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【24年秋ドラマ】『わたしの宝物』第2話 結局のところ「金」をめぐる地獄絵図 モラハラ夫の誠実な回答

田中圭(GettyImages)

 不倫相手との間でできた子どもを、夫の子どもと偽って育てる「托卵」をテーマにしたドラマ『わたしの宝物』(フジテレビ系)も第2話です。

 数年にわたってあらん限りの家庭内モラハラを尽くし、妻であるミワさん(松本若菜)を不倫に走らせてしまった夫・ヒロキ(田中圭)。今回はそんなヒロキの表の顔が描かれました。こっちはこっちで大変だ。振り返りましょう。

■「いつも笑ってるんだろ、外面だけだって」

 前回、モラハラ中に「いつも笑ってるんだろ、外面だけだって」と被害妄想っぷりまで見せつけていたヒロキ。その外面はバリバリのしごできサラリーマンとして描かれていましたが、会社ではいろいろあるようです。

 出勤前には家を出てすぐのベンチで動悸が止まらなくなっちゃうし、会社に行ったら上司の圧は強いし、部下には陰口を叩かれてるし、それでもそれなりに仕事はできちゃうので、さらに大きなプロジェクトのリーダーを任されることになって、もうキュウキュウ。取引先に向かう途中で「逃げちゃえば?」と声をかけてきた喫茶店のマスター(北村一輝)に誘われるまま愚痴を聞いてもらうことにしました。

 ヒロキは、ミワさんにひどい言動を繰り返していることを大いに気に病んでいました。結婚前にミワさんにもらったハンカチをずっと大事に持ち歩いているほどミワさんを愛しているし、ミワさんもずっと気を使ってくれている。でも、その空気に耐えられなくて、ついつい当たり散らしてしまう。要するに、ヒロキはメンタルをやられちゃってこうなっちゃったということです。

 気兼ねなく話せるマスターの喫茶店はその後、ヒロキにとって唯一、心の休まる場所になっていきます。ミワさんに赤ちゃんができたことも相談しますが、ヒロキは自分がちゃんと父親をやれる自信がありません。

 そんなヒロキにマスターは「ちゃんと考えたほうがいい」と言います。離れるか、腹をくくって父親をやるか。そして、父親をやれるかどうかは「産まれてみなきゃわかんない」とも言います。

 一方、ミワさんは妊娠を告げても何も変わらないヒロキとの離婚を決意。親友もシングルマザーとして子どもを育てているし、自分の母親(多岐川裕美)も女手ひとつで自分を育ててくれたし、なんとかなるだろう。離婚届を用意してヒロキの帰宅を待ちます。

 しかし、離婚を切り出そうとしたそのときにミワさんの電話が鳴り、夫婦は急変したミワさんの母親の病院へ。母親は容態こそ落ち着いたものの、だいぶ弱ってしまって涙ながらにミワさんに「苦労をかけたね、ごめんなさい」と繰り返します。シングルマザー、やっぱりちょっと大変そうです。

 さらに帰り際には病院の受付から55万円の医療費の請求書を渡され、やっぱり離婚はできないと思い直すのでした。

「ちゃんと考えた」ヒロキは、ミワさんに「子どものことは何もしない。父親の役目はできない。金は入れる」と現実的な提案をします。ミワさんもこれには納得。夫婦関係は冷え切っていますし、一度は離婚まで決意したほど別に好きな男じゃなくなっていますので、渡りに船といった感じです。

 空欄にしたままだった母子手帳の「父」の欄にヒロキの名前を記入し、離婚届と、その子がヒロキの子ではない証拠であるDNA鑑定書を焼き払い、正式に「托卵妻」としての第一歩を踏み出すことにしたのでした。

 そうして迎えたお産の日。ミワさんはヒロキが立ち会いに来るとも思っていませんでしたが、無事に出産した直後に現れたヒロキは産まれたばかりの我が子(我が子ではない)を抱き上げて号泣。まさにマスターが言っていた「産まれてみなきゃわかんない」という言葉の通り、ヒロキの心の中で大きな変化が起こったようです。

 あと、アフリカで死んだと思っていた本当の父親・冬月(深澤辰哉)が実は生きていて、もうすぐ日本に帰ってくる様子。冬月はミワさんが離婚して自分と一緒になってくれると思い込んでいますから、ますます大変です。いやぁ、大変だ。

■実に手際よく、地獄を構築する

 冬月のアフリカでの死は結果的に誤報だったわけですが、あの誤報がなければミワさんはあっさりヒロキと離婚して、冬月と、その子どもと3人で幸せな家庭を築いていたに違いありません。何しろ冬月は会社をバイアウトしたばっかりでお金持ちでしょうから、母親の医療費も出してくれそうだし。

 それでもシングルマザーとして生きていくことを決意したミワさんが離婚の話を切り出す前に電話が鳴らなかったら、夫婦はここで終わっていたかもしれない。

 なんにも知らないヒロキがヒロキなりに悩んで、それなりに誠実な回答を用意するに至る裏で、ミワさんは何度もヒロキを裏切ろうとしては、打算と妥協に引き戻されて「金」という命綱にすがることに決めた。

 どこかでタイミングがずれていたら、「托卵」は発生しなかった。そういう「運命のいたずら」的な構図が実に手際よくまとめられていて、大変見ごたえのある回だったと思います。

 あと、めっちゃテンポよくてお話がサクサク進むので見ていて気持ちいいですね。個人的にはヒロキみたいな人も冬月みたいな人もあんまし好きじゃないタイプなので、ニヤニヤしながら追いかけたいと思います。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

 

どらまっ子AKIちゃん

どらまっ子です。

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最終更新:2024/10/25 18:00
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