で空前の日本歌謡曲ブーム”に目を付けたNHKが画策する歌番組
#NHK
近年、韓国で日本のアーティストが手掛ける楽曲が空前のブームを巻き起こしている。K-POPの勢いが世界中で加速する中、日本からの影響が逆流する形で韓国の若者を中心に大きな注目を集めているのだ。
「韓国では日本のアニメが多く視聴されており、そのエンディングテーマや挿入歌がSNSを通して自然と耳に入る機会が増えている。とりわけ『呪術廻戦』のKing Gnu、『鬼滅の刃』のLiSA、『推しの子』のYOASOBIなどタイアップの影響を大きく受けていて、チケットは即完売状態。日本のアーティストの韓国公演ラッシュも続いています」(音楽ライター)
さらに、この勢いは演歌や歌謡曲、ポップスにまで波及。
松田聖子や中森明菜、近藤真彦、尾崎豊、テレサ・テン、チェッカーズなどは不動の人気を博しているという。
「火付け役となったのは日韓の歌手が共演し、評価を競い合う韓国MBNテレビの歌番組『韓日歌王戦(※日本では『日韓歌王戦』)』。4~5月にかけて放送されると視聴率10%前後を獲得し、6週連続1位となりました。日本ではまだ無名のシンガーで普段は下北沢でライブレストランを経営していた歌心りえは、最年長の50歳で番組に出演し、その歌唱力が韓国視聴者の度肝を抜いて大ブレイクを果たしています。さらに、6月には人気ガールズグループ『NewJeans』のメンバー・HANNIが東京ドーム公演で、聖子のヒット曲『青い珊瑚礁』をカバーし、ブームにブーストをかけました」(音楽ライター)
予想を上回る歌謡曲ブームに日本のレコード会社も便乗しようと、復刻盤などの準備を始めているようだが、この成功に目をつけているのがNHKだという。
「NHKは大みそかの『紅白歌合戦』の視聴率低迷に苦しんでおり、今年は昨年に続いて歴代ワーストを更新する可能性もあるほど崖っぷちに追い込まれている。また、それとは別に男女別での対抗戦という形式が令和の時代にマッチしていないという指摘も年々強まっています。そんな折にNHKの歌番組スタッフの目に留まったのが『韓日歌王戦』。これを韓国の公営放送にあたるKBSと組んで国同士、人気歌手同士の対抗戦に拡大して、お互いの曲を歌い合う企画にしたらどうかというプランが局内で持ち上がっているんだとか」(テレビ局関係者)
もし実現すれば、音楽を通じて日韓の友好関係を深める大型企画になりそうだが、何とも壮大な話だけに両国の関係各所への調整が難航する可能性も。芸能ジャーナリストの竹下光氏はこう話す。
「NHKとKBSとがコラボする歌番組の構想については耳にしたことはありませんが、『韓日歌王戦』は日本でも『日韓歌王戦』としてABEMAなどで放送され、若い視聴者層を中心にかなり話題になりましたからね。『紅白』の関係者がチェックしていたとしても不思議ではないですよね。『東方神起』や『BIGBANG』、『KARA』、『少女時代』などが人気を集めた2000年代以降、日本では相変わらずK-POPブームが続いていて、『紅白』にも多数の韓国アーティストが出場しています。NHKサイドとしては『紅白』においてアイドルやアニソン歌手などと同様、若い視聴者層の獲得、ひいては将来的な受信料確保という観点で魅力的なコンテンツとして映っているのではないでしょうか」
そのうえで、昨今の韓国における日本歌謡曲ブームの背景について言及する。
「韓国でも1990年代から日本のドラマやアニメ、音楽などに興味を持つ人も多くいましたが、過去の歴史問題もあり、韓国のテレビ放送において日本語の歌詞を放送することや日本の番組を放送することが禁止されるなど、日本の大衆文化の流入制限がなされていました。それが98年から04年にかけて合計4度にわたる文化開放措置によって徐々に規制が緩和され、近年はほぼ開放されたことで、日本の歌謡曲やJ-POPがより身近な存在となり、若い世代を中心に高い評価を受けているのでしょう。加えて、『BTS』の生みの親で『HYBE』の創業者で音楽プロデューサーのパン・シヒョクさんが明菜さんのファンであることを公言するなど、元々韓国の音楽業界には80年代や90年代の邦楽に影響を受けた人も多い。昨年9月には『BTS』のメンバーのVさんが自身のインスタライブのストーリーで明菜さんの『OH NO,OH YES!』を映像のBGMに採用したことが話題となりましたが、同曲は元はジョングクさんのお気に入りということで、『BTS』のファンの間ではシヒョクさんの影響が取り沙汰されました。こうした流れも、ブームの後押しになっているのでしょう」
韓国における日本の歌謡曲ブームが、まだしばらくは金脈となりそうだ。
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