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24年衆院選、与党大敗・野党躍進で首相再登板も取りざたされる立民・野田佳彦代表に検察捜査のアキレス腱

24年衆院選、与党大敗・野党躍進で首相再登板も取りざたされる立民・野田佳彦代表に検察捜査のアキレス腱の画像1
立憲民主党の野田佳彦代表(写真/Getty Imagesより)

 今週末27日に投開票を迎える衆院選は、新聞・テレビによる事前の選挙情勢調査が当初の想定を超える結果になっており、永田町に激震が走っている。ほかでもない、自民・公明の与党が過半数割れを起こす可能性があり、立憲民主党を中心にした野党各党の連携次第では、政権交代まで視野に入ってきたというのだ。

 さる永田町ウオッチャーも驚きを隠せない。
 
「21日の朝日新聞朝刊1面トップが『自公過半数、微妙な情勢』と報じ、“まさかの政権交代もありうる”と政界は大騒ぎになっています。この日の夕方には産経・フジテレビが、翌22日には共同通信が同じ情勢結果を伝えました。立民の野田佳彦代表が12年ぶりに再び首相の座に就くとの臆測も出てきたため、気の早い週刊誌記者たちは、かつて東京地検特捜部が封印したという“野田首相スキャンダル”の取材にすでに動き出しています」

 本サイトは、永田町に激震を呼んだ朝日新聞の選挙情勢結果(10月19-20日実施)といわれる詳細データを入手した。全国約36万人の有権者を対象に電話とインターネットで調査したもので、新聞・テレビの中で最大規模のサンプル数となっている。

 下記の数字の見方を説明しておくと、自民党の場合、一番左側の184は予想される最小の獲得議席数、一番右側の217は最大の議席数、真ん中の200が平均値となっている。各党を見比べるなら、真ん中の平均値を見るといいだろう。

 

最小 平均 最大
自民 184 200 217
公明 17 25 33
立民 122 138 154
維新 28 38 49
共産 7 12 17
国民 15 21 27
れいわ 7 11 15
社民 0 1 2
参政 0 2 5
諸派 2 3 5
無所属 11 14 17

 このデータを踏まえ、朝日は①自民党、公明党の与党は過半数(233議席)を維持できるか微妙な情勢にあり、自民は公示前の247議席から50議席程度減る見通し②立憲民主党は公示前の98議席から大幅増③国民民主党、れいわ新選組に勢い――と情勢を分析している。

 ここで怪気炎を上げているのが、立民代表の野田氏だ。

「自民の過半数割れの可能性がかなり高くなってきました!」

 朝日の報道が出た21日、遊説先の札幌市内で街頭演説に立った野田氏は、かつてない張りのある声で聴衆に訴えた。

 それも無理はない。野田氏は、9月に党代表に選出されたころから「政権交代こそ最大の政治改革」と言い続け、再び首相の座に就くことを目指す公言してきたが、それが現実味を帯びてきたわけだ。大手メディアの野党担当記者が解説する。

「野田さんは自民党に代わる中道・保守政権の樹立を唱えており、国民民主党や日本維新の会などに連立政権構想を持ち掛けています。有権者の動向次第では、政権交代すら視野に入り、2011年9月から12年末にかけて1年半足らずしか続かなかった野田政権のリベンジ戦に挑む覚悟です」

 だが、野田氏の首相再登板には、立民党内にすら懸念する向きがある。前出の永田町ウオッチャーの話。

「野田さんは首相時代、消費増税を伴う『社会保障と税の一体改革』や国会議員の定数削減を自民・公明に合意させました。その交換条件として、2012年11月の党首討論の末にいきなり衆院解散を強行。民主党から離党が相次ぎ、公示前に230あった議席を結果的に57議席へと激減させてしまいました。その後長きにわたり、自公に政権交代を許した元凶、と言われ続けました」

 しかも野田氏は、旧民主党政権当時、検察捜査のターゲットになった過去があるという。さる検察ウオッチャーが言う。

「法人税1億3000万円余を脱税した疑いで東京地検特捜部に逮捕・起訴された『ソフトウエア興業』の社長にまつわる政界スキャンダルです。社長は、国会議員に幅広く献金したり接待を繰り返したりして、政官界に広がる人脈を誇っていました。その中に野田氏が含まれていたんです」

 当時の新聞報道によれば、ソフトウエア興業は2001~09年、野田氏をはじめ、官房長官を務めた仙谷由人氏ら民主党政権の中枢が代表を務める政治団体や政党支部などに献金したり、団体側からパーティー券を購入したりしていることが政治資金収支報告書の記載内容から明らかになっていた。

 同社は自民党・細田博元氏や二階堂俊博氏など与野党問わず資金提供をしていたが、野田氏の場合は脱税事件が発覚した2011年6月当時、財務大臣を務めていた。記者会見で社長との関係を問われると、年に1~2回ほど会食していたことを明らかにし、これを認めた。

 社長と最後に会った時期について「去年どこかでお会いしていることは間違いない」と述べたが、大臣就任後かどうかの明言を避けた。財務省といえば国税庁はその外局である。社長が国税当局の査察を受けたことは「報道で知った」と答えるにとどまった。

 当時、新聞・テレビの疑惑報道は、これをもって尻切れトンボに終わっている。ところが、その後に捜査の内幕を週刊誌が報じ、「疑惑は封印された」と取り沙汰されたのだ。前出の検察ウオッチャーが続ける。

「『サンデー毎日』2012年10月28日号が『特捜検察が封印した野田首相のウラ献金捜査』と題し、ソフトウエア興業から野田氏の政党支部に計50万円の献金があったほかに、特捜部が押収した帳簿から金銭授受の記録が見つかった、と報じました。当時の野田氏は疑惑を完全否定していますし、特捜部の捜査が事実上打ち切られたのも記事に書いてある通り。疑惑は闇に葬られたわけですが、もしも再び首相の座に就くようなことになれば追及材料になる、とさっそく週刊誌メディアなどが動き始めています」

 12年ぶりに政界の檜舞台に立ち、再び政権をうかがうところにまで距離を縮めてきた野田氏。だが、“前門の虎、後門の狼”のたとえのごとく、前途は多難かもしれない。

高橋憲司(ライター)

新聞社、週刊誌記者を経てフリーに。

たかはしけんじ

最終更新:2024/10/24 12:00
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